経歴
順風満帆なキャリアのスタート
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英国ノーフォーク州で生まれたジョージ・ラッセルは、8歳からカートのキャリアをスタートする。めきめきと頭角を現したラッセルは、3年後2009年に国内のカート選手権で2冠を果たすと、翌年には3つの選手権でタイトルを獲得し、知名度を高めていった。
その後もカートで数々のタイトルを獲得したのち、2014年にフォーミュラ・ルノー2.0でシングルシーターデビュー。総合4位と上々の結果を残し、さらに同年に参戦したイギリスF4では見事にチャンピオンを獲得。F3へのステップアップを果たした。
2シーズンを過ごしたF3ではチャンピオンにはなれなかったものの、ルーキーシーズンに総合6位。翌2016年は勝ち星を増やして総合3位に入ったことでさらに評価を高め、メルセデスのジュニア・ドライバー・プログラム入りが発表された。
GP3→F2→F1へ毎年ステップアップ
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2017年にはGP3に参戦。シーズンを通して上位争いを繰り広げ、4勝を挙げて初年度でタイトルを獲得。第9戦のベルギーGPフィーチャーレースでは、優勝に加えてポールポジションとファステストラップを記録する「ハットトリック」を達成した。
F2にステップアップした2018年もラッセルの勢いは留まるところを知らず、全24戦中11戦で表彰台を獲得し、2位ランド・ノリスに70ポイント近い差をつけ、参戦初年度でチャンピオンに輝いた。
王座をF2で争いながら、メルセデスのリザーブドライバーを務めていたラッセルだが、ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスが好成績を残すなかで、メルセデスのレギュラーシート獲得は叶わず、メルセデスのパワーユニットを使用するウィリアムズから2019年にデビューすることとなった。
競争力の劣るマシンで奮闘
ロバート・クビサをチームメイトに戦ったF1でのデビューシーズン、2019年は競争力の低いウィリアムズのマシンで奮闘するも、ライバルチームとの争いは苦戦を強いられた。ほぼすべてのレースでテールエンダーが定位置になりながらも、F1優勝経験を持つベテランの同僚に対しても、常に上回る速さを見せた。そのため、ラッセルの評価が下がるようなことはなかった。
2020シーズンは、ルーキーのニコラス・ラティフィをチームメイトに迎えた。ラッセルは下位チームながら目に見える奮闘を見せ、ウィリアムズのマシンを駆って予選では9度に渡ってQ2進出を果たした。
2020年第16戦はメルセデスからスポット参戦
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そして改めてその実力を示したのは第16戦サクヒールGPだ。このレースの直前、メルセデスのルイス・ハミルトンが新型コロナウイルス陽性となったため、レース欠場が確定。メルセデスはジュニア・ドライバー・プログラム育ちのラッセルをスポット参戦で起用することを公表。一方でウィリアムズはF2参戦中のジャック・エイトキンをラッセルの穴埋め役としてレースに送り出した。
ラッセルはチャンピオンマシンに乗り、サクヒールGPでは金曜から土曜にかけてのフリー走行でトップタイムを連発。だが予選では僅差でバルテリ・ボッタスに敗れ、2番手スタートとなった。なお、ラッセルがF1キャリアにおいて、予選で同僚に敗れたのはF1キャリア37戦目でこれが初のことだった。
決勝ではオープニングラップでボッタスを抜き、以降はラップリーダーとしてレースをリード。あわや初優勝かとも思える状況だったが、終盤に起こったまさかのピットミス+タイヤのパンクという不運の連続で順位を大きく下げ、そこからオーバーテイクを連発するも9位でレースを終えた。2ポイント+ファステストラップの1ポイントを奪取し、これがラッセルにとって2020年までで唯一のF1キャリア入賞だった。
2021年は最下位の立ち位置から浮上
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ウィリアムズで3季目となるラッセルは力で劣るマシンでありながらも、何度となく予選Q3に進出し、非凡な才能を示した。過去2シーズンは最下位争いがほぼ定位置だったものの、2021年はアルファロメオ、ハースよりもポテンシャルがあることを予感させていた。
ラッセルが最も輝きを放ったのは、土曜の予選と日曜の決勝、どちらもウェットコンディションとなったベルギーGPだった。多くのドライバーが路面のグリップに苦しむ中、ラッセルは全体トップタイムをマーク。最後のアタックでマックス・フェルスタッペンに最速タイムを塗り替えられたが、ラッセルは予選2番手で土曜のセッションを終えた。
日曜はより強い雨になったことから、追い越し禁止のセーフティーカー先導でレースは進み、2周を終えた段階で決勝は終了となり、ハーフポイントながらラッセルは初の2位フィニッシュを果たした。
ラッセルは5度の入賞で16ポイントを手にして、ドライバーズランキング15位でシーズンを終えた。そしてメルセデスはバルテリ・ボッタスとの契約を更新せず、2022年からラッセルをメルセデスのレギュラードライバーとして迎え入れることを発表した。
2022年はメルセデスでF1初勝利&総合4位
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晴れてメルセデスのレギュラードライバーとなった2022年、ラッセルは序盤戦から僚友ハミルトンと同等以上の速さを見せ、2022年型のW13がトップ争いをするには不十分な状況ながらも、存在感を示した。
第1戦から第9戦にかけて9レース連続入賞、9戦すべて5位以上フィニッシュという抜群の安定感を披露。スタート直後の多重クラッシュに巻き込まれ、母国レースの第10戦イギリスGPでラッセルの連続入賞は途絶えたが、ポイント争いでもラッセルは第2戦以降、常にハミルトンを上回り続けた。
2022年はレッドブルvsフェラーリによる2強対決の様相を呈していたが、後半戦に入るとメルセデスはポテンシャルを上げ、2強に割って入って三つ巴対決の状況に。
そして迎えた第21戦サンパウロGPでは、ラッセルがスプリントレースを制す。日曜の決勝ではラッセル-ハミルトンの順番で終盤を迎え、最後までラッセルはノーミスでハミルトンの猛追をしのぎ続けた。ラッセルはインテルラゴスでF1キャリア初勝利を収めている。また、この勝利は苦戦続きとなったメルセデスにとっても、嬉しい同年初勝利となった。
この年手にした275ポイントは総合4位。ラッセルはメルセデス初年度、7度王者のハミルトンを上回る順位でシーズンを終えている。
なかなか表彰台に絡めず、2023年は総合8位に失速
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2023年、ラッセルは開幕から2戦連続入賞となり、第2戦サウジアラビアGPでは4位入賞を果たすなど上々のスタートを切ったかに見えた。
だが不運なマシントラブルなどもあり、リタイアするレースも散見され、シーズンを通じて対僚友ハミルトンという点でも追いかける展開が続いた。入賞は22戦中17度、だがそのうち表彰台は2回のみと、前年に比べて獲得ポイント数も大きく低下。175点で総合8位という成績に終わっている。
また、重要な局面でのミスも散見され、シンガポールGPではファイナルラップの3位走行中にターン10でウォールに当たりクラッシュ。あと一歩で表彰台を逃したという、悔しい一戦もあった。
メルセデスは同年のモナコGP直前に通称“ゼロポッド”に見切りをつけ、従来型の空力カウルへと戻した。そのうえで復活を期す2024年は戦力アップが実現するのではないかとの見方もある。
そして2024年2月1日、ルイス・ハミルトンが同年限りで離脱し、2025年からフェラーリに移籍すると発表された。ラッセルには改めて今後メルセデスを背負っていく柱としての期待が寄せられている状況。今季再び表彰台の頂点に立つことで、メルセデスけん引役としての重責を果たしたいところだ。
プロフィール
ジョージ・ラッセル
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1998年2月15日生まれ|イギリス国籍|ウィリアムズ(2019~2021)、メルセデス(2020※第16戦サクヒールGPのみスポット参戦、2022~)
通算成績(2024年終了時点)
- 出走/128回
- 優勝/3回
- PP/5回
- FL/8回
年 | チーム名 | 勝利数 | 年間成績 |
---|---|---|---|
2019年 | ウィリアムズ | 0勝 | 20位 |
2020年 | ウィリアムズ/メルセデス | 0勝 | 18位 |
2021年 | ウィリアムズ | 0勝 | 15位 |
2022年 | メルセデス | 1勝 | 4位 |
2023年 | メルセデス | 0勝 | 8位 |
2024年 | メルセデス | 2勝 | 6位 |
2024年の成績
- 年間:245ポイント/6位
- 優勝/2回
- PP/4回
- FL/2回
レース名 | 決勝順位 |
---|---|
第1戦バーレーンGP | 位 |
第2戦サウジアラビアGP | 位 |
第3戦オーストラリアGP | 位 |
第4戦日本GP | 位 |
第5戦中国GP | 位 |
第6戦マイアミGP | 位 |
第7戦エミリア・ロマーニャGP | 位 |
第8戦モナコGP | 位 |
第9戦カナダGP | 位 |
第10戦スペインGP | 位 |
第11戦オーストリアGP | 位 |
第12戦イギリスGP | 位 |
第13戦ハンガリーGP | 位 |
第14戦ベルギーGP | 位 |
第15戦オランダGP | 位 |
第16戦イタリアGP | 位 |
第17戦アゼルバイジャンGP | 位 |
第18戦シンガポールGP | 位 |
第19戦アメリカGP | 位 |
第20戦メキシコGP | 位 |
第21戦サンパウロGP | 位 |
第22戦ラスベガスGP | 位 |
第23戦カタールGP | 位 |
第24戦アブダビGP | 位 |
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 2月29日(木) ~3月1日(金) | 3月2日(土) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月7日(木) ~8日(金) | 3月9日(土) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月22日(金) ~ 3月23日(土) | 3月24日(日) |
第4戦 | 日本GP | 4月5日(金) ~ 6日(土) | 4月7日(日) |
第5戦 | 中国GP | 4月19日(金) ~ 20日(土) | 4月21日(日) |
第6戦 | マイアミGP | 5月3日(金) ~ 4日(土) | 5月5日(日) |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月17日(金) ~ 18日(土) | 5月19日(日) |
第8戦 | モナコGP | 5月24日(金) ~ 25日(土) | 5月26日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月7日(金) ~ 8日(土) | 6月9日(日) |
第10戦 | スペインGP | 6月21日(金) ~ 22日(土) | 6月23日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 6月28日(金) ~ 29日(土) | 6月30日(日) |
第12戦 | イギリスGP | 7月5日(金) ~ 6日(土) | 7月7日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月19日(金) ~ 20日(土) | 7月21日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 7月26日(金) ~ 27日(土) | 7月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 8月23日(金) ~ 24日(土) | 8月25日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 8月30日(金) ~ 31日(土) | 9月1日(日) |
第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月13日(金) ~ 14日(土) | 9月15日(日) |
第18戦 | シンガポールGP | 9月20日(金) ~ 21日(土) | 9月22日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月18日(金) ~ 19日(土) | 10月20日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月25日(金) ~ 26日(土) | 10月27日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月1日(金) ~ 2日(土) | 11月3日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月21日(木) ~ 22日(金) | 11月23日(土) |
第23戦 | カタールGP | 11月29日(金) ~ 30日(土) | 12月1日(日) |
第24戦 | アブダビGP | 12月6日(金) ~ 7日(土) | 12月8日(日) |