F1幹部ブラウン氏、初V逸したノリスに同情「バリチェロのドイツGPを思い出した」ハミルトンについては「120勝できる」｜F1

F1マネージングディレクター、ロス・ブラウン氏が「ルイス・ハミルトンはキャリア120勝は可能だろう」と述べている。

先日行われたロシアGPでは、終盤に2位を走行していたハミルトン。突然の雨が降るも、トップのランド・ノリスはそのままドライタイヤでの走行を決断。一方で2位ハミルトンはノリスとの差が25秒まで開くも、インターミディエイトへのチェンジという結論に至った。

その後、ハミルトンはスリックタイヤで走行が難しくなったノリスとの差を一気にひっくり返し、キャリア100勝目をソチでマークした。

メルセデスの前身、ブラウンGPでダブルタイトル獲得を経験し、現メルセデス移行後もチーム代表を務めたブラウン氏は『F1』の公式メディアを通じて「ルイスはどこに行き着くのか、誰が知っていようか？」と100勝の金字塔を打ち立てたハミルトンに賛辞を贈った。

「彼は年齢的には大ベテランだし、200勝まで手が届くとは思わない。だけど、ルイスはまだ競争力を備えていて、本人のモチベーションも十分にある。おそらく、今後20勝を積み重ねることは可能だろう。それは現実的な予測だと思うね。何しろ、彼を止めるものは何もないのだから」

また、土壇場でF1初優勝を逃したノリスについてもブラウン氏は言及。ロシアGP終盤に大きくポジションを落としたことについて「まさに悲劇だった」と述べた。

「ルイスは逆転のチャンスを待っていたし、その判断も冷静だった。チームとの無線も天候について密に連絡を取っていたね。一方でランドは苦しいだろう。彼がドライタイヤでコントロールできず、レースラインから外れたのを見た時、みんなが同じような痛みを感じたはずだ。あれはまさに悲劇だった」

「ルーベンス・バリチェロが初めてポディウムの頂点に立ったドイツGP（2000年）を思い出した。あのときは突然の雨で、我々はピットに入れと伝えたんだ。だけどルーベンスはそれを拒んでね。そのまま走り続けてキャリア初優勝をマークしたんだ」

「ああいったケースでのシナリオは本当に難しい。ソチではトラックのウェット化が早かったけど、そのコンディション変化は誰にも予想できない。それだけにラップリーダーはその座を捨てたいとは思わないだろう。それは当然のこと。失うものがない2番手のドライバー（ハミルトン）は、柔軟に決定を下したということだね」

ブラウン氏はノリスに同情心を示しつつ「でもランドはこの経験を今後につなげるだろう。より強いドライバーになることは間違いない。彼はこのレースで予選の時も確かな成果を示したからね」とイギリス人ドライバーにエールを贈った。

「チームの無線が正しいのか、間違っているのか、その時に明確になるものではない。でもそれによってポジションを失ったり、順位が大きく入れ替わった時の失望感は恐ろしいものだ。私はチーム在籍時の経験もあるから、それに対して同情心を抱く。そして、このようなドラマがあるから、F1が素晴らしいエンターテインメントになっていると言えるだろう」

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