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【コラム】第49回「現在のダニエル・リカルドをどう評価したらいいのか」|F1解説者ムッシュ柴田のピットイン

【コラム】第49回「現在のダニエル・リカルドをどう評価したらいいのか」|F1解説者ムッシュ柴田のピットインDAZN
【F1 コラム】解説者も務めるモータースポーツジャーナリスト、柴田久仁夫がF1の今に迫る。
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評価が難しい?34歳のベテラン、リカルドとは

左手骨折の大ケガから復帰して3戦を走り終えたこの機会に、改めてダニエル・リカルドについて論じてみようと思います。というのもこの人、なかなか評価の難しいドライバーに思えるからです。

1989年7月1日生まれ、現在34歳のリカルドがF1デビューを果たしたのは、トロロッソのリザーブだった2011年のことです。シーズン途中のイギリスGPよりHRTから出走の機会を得たものの、同チームは競争力がなかったため、参戦した11レースは上位争いと無縁でした。

2012年にトロロッソからF1フル参戦を果たし、F1で4年目となる2014年にレッドブルへ昇格。ここでいきなり3勝を挙げ、タイトル4連覇(2010年~2013年)の実績を誇るセバスチャン・ベッテルを予選でも決勝レースでも撃破(2014年のポイント数はリカルド238点/ベッテル167点)し、結果的にベッテルをフェラーリへと追い出しました。

ところが翌2015年は、マシンの戦闘力不足もありましたが結果的に未勝利。新たなチームメイト、ダニール・クビアトにも僅差ながらポイント獲得数で負けています(リカルド92点/クビアト95点)。

2016年にはマックス・フェルスタッペンが、第5戦スペインGPから途中昇格してきました。この年(リカルド256点/フェルスタッペン204点※序盤4戦はトロロッソから出走)、そして全レースリカルド&フェルスタッペンのセットだった2017年(リカルド200点/フェルスタッペン168点)も、リカルドが選手権で上位を得ています。

ちなみに2023年現在、圧倒的な強さを示しているフェルスタッペンがF1で負けた唯一のチームメイトは、今のところこの2016年、2017年のリカルドだけです。

レッドブルを去り、他の名門チームを渡り歩く

2022-01-15 Ricciardo McLaren F1 Formula 1Getty Images

しかし2018年は、マシントラブルで6回もリタイアしたとはいえ、フェルスタッペンに80ポイント近い大差(リカルド170点/フェルスタッペン249点)をつけられました。

この成績、及びフェルスタッペン中心となっているチーム体制への不満が、翌年のルノー移籍への決断を後押ししたことは間違いないでしょう。

しかしルノーとは喧嘩別れの形で、2年も持たず。成績も最高位は2020年に記録した2回の3位表彰台にとどまりました。

2021年からはカルロス・サインツの穴を埋める形でマクラーレンに移籍。若手のホープ、ランド・ノリスとの直接対決が大いに注目されるなか、独特のマシン挙動に手こずりながらも2021年はイタリアGPでマクラーレンに9年ぶりのF1勝利をもたらしました。ですがシーズンを通じてみると安定感でノリスにかなわず(リカルド115点/ノリス160点)。マクラーレン2年目の2022年にはノリスに予選でもレースでも惨敗(リカルド37点/ノリス122点)したため、この年いっぱいで実質的に放出されたのでした。

キャリアに浮き沈みはあるも、確かな実力者

2022-02-23 Ricciardo McLaren F1 Formula 1Getty Images

と、ざっと2022年までのF1キャリアを振り返るだけでも、リカルドはなかなか振り幅の大きいドライバーという印象です。フェルスタッペンと互角に戦い、シューズにシャンパンを入れて飲む“シューイ”で大いに表彰台を盛り上げた華やかなレッドブル時代。それほどの実力の持ち主が、マクラーレンの2年間でまるで別人のように遅くなってしまったのは、本当に意外でした。

リカルド自身はあの当時「自分の慣れ親しんだブレーキングや、スロットルの開け方を、すべて変える必要があった」と語っています。しかし選ばれし者であるF1ドライバーの中でも、リカルドは「現役トップ5の速さの持ち主」と評価された逸材です。ドライビングをマシン特性に合わせることが、それほど難しいとは思えない。

なのに2シーズンかけ、たとえいかに特殊な挙動のマシンだとしても、なぜできなかったのか。本人やエンジニアたちのコメントを読み直しても、これはという理由は僕にはいまだに見えてきません。

アルファタウリ前進の力添えに期待

2023-10-29 Ricciardo Daniel Alphatauri F1 Formula 1Red Bull Content Pool

2022年限りでマクラーレンのシートを失い、今季はレッドブルのサードドライバーという立場だったリカルド。アルファタウリは苦戦していたニック・デ・フリースを見限り、ハンガリーGPより34歳になったベテランのリカルドを起用しました。

リカルドはハンガリー、ベルギーと2戦を消化した後、サマーブレイク明けオランダGPのFP2では、コース上でストップしたオスカー・ピアストリを避けるためバリアに激突。左手を骨折してしまいます。そのケガから2カ月ぶりに復帰となった今回の南北アメリカ3連戦では、メキシコGP予選で4番グリッドを獲得。レースでも7位に入って、復調をアピールしました。

しかしかつてのレッドブル時代、ベッテルやフェルスタッペン相手にバトルを繰り広げた頃の一種の“凄み”は、現在のリカルドからは感じられません。今はまだ慣らし運転の段階なのかもしれませんが。

一方でリカルドの技術フィードバック、マシンのセットアップ能力については、アルファタウリに在籍する複数のエンジニアに話を聞いた限りでは「かなり頼りになる」レベルとのことです。そこにシンガポール、アメリカと大型アップデートの投入が続き、マシン戦闘力自体も向上する追い風も吹きました。

アルファタウリは南北アメリカ3連戦で、すべて入賞を果たしました。その陰には、リカルドの貢献も少なくなかったと思われます。角田裕毅選手とのコンビも、これからさらなる相乗効果、化学反応が生まれてくるのではないでしょうか。

文・柴田久仁夫(しばた・くにお)

1956年静岡県生まれ。1980年代よりフランス・パリを拠点とし、TV番組制作の現場で手腕を振るう。1987年よりF1の世界にも足を踏み入れ、それ以来数々のレースを取材してきた。訪れたサーキットでは素足でトラックの感触を確かめるというライフワークも行っている。2016年より本拠地を東京に移し、現在は『DAZN』のモータースポーツ中継でも解説を務める。

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【レース情報】
F1  第22戦:ラスベガスGP※日本時間
11月17日(金)13:30~フリー走行1回目
11月17日(金)17:00~フリー走行2回目
11月18日(土)13:30~フリー走行3回目
11月18日(土)17:00~予選
11月19日(日)15:00~決勝

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チーム・ドライバー

日程・番組表

 レースフリー走行・予選決勝
第1戦バーレーンGP 3月3日(金) ~4日(土)3月5日(日)
第2戦サウジアラビアGP 3月17日(金) ~18日(土)3月19日(日)
第3戦オーストラリアGP 3月31日(金) ~ 4月1日(土)4月2日(日)
第4戦アゼルバイジャンGP 4月28日(金) ~ 29日(土)4月30日(日)
第5戦マイアミGP 5月5日(金) ~ 6日(土)5月7日(日)
第6戦エミリア・ロマーニャGP 5月19日(金) ~ 20日(土)5月21日(日)
第7戦モナコGP 5月26日(金) ~ 27日(土)5月28日(日)
第8戦スペインGP 6月2日(金) ~ 3日(土)6月4日(日)
第9戦カナダGP 6月16日(金) ~ 17日(土)6月18日(日)
第10戦オーストリアGP 6月30日(金) ~ 7月1日(土)7月2日(日)
第11戦イギリスGP 7月7日(金) ~ 8日(土)7月9日(日)
第12戦ハンガリーGP 7月21日(金) ~ 22日(土)7月23日(日)
第13戦ベルギーGP 7月28日(金) ~ 29日(土)7月30日(日)
第14戦オランダGP 8月25日(金) ~ 26日(土)8月27日(日)
第15戦イタリアGP 9月1日(金) ~ 2日(土)9月3日(日)
第16戦シンガポールGP 9月15日(金) ~ 16日(土)9月17日(日)
第17戦日本GP 9月22日(金) ~ 23日(土)9月24日(日)
第18戦カタールGP 10月6日(金) ~ 7日(土)10月8日(日)
第19戦アメリカGP 10月20日(金) ~ 21日(土)10月22日(日)
第20戦メキシコシティGP 10月27日(金) ~ 28日(土)10月29日(日)
第21戦サンパウロGP 11月3日(金) ~ 4日(土)11月5日(日)
第22戦ラスベガスGP 11月16日(木) ~ 17日(金)11月18日(土)
第23戦アブダビGP 11月24日(金) ~ 25日(土)11月26日(日)