F1幹部ロス・ブラウン氏「各チームの進化が楽しみ…競争力を有したチームが増える」規定変更でサプライズはあるのか｜F1

2022年シーズンの開幕を前に、F1のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウン氏が、今季のレギュレーション変更について自身の見解を示している。

今季よりF1の規定は大きく変わり、各チームが新規定に合わせてマシンを大刷新することに。走行中の乱流による影響を少なくする目的により、多くの新たな要素が取り入れられ、追い抜きや接近戦のバトルが改善されるのではないかと言われている。その他タイヤのインチ数も13から18に変わることになり、昨シーズンから各チームの勢力図は大きく変わるのではないかと見る向きも。

ブラウン氏は「規定変更により落ち着くまではまだ時間がかかるだろうが、私が見た限り、各チームの新マシンはとても良い内容に仕上がっていると思う」とここまでローンチ公開されている各チームの新車両について語った。『F1』公式メディアがその言葉を伝えている。

「今シーズンの戦いには楽観的な見方もあるね。今季、若いドライバーの何人かからは興味深い結果が得られるんじゃないかと見ているよ。彼らは接近戦の戦い方を知っているし、とても興味深いシーズンになると思う。きっと多くの人にとっても見ごたえあるシーズンになるはずだよ」

2014年以来、ここまでメルセデスがコンストラクターズタイトルを8連覇。昨季こそドライバーズタイトルはレッドブルのマックス・フェルスタッペンが手にしたが、その前まではルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグの2名を要したメルセデスがチャンピオンを7度輩出している状況となる。メルセデスとそれ以外のチームで力の差が大きかったことについては次のように述べている。

「勝利の価値は普遍的だし、各チームが目指すべきものだと認識している。そういった意味では物事の順列が劇的に変わるとまでは思っていない。ただ、上位勢と中堅チームの力量は今まで以上に近づくと予想しているよ。急に競争力を有したチームが増えるかもね」

「よほど大きな何かが起こらない限り、メルセデスかレッドブルにしかチャンスがないようにも見えた。だが今のF1界には、多くの優れたドライバーがいる。シャルル（ルクレール、（カルロス）サインツ、ランド（ノリス）、ジョージ（ラッセル）などがその代表格だろう。素晴らしいシーズンになるであろう組み合わせのドライバーを有しているチームがいくつかある」

「結局のところ、規定は規定としてあったとしても、良いチームがいつも素晴らしい仕事をするものだ。彼らは専門知識や自信、経験を持っているからね。これまで強かったチームが急に力を失って衰退していくようなことはないと思う。よほど珍しいレース展開にならない限り、明確な格差が埋められないという状況は減ると思う。ある程度ランダムな要素には影響されるだろうが、F1はあくまで実力主義の戦いだからね」

車両規定の大きく変わる2022年のF1界。かつて2008年限りでホンダF1チームが撤退となり、翌2009年にそのチームを引き継いだブラウンGPが初年度からドライバーズタイトル、コンストラクターズタイトルを奪取した。その時の代表こそ同チームの冠でもあるブラウン氏だった。

今季のF1は、昨季から勢力図がどう変わるのだろうか。ブラウン氏が示したように、これまで中堅での戦いを余儀なくされていた勢力が、急にチャンピオンを狙える位置まで成り上がることはできるのか。

開幕を前に勢力図を占ううえで、2月23日～25日のスペイン・プレシーズンテスト、3月10日～12日のバーレーン・公式テストの結果が待たれるところとなる。

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