2024年のF1第12戦、イギリスGP決勝が現地時間7日行われた。
現地シルバーストンは曇り模様ながらドライコンディションでレース時刻を迎えた。気温16℃、路面温度32℃となっている。レース中盤に雨が降るのではないかとの予報も。
第1スティントに17台がミディアムを選択。チョウ・グァンユとエステバン・オコンがソフトを選び、ピットレーンスタートのセルジオ・ペレスがハードを装着した。
ピエール・ガスリーはフォーメーションラップ時にマシンが問題があると報告し、ピットへと戻った。そのままリタイアを選択している。
52周のレースがブラックアウトとなり、ジョージ・ラッセル、ルイス・ハミルトン、マックス・フェルスタッペン、ランド・ノリスの順番でオープニングラップを終えた。13番グリッドの角田裕毅は2つポジションを上げ、11番手で2周目に入っている。
トップのラッセルはペースが良く、ハミルトン、フェルスタッペンとそれぞれの差が10周目には2秒まで開いた。7番手のランス・ストロール、10番手のフェルナンド・アロンソと、アストンマーティン勢がトレインを先導する形になり、11番手の角田としては耐えながら周回を重ねる状況となる。
15/52周目に入ると、ホームストレート区間の雨粒が目立ってくる。いつピットに入ってインターミディエイトに変更するか、そのタイミングを見計らう戦いになる。この15周目のターン15では、ノリスがフェルスタッペンを抜いて3番手に浮上した。
フェルスタッペンはペースが伸びず、17周目のターン15でオスカー・ピアストリに抜かれた。これでメルセデス1-2、マクラーレン3-4となる。
やや小雨が目立ってきた18周目、ハミルトンがラッセルを抜いてトップに浮上した。この後、ターン3ではメルセデス2台がオーバーランとなり、路面はグリップ力が一気に落ちている。
20/52周目のターン2ではノリスがハミルトンをパスし、トップに浮上する。ここからピットに入り、インターミディエイトに切り替えるドライバーが出てきた。だがまだ路面が全セクションで濡れているわけではなく、インターに変更するとタイヤが一気にダメになる可能性があることから、ドライバー判断でスリックのまま留まるチームが多数となった。
インターに変更したペレスも、2周後に無線で「インター向きではないね。路面がかなり乾いている」とチームに報告している。
路面が完全にドライへと戻りつつあり、23/52周目にはトップのノリスがファステストラップを塗り替える。マクラーレン勢はこのコンディションでのペースが速く、ピアストリも2番手に上がってきた。
どのドライバーも、あとはいつ雨が降ってくるのか、そのタイミングを見計らう展開ととなった。
27/52周目、雨粒が目立ってきたこともあり、インターミディエイトに変更するドライバーが出てきた。フェルスタッペン、カルロス・サインツ、ストロールがインターにチェンジしている。
28周目、2番手のピアストリがステイアウト。ノリス、ハミルトン、ラッセルの3人がピットに入った。角田もこのタイミングでインターミディエイトにチェンジしている。
コースに留まったピアストリは完全にペースが遅く、その次の29周目にタイヤを変更するも、ピットアウトするとトップから20秒後方の6番手まで下がってしまった。この29周目には全車インターミディエイトへと変更している。
30/52周目時点で、トップはノリス。3秒後方に2番手ハミルトンと続き、そこから6秒差で3番手フェルスタッペン、その2秒後ろにラッセルとなっている。
ホームストレートやピット付近は路面が濡れている一方で、セクター2後半のターン9~13は路面が乾いているという、難しいコンディションが続く。
すると34/52周目、ラッセルにチームから「冷却系に問題が発生したから、レースを断念するしかない」と連絡。ポールスタートのラッセルは地元で無念のリタイアとなっている。
角田は残り18周の35周目時点で9番手を走行。4秒前にアロンソ、4秒後方にアレクサンダー・アルボンと、それぞれとの差を見ながら周回を重ねていく。
トップのノリスが逃げる展開となるも、2番手ハミルトンはペースが速く、ノリスとの差を徐々に詰めていった。
38/52周目、ケビン・マグヌッセンとダニエル・リカルドがピットに入り、スリックに戻す。39周目には2番手ハミルトン、3番手フェルスタッペンもピットに入った。角田は40周目にピットへと入り、ソフトへとチェンジしている。
スリックに替えるタイミングが1周遅れたことで、ノリスがピットアウトするとハミルトンの3秒後ろ。後ろの3番手、フェルスタッペンもペースが速く、前のノリスとの差を詰めていった。ここからハミルトン(ソフト)、ノリス(ソフト)、フェルスタッペン(ハード)による三つ巴の戦いに。
後方では角田がアルボンの猛追に耐えていたものの、残り8周のターン15でかわされ、アルボンP9、角田P10となった。
残り5周になると2番手ノリスと3番手フェルスタッペンの差がDRS圏内となり、ターン15でポジションが入れ替わる。これでフェルスタッペンは2番手。3.3秒前方のハミルトンを追う。
だがハミルトンはソフトを持たせながらコントロールしていたこともあり、ペースは落ちず。フェルスタッペンも差を大きく詰めることができない。
結局ハミルトンがこのまま逃げ切って、今季初優勝を果たした。ハミルトンは2021年のサウジアラビアGP以来、3年ぶりの優勝、キャリア104勝目となっている。メルセデスとしては前レースのオーストリアGPに続き、連勝となった。
また、今季は12レース時点で6人目のウイナー誕生となった。近年例がなかったほどの混戦状況となっている。
2位には1.4秒差でフェルスタッペン、3位ノリスまでが表彰台となっている。ノリスとしては2021年ロシアGPと同様に、ピットインが後手になったことで優勝のチャンスが遠ざかる状況となった。
4位ピアストリ、5位サインツ、6位ヒュルケンベルグ、7位ストロール、8位アロンソ、9位アルボンと続き、角田は10位でフィニッシュ。モナコGP以来、4戦ぶりの入賞となっている。
だがストロールが6ポイント(合計23ポイント)、ヒュルケンベルグが8ポイント(合計22ポイント)を加えたため、角田(合計20ポイント)は総合順位で12位にポジションを落としている。
第12戦イギリスGP・決勝結果
1/ルイス・ハミルトン/メルセデス
2/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
3/ランド・ノリス/マクラーレン
4/オスカー・ピアストリ/マクラーレン
5/カルロス・サインツ/フェラーリ
6/ニコ・ヒュルケンベルグ/ハース
7/ランス・ストロール/アストンマーティン
8/フェルナンド・アロンソ/アストンマーティン
9/アレクサンダー・アルボン/ウィリアムズ
10/角田裕毅/VCARB
11/ローガン・サージェント/ウィリアムズ
12/ケビン・マグヌッセン/ハース
13/ダニエル・リカルド/VCARB
14/チャールズ・ルクレール/フェラーリ
15/バルテリ・ボッタス/キックザウバー
16/エステバン・オコン/アルピーヌ
17/セルジオ・ペレス/レッドブル
18/チョウ・グァンユ/キックザウバー
-/ジョージ・ラッセル/メルセデス
-/ピエール・ガスリー/アルピーヌ
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 2月29日(木) ~3月1日(金) | 3月2日(土) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月7日(木) ~8日(金) | 3月9日(土) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月22日(金) ~ 3月23日(土) | 3月24日(日) |
第4戦 | 日本GP | 4月5日(金) ~ 6日(土) | 4月7日(日) |
第5戦 | 中国GP | 4月19日(金) ~ 20日(土) | 4月21日(日) |
第6戦 | マイアミGP | 5月3日(金) ~ 4日(土) | 5月5日(日) |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月17日(金) ~ 18日(土) | 5月19日(日) |
第8戦 | モナコGP | 5月24日(金) ~ 25日(土) | 5月26日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月7日(金) ~ 8日(土) | 6月9日(日) |
第10戦 | スペインGP | 6月21日(金) ~ 22日(土) | 6月23日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 6月28日(金) ~ 29日(土) | 6月30日(日) |
第12戦 | イギリスGP | 7月5日(金) ~ 6日(土) | 7月7日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月19日(金) ~ 20日(土) | 7月21日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 7月26日(金) ~ 27日(土) | 7月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 8月23日(金) ~ 24日(土) | 8月25日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 8月30日(金) ~ 31日(土) | 9月1日(日) |
第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月13日(金) ~ 14日(土) | 9月15日(日) |
第18戦 | シンガポールGP | 9月20日(金) ~ 21日(土) | 9月22日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月18日(金) ~ 19日(土) | 10月20日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月25日(金) ~ 26日(土) | 10月27日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月1日(金) ~ 2日(土) | 11月3日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月21日(木) ~ 22日(金) | 11月23日(土) |
第23戦 | カタールGP | 11月29日(金) ~ 30日(土) | 12月1日(日) |
第24戦 | アブダビGP | 12月6日(金) ~ 7日(土) | 12月8日(日) |