F1元王者デイモン・ヒル氏、王者争いはフェルスタッペン優勢との見解「追うルイスに何かがあればすべてが決まる」｜F1

元F1王者のデイモン・ヒル氏が、残り2レースとなった今季のタイトルレースについて自身の見解を示している。

今季のドライバーズチャンピオンシップは、シーズン序盤より初の総合優勝を狙うマックス・フェルスタッペンと、前人未到8度目の戴冠を目指すルイス・ハミルトンによる激しいデットヒートとなっている。第20戦を終え351.5vs343.5でフェルスタッペンが8ポイントリードしている状況だ。

1996年のF1ワールドチャンピオン、デイモン・ヒル氏は『F1 Nation』のポッドキャストで「ルイスはもちろん逆転優勝のチャンスを狙っている。だが、残り2戦で十分なチャンスがあるとは限らない」と同胞ハミルトンの逆転優勝について、懐疑的な見方をしている。

「確かにルイスのエンジンはここ2戦で力を示したね。トト（ヴォルフ代表）もスパイシーなパワーを投入するって言っていたけど、それが本当のものとなっている。ルイスにとってはタイトル争いが白熱することにより、今までとは違ったモチベーションが湧いていることだろう。彼はハンターであることを好むからね」

ヒル氏は「ただ、彼にとって残り2レースで8ポイントを追うという現状は、実はイージーではない状況だと私はとらえている」と述べ、ポイントリーダーであるフェルスタッペンのほうがチャンスは大きいと主張した。

「フェルスタッペンは結果次第でサウジアラビアGPであっさりとタイトルを確定させてしまうことだってあり得る。何しろ、2人の主演俳優に何か大きなミスがあった場合は一気に致命的となる。それが追う立場のルイスに何かあった場合、その時点ですべてが決まってしまうんだ」

「ただ、難しい状況であることもルイス自身がよくわかっている。カタールGPで勝った後、喜びの感情を爆発させることもなかった。むしろ冷静さをキープするように振る舞っていたね。終盤に入り、緊張も伴う状況になっているからこその表情だった。まだ幸せの時ではないし、張り詰めた状況は継続となる。そんななかフィナーレは近い。どうなるかは誰にもわからないんだ」

1994年～1996年の3シーズン、ミハエル・シューマッハ、ジャック・ヴィルヌーヴとタイトルを競ったヒル氏。その難しさを知る先人は、2レースを残して8ポイントリードしているフェルスタッペンのほうが優勢だと見ている模様だ。

果たしてオランダ人ドライバーが初の総合優勝となるのか、それとも7度の王者が8度目の戴冠を果たすのか。最終第22戦までもつれる激戦も予想されるが、第21戦サウジアラビアGPで決着する可能性も十分にあるだけに、初のF1開催となるジェッダ決戦は見逃せない一戦となりそうだ。

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