トップリーグのカンファレンス戦は、4月10、11日の第7節が最終戦となる。ホワイトカンファレンスでは、10日12時開始のパナソニックワイルドナイツ対ヤマハ発動機ジュビロに注目が集まる。
どちらにとっても負けられない一戦だ。
パナソニックはここまで5勝1分の勝点26で、カンファレンスの首位に立っている。2位の神戸製鋼と対戦した前節は、13対13のドローで終えた。ロビー・ディーンズHC(ヘッドコーチ)が「両チームともに持っているものをすべて出せなかったのではないかと感じている」と振り返ったように、雨中のコンディションに悩まされた一戦だった。
それでも、首位通過は見えている。今節のヤマハ戦に勝利すれば、勝点4をプラスして勝点30となる。神戸がボーナスポイントを得た勝利で勝点30としても、得失点差では50点以上のアドバンテージがある。ヤマハに勝てばカンファレンス首位は間違いない、と言っていいだろう。3トライ差以上で勝利すればボーナスポイント1が加わり、神戸の結果にかかわらず首位が決まる。
今節は19年W杯日本代表のPR稲垣啓太、SO松田力也、WTB福岡堅樹、同イングランド代表LOジョージ・クルーズがリザーブからスタートする。一方で、ここまで6試合連続で途中出場だったHO堀江翔太が先発に名を連ねた。また、SO山沢拓也が第2節以来2度目のスタメンに選ばれた。山沢は先発した日野戦で2トライを含む23点を記録しており、ヤマハ相手にも攻撃的なゲームマネジメントが期待される。
ヤマハはここまで3勝3敗のカンファレンス4位で、いまひとつ波に乗り切れていない。しかし、前節は4勝1敗で同3位のNTTドコモを33対21で退けた。大戸裕矢キャプテンは「課題はたくさんあるが、まだ伸びしろもあり、自分たちのスタイルを磨き上げられるのではないかと、今日のゲームで感じた」と振り返った。セットピースに強い伝統のスタイルを発揮すれば、パナソニックを苦しめることは可能だろう。
今シーズン限りでの引退を表明している五郎丸歩は、2試合連続でスタートのラインナップに入った。前節は4本のキックのうち3本を成功させており、チーム3本目のトライにつながる華麗なランも披露した。試合後には「これからトーナメントがあるので、(コンディションの)ピークはもう少しあとになる」と話したが、状態は確実に上がっているようだ。
パナソニック戦の結果次第で、ヤマハは3位に浮上する可能性を残す。しかし、リコー(勝点12)対日野(勝点7)、キヤノン(勝点11)対NEC(勝点1)戦の結果次第では、6位まで順位を落とす可能性がある。カンファレンスの順位はプレーオフトーナメントの組み合わせに関わってくるだけに、ひとつでも上位でフィニッシュしたいところだ。
チームを長く支えてきた五郎丸と、1試合でも多くプレーするために──。ヤマハは難敵のパナソニックに挑む。
文・戸塚啓(とつか・けい)
1968年生まれ。『サッカーダイジェスト』編集部を経て1998年秋よりフリーに転身。サッカー日本代表の国際AマッチとJリーグを中心に取材しつつ、フィジカルトレーニング、ラグビー、ランニングなどに関連した取材と執筆も行っている。サッカーW杯は98年より6大会連続で、アジアカップ、ユーロ、コパ・アメリカなども取材。ラグビーW杯は19年大会を取材。『日本サッカー代表監督総論』(双葉社)など著書多数。
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