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「ヤクルトが圧倒的に有利」専門家が語るセ・リーグの優勝争い展望|プロ野球

「ヤクルトが圧倒的に有利」専門家が語るセ・リーグの優勝争い展望|プロ野球時事通信
【プロ野球 インタビュー】後半戦を迎えている2021シーズンのプロ野球。DAZNで解説を務める秦真司氏にセ・リーグの優勝争いの展望を語ってもらった。
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今年のペナントレースもいよいよ佳境を迎えている。セ・リーグでは、読売ジャイアンツ、阪神タイガース、東京ヤクルトスワローズの3球団が、熾烈な優勝争いを繰り広げている。

そこでDAZN NEWSでは、解説を務める秦真司氏に優勝争いの展望を語ってもらった。

※インタビューは8月31日に実施

阪神は佐藤輝明がまさかの大ブレーキ

2021-03-17-npb−Tigers-Sato

──セ・リーグはAクラスの3チームとBクラスの3チームで明確な差があります。優勝争いは上位3チームに限られてしまったのでしょうか?

秦真司(以下、秦)  ヤクルトの頑張りによって、上位3チームと下位3チームにはっきりと分かれました。間違いなく巨人、阪神、ヤクルトの3チームで優勝争いをしていくでしょう。下位チームは特に広島やDeNAが前半戦から元気がなかったですね。中日は投手力こそ安定していますが、攻撃力が夏場になっても上がってこなかったことが低迷している要因です。

──前半戦は阪神が好調で、セリーグを引っ張る形になりました。ここにきて停滞していますが、この要因はどこにありますか?

秦  例年、阪神は夏場に長期ロードがあるため低迷することが多いです。近年は大阪ドームを使ったりして、死のロードがなくなるように球団としても工夫しています。さらに今年は、オリンピックがあったことで中断期間がありました。これらの要因から、阪神が有利だと思っていましたが、結果としてそうはなりませんでしたね。

各チームは、中断期間でここまでの戦いを分析したはずです。首位の阪神はマークされ、特に佐藤輝明選手は、前半戦のデータから弱点を把握されてしまったのかなと思います。一方で佐藤選手は、相手の対策が足りなかった。そこが大きな差になったように思います。プロのデータ収集やスコアラーの対策、投手自身の修正能力や対応能力に苦戦を強いられています。

──後半戦に入り苦戦を強いられている佐藤選手ですが、まだまだこの状態は続きそうですか?

 自分の調子というよりも、今は相手の攻めに翻弄されている印象が強いです。迷いが生じているところが一番大きな問題で、吹っ切るための努力をしなければいけないと思います。具体的に言うと、ここまで対戦した投手に対する『対応力』を上げられなかったことが要因です。相手投手は佐藤選手を分析して攻め方が変わってきています。それにどう対応していくのか。スコアラーやバッティングコーチと相談して、対策しなければいけないと思います。

──今シーズンの阪神は、佐藤選手の成績に呼応しているように感じます。新人とはいえ、良くも悪くも彼の成績に影響を受けているのでは?

 前半の結果は、間違いなく佐藤選手や中野拓夢選手の新戦力2人による影響が大きいです。今の佐藤選手は、どちらかと言えばブレーキになっている。それが今の阪神を象徴していると言っても過言ではないですね。

──阪神の再浮上には佐藤選手の復調が必要?

 前半のような勢いを取り戻すためには、それが手っ取り早いでしょう。ただ、佐藤選手の前後の選手がいかにカバーできるかも大事だと思っています。彼へのマークが強いからこそ、他の選手にとってはチャンスでもある。打線のなかで佐藤選手をカバーできる選手が出てこないと厳しいですね。

他には起爆剤やラッキーボーイ的な選手も欲しいですね。前半戦と同じ形でやっていてはだめで、例えば外国人選手や二軍で活躍している選手、もしくは佐藤選手や中野選手の台頭で出られなくなった選手などが、ハングリー精神を持って彼ら以上の活躍する。そういう選手が出てこないと、ここからの再浮上は厳しいかなと思います。

勢いのあるヤクルトが逆襲か?

2021-09-04-NPB-Swallows-TAKATUS

──阪神と対照的にじわじわと伸びているのがヤクルトです。今のヤクルトの強さをどう見られていますか?

 内川聖一選手や青木宣親選手など主力の選手が、新型コロナウイルスで抜けた時期がありました。そこで出場機会を得た若手が成長したことが大きな要因です。あの時期にチームの底上げができて、そのタイミングで内川選手や青木選手が戻ってくるなどタイミングが良かった。野手の総合力が上がったと思います。

──特に塩見泰隆選手は1番バッターとして活躍していますね。

 まさに塩見選手や山崎晃大朗選手たちですね。レギュラーがいない間に彼らが活躍したことや、捕手としての中村悠平選手の成長も大きいです。

──一方でヤクルトの大きな問題だった投手力の部分はどのように見ていますか?

 確かにヤクルトの大きな問題でしたが、今は安定しているように思います。特に奥川恭伸投手、高橋奎二投手など若い力が出てきて、ヤクルトの投手陣を支えています。全体的なレベルがかなり上がっていると思いますし、若手の活躍によりチームに躍動感が出てきました。

──そこは投手出身である高津臣吾監督の手腕が大きい?

 チームとしてはベテラン投手が多く、若い投手との移行期間だったと思います。そのなかで、高津監督は若い選手にうまく力をつけさせたなと。奥川投手にしても、昨シーズンの終盤まで我慢してトレーニングを積ませてから起用しました。今年はローテーションで使うなど、高津監督や投手コーチがうまく計画しているのでしょう。

小川泰弘投手や石川雅規投手などのベテランの中に、若手をうまくはめ込みながら、外国人投手も使って、役割分担がうまくやれていると思います。終盤に向けて野手が揃い、投手力もついてきた。ヤクルトの勢いは非常に怖いですね。

首位に立つ巨人、中田翔の起用法は?

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──巨人はいかがでしょうか? 前半戦から苦しみながらも気づけば首位に立っています。

 やはり選手層が厚いですね。ただ、今は一戦必勝の戦い方をしていて、余力はないように感じます。投手では山口俊投手が戻ってきて、オリンピックに参加していたメルセデス投手も万全の状態で戻ってきました。彼らの活躍は大きいですし、ビエイラ投手も抑えとしての才能が開花しました。それらプラスの面もありながら、打線は1番、2番を固定できていないですし、まだまだ不確定要素が大きいと思います。

──ビエイラ選手の活躍により中継ぎ陣はある程度計算ができます。

 彼が抑えをやることでチームには好影響です。ビエイラ投手が後を任されたことで、デラロサ投手を早い段階で起用できます。一方で気になるのは先発陣。菅野智之投手がいない部分はかなりしんどいですね。優勝するためには彼の復調がないとだめ。大事な試合を落としかねないですし、そうなると勢いが付きづらいですね。

今は直江大輔投手を起用しています。阪神の話でも言いましたが、二軍の選手や昨年活躍した選手、さらには若い新戦力らがハングリー精神を持って一軍でプレーすることが重要です。投手としての起爆剤が出てこない限りは厳しいでしょう。

ここまでは、メルセデス投手と山口投手のおかげで首位を奪還しました。ここからは若手で伸び代のある投手にも出てきて欲しいですね。優勝争いを経験させながら勝ち星を拾える投手が出てくるとチームの勢いも出てきます。

──巨人の打撃についてはいかがでしょうか?

 いまいち調子が上がってきていないですね。丸佳浩選手だったり坂本勇人選手だったり、主力選手の状態がよくありません。前半戦は岡本和真選手とウィラー選手が頑張ってくれました。

──後半に入り、日本ハムから中田翔選手が加入しました。戦力としていかがでしょうか?

 中田選手は長打力が魅力です。1打席で結果を残すのが難しく、どちらかといえば先発で起用して4打席のなかで結果を残してもらうようなタイプの選手です。そうなると、誰かを控えに回さなければいけない。対戦する投手にもよると思いますが、クリーンナップの後で、ランナーがたまった状態から意外性の一発を打ってくれるような起用になるかなと思います。

──ポジションを考えても競争相手は中島宏之選手?

 中島選手は経験があるので、代打でも輝ける可能性はあります。中田選手は4打席で勝負した方が本来の力を発揮できるでしょう。原辰徳監督は、相手に応じて選手を代えるうまさがあります。バッティングコーチたちと話し合い、相手を見ながらうまく配置していくと思います。

──中田選手は一発がある。打撃が復調すると巨人打線の厚みが出てきますね。

 捕手は基本的に大城卓三選手が務めると思うので、中田選手が復調すると打線はかなり厚みが出ます。他球団からもかなりマークされている坂本選手、丸選手、岡本選手などが打てなかった時に、彼が本領発揮して長打を打てるようになると、打線が活気付きます。また、東京ドームという地の利もあるでしょうね。

ヤクルト有利の理由は?

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──最後に後半戦の展望を伺いたのですが、やはり有利はヤクルト?

 巨人も阪神も、目の前の敵はヤクルトと思って戦った方がいいでしょう。

──それはヤクルトが上位3チームのなかで最も消化試合数が少ないことも影響している?

 シーズン終盤に優勝争いをしているなかで、ゲーム数が残っているチームが圧倒的に有利です。なおかつ巨人と阪神とヤクルトの直接対戦を見ると、それぞれの14から15試合を消化しています。つまりヤクルトが消化できていない試合は下位チームです。さらにヤクルトは中日、広島、DeNAにしっかりと勝ち越しています。ヤクルトにとっては、阪神や巨人との直接対決は五分でOKとなります。

阪神や巨人からすると、ヤクルトを叩いておかないと最後に捲られるケースが出てくると思います。阪神は、今は状態が悪いですが前半戦をあれだけ走っていただけに、このまま終わるわけにはいかないと思っているはずです。巨人も中田選手が入るなど起爆剤があり、チーム状態も安定してきています。最後までこの3チームの争いは面白くなるでしょう。

──今週は巨人がヤクルト、阪神と上位チーム連戦を控えています。

 巨人に限らず、優勝争いをしているなかで上位チームとの連戦はかなりきついです。ヤクルトとの試合が終わってBクラス、阪神との試合が終わってBクラスのような試合日程の方がやりやすいですね。ただ、巨人がこの連戦を4勝2敗など勝ち越すことができれば、一気に勢いに乗るでしょう。逆のパターンは一気に失速する。巨人にとっては1つの勝負どころですね。

──やはりヤクルトが有利?

 ヤクルトが有利ですが不安な点もあります。それは中継ぎです。ヤクルトは中継ぎの頑張りで白星を手にしている試合が多いです。中継ぎがシーズン最後まで今の勢いを残していられるかが鍵を握ると思います。

高津監督も抑えをやっていましたし、起用法についてはうまく考えていると思います。ただ、先発のさらなる頑張りも必要かなと。先発に勝ちがつくようになると、ヤクルトはかなり優勝に近づけるでしょう。

対する巨人や阪神は、ヤクルトに対しては2ゲーム差以上を離しておかないと厳しいです。それくらい離していても、おそらく優勝の可能性はまだ五割くらいです。神宮はこれからまた雨天中止の可能性もありますが、今の段階でヤクルトが6試合多く残していることを考えると、他の2チームにとってはかなりプレッシャーです。

──秦さんが推すヤクルトの注目選手は?

 野手については塩見選手、投手は奥川投手です。1番に塩見選手が入ってから、打線のつながりが良くなっています。塩見選手がレギュラーで出ることによって、坂口智隆選手を代打で起用できる。特にこの後半戦は、塩見選手が1試合で2出塁ほどできる状況になると、ヤクルトは一気に勢いづきます。やはり青木宣親選手、山田哲人選手、村上宗隆選手などがいるので、3人の前を打つ塩見選手の出塁は大きな影響を与え、より嫌な打線になります。一番打者として彼の出塁率がポイントです。

奥川投手については、本当の活躍は来年だと思っています。とはいえ、優勝争いに欠かせない選手であることは間違いありません。彼が投手を引っ張りながら、石川投手や小川投手が復調すると投手陣もかなり厚みが増しますね。

インタビュー・構成=川嶋正隆

1986年5月9日生まれ、福岡県福岡市出身。大学卒業後に携帯サイト『超ワールドサッカー』のライター兼編集者として勤務。2018年からフリーライターとしての活動を開始し、『フットサル全力応援メディアSAL』の立ち上げに参画。2018年には、Fリーグに参戦したロベルト・カルロスの単独インタビューを行った。現在は『ABEMA TIMES』などに寄稿している。

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