矢野阪神は6月連勝スタート&2カード連続勝ち越しと上昇ムードで注目のマッチアップに臨む。3日からはビッグボス・新庄監督率いる日本ハム3連戦。甲子園のスターの凱旋試合にプロ野球ファンの熱い視線を集めるが、矢野燿大監督は自然体だった。
「シーズンでもいろんな野球に挑戦していますし、新庄監督に注目が集まると思います。その中で僕たちは僕たちの野球に集中することしかできないので」
矢野監督は新庄監督と現役時代に3年間、阪神で一緒にプレー。野球への情熱やファンサービスに強い思いを抱く点は共通しており、オフの時期には「新庄監督の根本にはファンの人に喜んでもらいたいっていう部分がある。その考え方は俺も一緒。ファンサービスもやれる範囲は一緒にやりたい」と口にしていた。
ただ、真剣勝負となれば話は別だ。ビッグボスは「甲子園(出場)組でそろえたろうかな」と早実高時代に歴代最多高校通算111本塁打を放った清宮幸太郎の4番示唆や、5日の第3戦に秋田・金足農時代に聖地を沸かせた吉田輝星の先発復帰に言及したが、矢野監督は信条とする「超積極性野球」を貫く。
リーグトップのチーム41盗塁を記録する機動力で攻めの姿勢を示し、同トップの同防御率2.75を誇る投手陣でスコアボードにゼロを刻んでいく。先発ローテは安定感抜群の新助っ人のウィルカーソンに先陣を託し、エース・青柳、昨季10勝の伊藤将と順に投入して一戦必勝を期している。
虎戦士にスポットを当てるなら「打」はやはり、佐藤輝明内野手(23)だろう。チームの顔である4番を担う長距離砲にはビッグボスもベタぼれ。2月8日の練習試合・日本ハム戦(宜野座)で1打席目に左前適時打をマークし、敵将から絶賛された。
「素晴らしい。ああいう打撃ができる子だし、続けていってほしい」──。
スター性を秘めた若き大砲は「持ってる男」ぶりをこれまでも見せてきており、世間を驚かせる場外弾に球宴アーチ、通算2000試合目の巨人戦で球団新人4番初の「伝統の一戦」猛打賞など、注目の一戦にも強い。今カードでは入団2年目という異例のスピードでの11球団制覇弾の達成がかかる。「何とか一戦一戦、勝ちにいって、いい結果が出たらいいなと思う」と語る主砲のバットに期待せずにはいられない。
次に「投」で、クローズアップする選手は藤浪晋太郎投手だ。こちらも、新庄監督が高く評価するプレーヤーで、日本ハムの春季キャンプ施設にバーチャル映像で藤浪が起用された打撃マシンも登場した。その時に「(ニュースを)見ました。だから何ですか(笑)」と苦笑いを浮かべていた右腕は2年連続で開幕投手を務めたものの、現在はリリーフに配置転換されている。
練習試合(2月11日、名護)で先発した際には初回に打者全員がセーフティーバントを試みてきた経緯があるだけに、公式戦の試合終盤の“奇襲”もあるのか。敵軍の「甲子園組」に対して、12年に大阪桐蔭高で春夏連覇を果たした剛腕の本領発揮が楽しみだ。
とはいえ、想像が膨らむばかりで、新庄ビッグボスがどんなサプライズを繰り出すかは未知数。かつての“庭”で大暴れするのか。矢野阪神はどう相対するのか。すでに3日の初戦のチケットは完売が発表されるなど、3連戦は各日4万超の観衆が球場に駆けつける見込みだ。矢野監督は前日2日の試合後の会見で「一番は僕たちが超積極的にいく。まずは僕たちの野球をしっかりやりきりたいと思います」とおなじみのフレーズを繰り返した。交流戦ならではの対決から目が離せない。
文・小松真也
1985年7月6日生まれ。36歳。18年に報知新聞社に入社。プロ野球遊軍記者を経て、20年から阪神担当。
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