2023年F1第18戦、カタールGPの決勝が現地時間8日行われた。
今回の決勝を前に、ピレリのタイヤ事情から特殊なルールが設けられた。ロサイル・インターナショナル・サーキット内のターン12~13などの段差について、走行時にタイヤへ深刻なダメージを負う可能性があるとして、決勝では使用コンパウンドに関係なく、新品タイヤなら18周までしか走行できないことに。
ユーズドタイヤの場合は、そのタイヤでプッシュラップ(アウトラップ、フォーメーションラップなど含まず)を行った周回数分引かれる。
レースは57周で行われるが、18×3で最大54までにしかならない。つまり、一つのタイヤで18周が上限となったことで、各チーム最低3度のピットストップ、第4スティントまで走ることが必須となった。もしタイヤの周回上限を超えた場合は、ブラックフラッグで失格になる。
各ドライバーごとに持ちタイヤのコンパウンド数、新品&中古のセット数がバラバラという中、57周の決勝ではこれまでにないほどの高度なタイヤ戦略が要求されることになった。
そして土曜日のスプリントレースにおいて、セルジオ・ペレスのマシンはグラベル上で出火し、消火作業をしたためにマシンに手が入った。これがパルクフェルメルールに抵触するとして、ペレスはピットレーンスタートとなる。
カルロス・サインツのマシンからは燃料漏れが確認され、こちらは出走することができず。サインツはグリッドに着けずにDNSとなった。これでカタールGP決勝は19台で競うことになっている。
各ドライバーは第1スティントに多くがミディアムを選択。ルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタス、リアム・ローソン、ケビン・マグヌッセンがソフトを。ピットレーンのペレスはハードをチョイスした。
レースがブラックアウトとなり、ポールスタートのマックス・フェルスタッペンがトップでターン1へと飛び込む。メルセデス2台が同士討ちで絡む状況となり、ハミルトンはそのままグラベルでマシンストップとなった。ジョージ・ラッセルは大きく順位を下げ、オープニングラップの途中でセーフティーカーとなっている。
SCの時点でトップはフェルスタッペン、2番手オスカー・ピアストリ、3番手フェルナンド・アロンソ、4番手チャールズ・ルクレール、5番手エステバン・オコン、6番手ランド・ノリス、7番手ピエール・ガスリーと続き、8番手には角田裕毅となった。
SC中、4周目の終わりとともにソフト勢がピットに入ってきて、タイヤ交換を行う。そして5/57周目からローリングスタートでレース再開となった。
レーススタートの際、ニコ・ヒュルケンベルグは14番グリッドではなく、サインツの入るはずだった12番グリッドからスタートしたとして、10秒のタイムペナルティが科された。
角田は10/57周目に最初のピットインを済ませ、ミディアムからミディアムへとつないだ。一度最後尾に回ったものの、角田はこれでクリーンエアでの走行となる。ここから各ドライバーが徐々にタイヤチェンジへと入っていった。
17周になり、タイヤ未交換がこぞってピットへと入ってくる。これで一通り全車ピットインを終えた状態で、トップはフェルスタッペン。8秒後方に2番手ピアストリ、3番手ボッタス、4番手フェルナンド・アロンソ、5番手ストロール、6番手ノリス、7番手ルクレール、8番手オコン、9番手ガスリーという順番になっている。
角田は第2スティントのミディアムで13周走行し、23周目にピットへと入ってハードの第3スティントへ移行した。タイヤの使用周回数がバラバラながら、角田は事実上アレクサンダー・アルボンとのアンダーカット合戦を行う形に。
トップのフェルスタッペンは35周目に2度目のピットインを行い、ハードへとスイッチ。後方ピアストリとの差は約6秒で、コントロールしながらトップでの周回を続けた。
40/57周目からはピットストップに入るマシンが増えていく。ここから先に新品のタイヤに履き替えたドライバーは、あとは最後まで走り切る流れとなった。
ローガン・サージェントは41周目、体調不良を訴えてピットに入り、そこでレースを終えている。これでレースは17台となった。完走を断念したサージェントの体調不良なども含め、各ドライバーは脱水症状によるレースでの消耗が顕著に。走行中にはヘルメットのバイザーを開けたり、ストレート区間では両手をステアリングの上で走行風に当てて冷やす場面も見られた。
そしてターン5やターン12でトラックリミット違反を取られるケースが多発。ペレスやガスリーは複数回の5秒加算が科されている。
フェルスタッペンは52周目に最後のタイヤ交換を行い、ミディアムを装着してトップでトラックへと戻る。4秒後方に2番手ピアストリ、そこから1.7秒差で3番手ノリスという並びになった。
結局フェルスタッペンがそのまま盤石のレースで逃げ切り、終盤にはファステストラップも記録して57周目のフィニッシュチェッカーを受けた。2位には4.8秒差でピアストリ、そこから1.1秒差で3位ノリスとなった。フェルスタッペン&マクラーレン勢のトップ3は、前レースの日本GPと同じ顔ぶれとなっている。
4位は1周目のターン1でコースアウトしたラッセル。その後は抜群のレースペースを示しながらP4まで押し上げてきた。
5位ルクレール、6位アロンソ、7位オコン、8位ボッタス、9チョウ・グァンユ、10位ペレスまでがポイントを手にした。
角田裕毅はP15。ライバル勢のウィリアムズ、ハースと競った展開の中、レースペースで伸び悩み、15位フィニッシュとなっている。
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月3日(金) ~4日(土) | 3月5日(日) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月17日(金) ~18日(土) | 3月19日(日) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月31日(金) ~ 4月1日(土) | 4月2日(日) |
第4戦 | アゼルバイジャンGP | 4月28日(金) ~ 29日(土) | 4月30日(日) |
第5戦 | マイアミGP | 5月5日(金) ~ 6日(土) | 5月7日(日) |
第6戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月19日(金) ~ 20日(土) | 5月21日(日) |
第7戦 | モナコGP | 5月26日(金) ~ 27日(土) | 5月28日(日) |
第8戦 | スペインGP | 6月2日(金) ~ 3日(土) | 6月4日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月16日(金) ~ 17日(土) | 6月18日(日) |
第10戦 | オーストリアGP | 6月30日(金) ~ 7月1日(土) | 7月2日(日) |
第11戦 | イギリスGP | 7月7日(金) ~ 8日(土) | 7月9日(日) |
第12戦 | ハンガリーGP | 7月21日(金) ~ 22日(土) | 7月23日(日) |
第13戦 | ベルギーGP | 7月28日(金) ~ 29日(土) | 7月30日(日) |
第14戦 | オランダGP | 8月25日(金) ~ 26日(土) | 8月27日(日) |
第15戦 | イタリアGP | 9月1日(金) ~ 2日(土) | 9月3日(日) |
第16戦 | シンガポールGP | 9月15日(金) ~ 16日(土) | 9月17日(日) |
第17戦 | 日本GP | 9月22日(金) ~ 23日(土) | 9月24日(日) |
第18戦 | カタールGP | 10月6日(金) ~ 7日(土) | 10月8日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月20日(金) ~ 21日(土) | 10月22日(日) |
第20戦 | メキシコシティGP | 10月27日(金) ~ 28日(土) | 10月29日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月3日(金) ~ 4日(土) | 11月5日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月16日(木) ~ 17日(金) | 11月18日(土) |
第23戦 | アブダビGP | 11月24日(金) ~ 25日(土) | 11月26日(日) |