ここまでセ・リーグトップの8セーブをマークしている巨人のドラフト1位ルーキー・大勢(翁田大勢)投手(22)が猛虎狩りに向けて“倍返し”を宣言した。
チームは15日から今季初めて甲子園での阪神3連戦に臨む。大勢は4月1、2日の阪神戦(東京D)で2試合連続セーブをマークしたがともに失点。桑田真澄投手チーフコーチから、「やられたけど、次は同じことがないように、シーズンは長いからやられたらやり返すって気持ちで、やっていったらいいからな。してやられたら、しっかりとやり返すように」と背中を押された。
「やっぱり巨人と阪神の一戦は、本当に伝統の一戦で、周りの人たちも特別な感じがあると思うので、しっかりと自分の投球ができたら。次はしっかりと自分の投球をして、抑えられるように準備していきたいです」とリベンジに燃えている。
西脇工高では3年夏の兵庫県大会16強が最高成績で甲子園出場経験はなし。「小学校のときに『ろうきん杯』という大会の本大会に進出して。2回戦で負けてしまったんですけど、ノックを受けたり、練習したことはあります」。だが憧れの聖地で、試合はもちろん、マウンドで投げたこともない。15日からの阪神戦で登板機会があれば、人生初の甲子園登板となる。「僕は公立高校出身で、(甲子園は)本当に行きたくて仕方なかった場所で、手の届かなかった場所なので、そういう意味では特別な場所ではあります」と聖地での登板を心待ちにした。
兵庫・多可町で生まれた大勢は幼少期の頃から大の阪神ファン。巨人から指名を受けた際は、「阪神ファンだったので、やっぱり巨人に負けた時はより一層悔しかったですけど、自分が投げて巨人が勝った時に、阪神ファンの方から『(大勢なら)仕方ない』と、プロ野球選手として認めてもらえるような存在になりたいです。阪神と勝負できるような時は、阪神ファンの方に『阪神に来てほしかった』と言ってもらえるように」と青写真を描いていた。
大学時代は阪神を応援しに、年に数回ほど甲子園で観戦しており、中でも応援していた選手は、糸井嘉男外野手。「人間性とか、(プレーを)見ていてわくわくするというか、そういうところが好きです」。そんな憧れの選手と初対戦となった2日の阪神戦(東京D)では、9回1死二、三塁からタイムリーを許したが、「対戦できてうれしかったです。(糸井選手から)影響を受けているとかではないですけど、僕自身も見ていてわくわくするような、そういう選手にはなりたい」と目を輝かせた。
ドラ1右腕は、3月25日の開幕戦(対中日、東京D)で史上2人目の新人開幕セーブを達成。9日のヤクルト戦(東京D)ではプロ初勝利をマークすると、13日のDeNA戦(那覇)では今季8セーブ目をマークし、78年の角三男が持つ球団新人最多セーブ記録も更新。「セーブシチュエーションを作っていただいた野手の方、僕のところまでつないでくださった先輩方のおかげだと思っています。ありがとうございます」と周囲への感謝も忘れなかった。
結果を残し続け、球団史に名を刻んだ黄金ルーキーは、「まだシーズン始まったばかりですけど、自分の任された仕事はしっかり果たすということ、その積み重ねが記録につながっていったらいいかなと。自分の投球で、野球場に足を運んでくださった人たちを魅了できるような、そんな1年間にしていきたいと思います」と気を引き締めた。
大勢が投げた試合は、チームが勝つ。頼れる不敗の守護神の勢いは、止まることを知らない。
文・灰原万由
1997年6月20日生まれ。24歳。千葉市生まれ、大阪府吹田市育ち。東京工業大学附属科学技術高から中央大学法学部を経て、2020年報知新聞社に入社。昨年から読売ジャイアンツ担当。主に投手を取材中。
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