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【日本シリーズ展望】読売ジャイアンツが日本一に向けて必要なことは「昨年の悔しさがしっかりと根底にあること」 | セ・リーグ | パ・リーグ | プロ野球

川嶋正隆
【日本シリーズ展望】読売ジャイアンツが日本一に向けて必要なことは「昨年の悔しさがしっかりと根底にあること」 | セ・リーグ | パ・リーグ | プロ野球時事通信
21日に開幕する巨人とソフトバンクによる日本シリーズ。DAZNのプロ野球放送で解説を務める秦真司氏が8年ぶりの日本一を目指す巨人を語る。
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現役時代はヤクルトスワローズ(現:東京ヤクルトスワローズ)などで捕手兼外野手として活躍し、引退後は様々な球団でコーチを務め2019年は読売ジャイアンツのファームバッテリー兼打撃コーチを担当。現在はDAZNのプロ野球放送で解説を務める秦真司氏が、3回にわたって日本シリーズを展望する。

(インタビュー・構成=川嶋正隆)

──今年の日本シリーズも昨年同様に、パ・リーグから福岡ソフトバンクホークス、セ・リーグから読売ジャイアンツが勝ち上がりました。巨人にとっては昨年の4連敗をリベンジするチャンスですね。

私自身の話をさせてもらうと、(ヤクルトスワローズ時代の)92年と93年に黄金時代の西武ライオンズと対戦しています。当時は森祇晶監督の下、石毛宏典さん、デストラーデ、清原和博、
辻発彦さん、伊東勤、渡辺久信、工藤公康、郭泰源、石井丈裕などそうそうたるメンバーでした。92年は3勝4敗で負けましたが、翌年は4勝3敗でリベンジしました。

そこで感じたのは日本一にならないとセ・リーグの優勝が消えてしまうなということですね。その時の悔しさは、私自身だけでなくチーム全体に浸透していました。日本一こそがプロとして価値のあるものなんだと感じましたね。セ・リーグでの優勝はあくまでも通過点で、日本一にならないといけない。さらに前年と同じように西武が勝ち進んできてくれたので、喜びはすごくありました。

同じく今のジャイアンツも去年の悔しさが相当強いと思います。セ・リーグ連覇で満足していたら勝てません。あの時の悔しさをバネに今年が始まって、尚且つセ・リーグをダントツで優勝しています。ただ、目標は日本一。それがチーム内でどれくらい浸透しているか、または個人的にどれくらい悔しさが強かったのか。それが根底にあることが大事です。

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──昨シーズンの日本シリーズを振り返ると、特に打者では、坂本勇人選手、岡本和真選手、丸佳浩選手らチーム主軸がソフトバンクバッテリーに苦しめられました。

彼ら3人はかなりマークされていましたね。今年の序盤も彼らに対するセ・リーグ球団のマークは厳しく、それに苦しめられていました。日本シリーズでは相手も一流の投手がどんどん投げてくるので、そんなに簡単には打ち崩せないと思います。彼ら中軸がどれだけソフトバンクにリベンジできるかは大事ですが、セ・リーグ優勝の大きな要素である脇役の活躍というプラスアルファが今のジャイアンツにはありますね。

──以前のインタビューでも秦さんは脇役の活躍が、巨人の強さの要因の1つだとおっしゃっていましたね。

特に日本シリーズでは1番と2番の出塁が大事になりますから、そこで吉川尚輝や松原聖弥がしっかりと塁に出ることができるかどうか。特に吉川の活躍次第だと思いますね。ソフトバンクも1番の周東佑京の活躍が大事になる。両チームの1番の活躍が勝敗を分けると見ているので、周東対吉川は見どころの1つです。彼らが塁に出ることで、ノーアウトからバッテリーにプレッシャーをかけていけます。もしくは盗塁を成功させることでチームの勢いが出ますからね。

──機動力がある両チームの1番がどれだけ仕事ができるかは見ものですね。

彼らに機動力があるからこそ、バッテリーは彼らを出塁させないことが大事になります。仮に出してしまうと、打者だけでなく走者との勝負も大事になります。守りにおいては相手の流れをいかに止めるか。相手の機動力を止めて、勢いをなくすことが大事なポイント。そういう部分も見どころとしての面白さがありますね。

走者ならば盗塁を成功させてチームに勢いをもたらすのか、またはバッテリーは進塁を阻止して相手の勢いを止めるのか。ここの勝負は面白いと思います。打者への攻め方、そして走者への攻め方は見どころです。

あとは、短期決戦ですし、勝負所の山はあります。そこで日替わりヒーロー的な選手が出てくるか。短期決戦は気を抜ける場面がありません。高いレベルの感性と集中力は非常に大事ですね。

──一方で投手陣では、エースの菅野智之選手にかかる期待が大きいと思います。

彼が一戦目を落とすようだとジャイアンツは勝てないでしょう。とにかく一戦めに集中すべきですね。短期圏戦における一戦目の重要性はかなり高いですから。

日本シリーズ展望

秦真司氏

セ・リーグインタビュー

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