2023シーズンのF1は当初24戦で行われる見通しだったが、新型コロナウイルスの影響で中国GPが見送りとなり、エミリア・ロマーニャGPは豪雨災害により中止に。これで22戦での開催となった。
そして2024年は全24戦で実施される予定。これは過去最多のグランプリ数となる。
F1第20戦メキシコGP 概要
終盤戦に突入したF1は、怒涛の3週連続開催。
今週末には早くも、アメリカ大陸3連戦の第2戦目、メキシコGPが行われる。
高地エルマノス・ロドリゲス・サーキットでのバトルは大いに注目の一戦となるだろう。標高約2200m超の高地に位置するこのサーキットでは空気が薄く、マシンやドライバーの身体に及ぼす影響は大きい。通常とは異なるコンディションが勝敗を左右する可能性もあるため、一筋縄ではいかないグランプリだ。
前戦のアメリカGPではフェラーリがワン・ツー・フィニッシュを果たし、ポイントを荒稼ぎした。フェラーリの躍進によりコンストラクターズランキングではフェラーリ496点、レッドブル504点と、わずか8ポイント差に迫られている。
ドライバーズランキングに目を向ければ、マックス・フェルスタッペンはスプリント優勝に加え3位表彰台入りと、いずれもランド・ノリスを上回る成績を収め最低限の仕事はした格好だ。勢いのあったノリスは一歩足踏みといったところ。メキシコGPの直近6戦ではフェルスタッペンが5勝と相性が良く、同僚のセルジオ・ペレスの母国GPでもあるため、レッドブルとしては勝利がほしい。タイトル獲得がかかる重要な局面を迎えているF1。メキシコGPを含め、残り5戦となった終盤戦から目が離せない。
メキシコGPの成り立ち
Getty Images
メキシコの英雄的なレーサーの名が付けられたエルマノス・ロドリゲス(ロドリゲス兄弟)サーキット。当時メキシコ大統領の顧問を務めていた、ロドリゲス兄弟の父親が進言したことで、1959年に建設がスタートした。
メキシコGPが正式にF1カレンダーに組み込まれたのは1963年。その後1970年まで8回連続で開催され、なかでも1965年の最終戦となったメキシコGPは、ホンダにとってF1初優勝の舞台になった。リッチー・ギンサーが駆るアイボリーホワイトの葉巻型マシンが、先頭でチェッカーフラッグを駆け抜けた後、チーム監督の故 中村良夫氏が『Veni Vidi Vici(来た、見た、勝った)』と言うジュリアス・シーザーの言葉を引用して、Honda本社に勝利の電報を伝えたエピソードも残っている。
1986年に再びメキシコGPが復活するも、1992年まで7年間開催したのち、再度カレンダーから消滅。2015年に三度復活を果たし、シーズン終盤のタイトル争いの舞台として、人気を集めている。2015年の復活には、国民的な人気を誇るセルジオ・ペレス(レッドブル)の存在が非常に大きく、コース改修を経て、開催が決定。毎年多くの観客がサーキットを訪れ、母国の英雄に熱烈な声援を送っている。
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により開催がキャンセルとなり、2021年から4年連続のメキシコGP実施となる。なお、2024年の今回は24回目のメキシコGPとなる。
レース開催日程・DAZN配信予定
F1 第20戦 メキシコGP / オートドローモ・エルマノス・ロドリゲス
日時(日本時間) | 配信内容 | 解説・実況 |
---|---|---|
10月26日(土)3:30~ | フリー走行1回目 | 解説:田中健一 コメンテーター:浅木泰昭 |
10月26日(土)7:00~ | フリー走行2回目 | 解説:柴田久仁夫 実況:サッシャ |
10月27日(日)2:30~ | フリー走行3回目 | 解説:小倉茂徳 実況:サッシャ |
10月27日(日)6:00~ | 予選 | 解説:松下信治 実況:サッシャ |
10月28日(月)5:00~ | 決勝 | 解説:松下信治 実況:サッシャ |
サーキット(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)
DAZN|Getty Images
標高2200mを超える高地に位置するこのサーキットは、他のサーキットよりも空気が薄く、マシンやドライバーの身体にも負担が多いことで知られている。
全長4.304kmとコース自体は比較的短く、そのため予選ではクリアラップを取るのが難しく、決勝はモナコGPに次ぐ71周の周回数で行われる。
特徴的な1コーナーに向かうロングストレートは、現在のF1開催トラックでも屈指の長さで、ここでDRSを使うことが一番のオーバーテイクポイントになる。2023年の49/71周目、角田裕毅がオスカー・ピアストリにターン1で仕掛けるも、接触して角田は大きくポジションを下げるという場面もあった。
その他にも、最終セクターには元々あった野球場のスタンドを活用したスタジアムセクションなど、特徴的なレイアウトが魅力。多くの観客が詰めかけるため、例年表彰台もそのエリアに設置される。
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2023年メキシコGP結果
Red Bull Content Pool
2023年F1第20戦、メキシコGPの決勝は2023年10月29日に行われた。
このレースで角田裕毅がパワーユニット交換により最後尾スタートとなる見通しだったが、後になりローガン・サージェントがグリッド降格、ランス・ストロールがピットレーンスタートとなったため、角田は18番手からのレース開始となっている。
20人中17人が第1スティントにミディアムを選択。アレクサンダー・アルボン&エステバン・オコンがハード、17番グリッドのランド・ノリスのみがソフトを選んでいる。
レースがブラックアウトとなり、3番グリッドのマックス・フェルスタッペン、5番グリッドのセルジオ・ペレスが抜群の蹴り出しを見せる。ポールスタートのチャールズ・ルクレールを含めた3ワイドでターン1へと飛び込んでいく。
だがこのターン1でルクレールとペレスが接触し、母国レースのペレスはルクレールのタイヤに乗り上げてオーバーラン。ピットまで戻ったものの、結果としてペレスは無念のリタイアを選択している。
フェルスタッペン、ルクレール、カルロス・サインツ、ダニエル・リカルド、ルイス・ハミルトンという順番でオープニングラップを終えた。角田も18番グリッドから15番手まで順位を押し上げ、2周目に入っている。
5/71周目に入り、ターン1にパーツが落ちていることからここでバーチャルセーフティーカーに切り替わり、6周手前でVSC終了となったこともあり、ここでピットに入るドライバーは現れず。
15番手走行の角田はケビン・マグヌッセンを一度抜いた8周目のターン1でオーバーランし、タイヤにダメージがあることからレースペースが落ちる。10/71周目にはピットインを行い、早くもハードの第2スティントに切り替えた。
角田はハードでのレースペースが良く、12周目時点でのファステストを記録している。同じく早めのピットインとなったノリスとともに、後方では速いペースで周回を重ねていく。
トップのフェルスタッペンは15/71周目に入ると後方ルクレールとの差を4.4秒まで広げ、レースペースをコントロールしながらのクルーズ状態に入る。だがフェルスタッペンはタイヤの持ちが悪いと無線で連絡し、20/71周目にフェルスタッペンはミディアムからハードにつないだ。
31周目にサインツ、32周目にルクレールがピットに入り、これで上位勢はすべて第2スティントへと突入。中盤の33/71周目時点でトップはフェルスタッペンとなり、16秒後方に2番手ルクレール、そこから3秒差で3番手ハミルトンが続いた。
すると33周目のターン8でマグヌッセンがクラッシュ。これでレースはセーフティーカー導入となった。ここでトップのフェルスタッペンはすぐさまピットへと入り、ミディアムからハード、ハードとつなぎ、トップで隊列の最前列に戻る。
クラッシュしたマグヌッセンのマシンから出火し、マシン除去とバリア修復もあることから、34/71周目に赤旗が出た。レースは中断となるも、これでタイヤ交換が自由にできることに。ここでステイアウトを選んだ角田は3つの異なる新品コンパウンドをストックに抱えていることもあり、大きく得をした形となった。
赤旗時点でトップはフェルスタッペン。以下ルクレール、ハミルトン、サインツ、リカルド、ピアストリ、ジョージ・ラッセルと続き、角田は8番手でレース再開を迎えることになった。レースは現地時間15:13にリスタートとアナウンスされている。
35周目はピットからグリッドまでのワンラップとなり、レースは36/71周目よりスタンディングスタートとなる。角田は新品のハードを履いてグリッドに着いた。
再度ブラックアウトとなり、大きな混乱はなく各車37周目のコントロールラインに戻ってくる。トップはフェルスタッペン、2番手ルクレール、3番手ハミルトン、4番手サインツ、5番手ラッセル、6番手リカルド、7番手ピアストリと続き、角田は8番手のままとなった。
49周目のターン1で8番手角田は前方のピアストリを抜きにかかるも、ここで接触し角田はスピン。16番手まで一気にポジションダウンとなってしまった。
トップのフェルスタッペンは別格のペースでハミルトンを突き放し、残り17周の55/71周目にはその差が10秒まで広がる。ここからは後方との差を見ながら、完全なクルーズ状態へと入っていく。
終盤の67周目にはセクター3のスタジアムセクションでランス・ストロールとバルテリ・ボッタスが接触。ストロールはダメージが大きく、この後リタイアを選択している。
Getty Images
結局フェルスタッペンはハミルトンとの差を13.8秒まで広げ、同年16度目のトップチェッカーを受けた。2022年に自身が記録していた年間最多勝の15勝を抜き、新記録となるシーズン16勝をマークしている。F1キャリアとしては通算51勝(当時)に達し、アラン・プロストに並ぶ歴代4位タイとなった。
2位ハミルトンはファイナルラップにファステストを記録し、19ポイントを手にした。ドライバーズポイントでは総合2位ペレス(240点)との差を20ポイント差(220点)まで縮めている。3位ルクレールまでが表彰台となった。
4位サインツ、5位ノリス、6位ラッセルと続き、7位にはリカルドが入った。リカルドが6ポイントを手にして、アルファタウリはこれで年間16ポイントに到達。コンストラクターズランキングで最下位を脱し、9位アルファロメオと並ぶ16ポイントながら、上位入賞位置の関係でアルファタウリが8位となっている。
8位ピアストリ、9位アルボン、10位オコンまでがポイントを手にした。
角田はピアストリとの接触後、P8からP16まで順位を落とし、その後はニコ・ヒュルケンベルグから続くトレインの最後尾で走行する展開に。ストロールとボッタスの接触で順位を上げ、ファイナルラップにはヒュルケンベルグをパスして12位でフィニッシュチェッカーを受けている。