角田裕毅「トスト代表最後の年なので恩返しがしたい」残り2戦でウィリアムズ超えを狙う…7点差逆転は「不可能ではない」｜Wednesday F1 Time

アルファタウリの角田裕毅が第21戦サンパウロGPを終え、残り2レースのラスベガスGP、アブダビGPでの躍進を誓った。

角田は『DAZN』の『WEDNESDAY F1 Time #36』に動画出演し、アルファタウリにとって3戦連続ポイントとなったアメリカGP、メキシコGP、サンパウロGPの3連戦を振り返っている。

金曜のサンパウロGP予選では、角田はQ1敗退の16番グリッドという結果に。土曜日のスプリントシュートアウトではエステバン・オコンのスピンにより残り30秒で赤旗となり、15番手でギリギリSQ2に進むという幸運な展開もあった。

続くSQ2でも角田は10番手で勝ち上がりになったが、ミディアムからソフトに変更となるSQ3では一発の速さを見せて6番手タイムを叩き出し、スプリントの6番グリッドを手にした。

同日後半のスプリントではスタート直後に一つポジションを落としたものの、チャールズ・ルクレールの背後で粘りの走りを続けた。終盤の22／24周目にはタイヤのグリップが落ちてきたルイス・ハミルトンをオーバーテイクし、角田はスプリント6位入賞で3ポイントを手にしている。2021年から始まったスプリントフォーマットにおいてアルファタウリ、そして角田の双方が初ポイントとなった。

日曜の決勝では、ルクレールがスタート前にトラブルで姿を消し、スタート直後に多重クラッシュが起きたため早々に赤旗中断となったものの、この時点で角田は16番手スタートから11番手までジャンプアップ。

再開後にはアルピーヌ勢とのバトルを行い、終盤にはジョージ・ラッセルの失速でP9まで浮上する。結局各コンパウンドをつなぎながら粘りの走りを見せ、最後はハミルトンから7秒後方の9位フィニッシュとなった。

今季アルファタウリはコンストラクターズ最下位の状態が長らく続いていたものの、北米ラウンドに入ってからポイント奪取を重ねたこともあり、現在は21点でコンストラクターズ8位まで浮上している。

DAZN

サンパウロGP終了後、角田は『DAZN』の『WEDNESDAY F1 Time #36』に動画出演し「3連戦やっと終わりました。ポジティブな結果で終われたので良かったと思います」と発言。アメリカGP、メキシコGP、サンパウロGPと続いた南北アメリカ3連戦を回顧した。

「オースティンでは初のファステストラップも取れて、チームにまず3週間連続の初戦として、勢いづけられたらと思っていた」

「そこからのメキシコでは、たぶん今年一番クルマが良かった状態で。エンジン（グリッド降格）ペナルティを受けることはわかっていたので」

「後ろから何とかポイント圏内で、ポイントを取ることを試みて。一時は8位を走っていたんですけど、途中で（オスカー・ピアストリと）ぶつかってしまって。7位走行中のドライバーを抜こうとして接触してしまい、ポイント圏外に落ちてしまうことになりました」

Red Bull Content Pool

メキシコGP決勝では8番手走行中、ピアストリとターン1で接触し、結果としてポイントが眼前から遠のいてしまった形に。だが角田は「特に悔いはないですし、あとから何とでも言えるのはあるんですけど、そこから学びましたし、もちろんポイントが大きかっただけに残念ですけど、次に活かしていきます」と、気持ちを切り替えたと口にしている。

「そしてブラジル。ブラジルはペースが思ったよりもアップダウンして。金曜日の予選では僕たち苦戦しましたし、正直、自分のパフォーマンスを最大限引き出せなかったというのもあるんですけど。苦戦してQ2に行けず終わってしまった」

「ただ、土曜日のスプリントでは今年最高位の6位をゲットして、少しメキシコGPでの恩を少し返すことができたかなと。レースでもスタートで混乱があり、うまくそれを回避して最終的には9位を取れたので、良かったと思います」

レース終盤にはクラッチの問題があったため、前のハミルトンを追うことよりも、完走を最優先させたと伝えられている。角田は「いろいろとトラブルもあって、自分のミスも何回かあって、正直自分が思い描いていたレースではなかったんですけど、ただそれでもポイントをレース週末でたくさん取れたので良かったです」と振り返った。

Red Bull Content Pool

そして今季は残り2レースとなった。角田はコンストラクターズ7位浮上に向けて、意欲を示した。

「7位ウィリアムズまであと7……8ポイントなので。……8ポイントだっけ？8ポイント？だった気がします。2戦で稼げるような小さなポイント差ではないんですけど」

「でも不可能ではないので。今はペースもいいですし、波も良いですし。その波を活かして、最大限頑張って、7位を取りに行く」

そして「フランツ・トスト代表の最後の年でもあるので、少しでも恩を返せるようなレースをしていきたいと思います。頑張ります。応援よろしくお願いします」と続け、今季限りで退任の決まっている恩師に、良い形で恩返しができるよう意気込みを示した。

DAZN

なお、ウィリアムズ（28点）とアルファタウリ（21点）のポイント差はサンパウロGP終了時点で7となっているが、アレクサンダー・アルボンの7位入賞回数が多いことから、このままポイント数で並んでもウィリアムズが順位で上となる。そのため、コンストラクターズ順位で抜くためには、8ポイントを稼いで、ポイント数で上回る必要がある。

残りは第22戦ラスベガスGP（11月18日決勝）と第23戦アブダビGP（11月26日決勝）のみ、2レースとなっている。アルファタウリはここ3レース続けてポイント獲得しているだけに、このまま勢いを継続させ、ウィリアムズとの差をひっくり返すことができるのか注目したい。

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