CSの舞台に矢野阪神の切り込み隊長が間に合った。
3年目の今季、140試合で打率3割1分3厘、10本塁打、50打点と主要3部門で自己最高を更新した近本は178安打で自身初の打撃タイトルとなる最多安打を獲得。走ってもリーグ2位の24盗塁と主に1番打者として申し分ない成績を残した。
「純粋にタイトルを取れたことはうれしく思います。シーズン序盤は打つことができず、チームに迷惑をかけてしまいましたが、その後は何とか貢献することができたのかなと思います」
しかし、最終盤にアクシデントに襲われた。10月21日の中日戦(甲子園)で走塁中に右太もも裏の張りを訴え、途中交代。ラスト3試合の欠場を余儀なくされ、19年4月からの連続試合出場が392でストップした。それでも、今月3日のプロアマ交流試合・三菱自動車倉敷オーシャンズ戦(同)で実戦復帰すると、8回にロッテのドラフト3位・広畑から中前打。「普段通りに動けていたのかなと。生きた球を見られたことは良かったですし、スムーズに打席にも入れたので良かったと思います」と胸をなで下ろした。
4日の大和高田クラブ戦(同)では「1番・中堅」でスタメン出場。負傷後初めての守備も無難にこなし、打っても4回に2試合連続安打となる左翼線へ二塁打を放つなどマルチ安打。
「特に不安もなくできたと思います。しっかり打球処理もできましたし、良かったです。やるべき準備はできたと思います」と全快をアピールした。
矢野監督は「チカ(近本)がスタメンにいるというのはチームとしての安定感が出てくると思うんでね。相手に与えるプレッシャーも違う。(体調が)大丈夫っていうのであれば、外す理由は何もないし、(CS)1戦目に使える準備はできたと思ってます。投手の左右関係なく、チャンスをつくるだけじゃなくてランナーをかえしてほしいとも思うし」と絶大な信頼を示した。
阪神は過去、CS第1ステージ(S)に8度出場しているが、最終S進出は2度しかない。初戦を落とした場合、5度ともに第1S敗退となっているだけに、まずは巨人のエース・菅野を攻略して優位に立ちたいところだ。今季、菅野に対して10打数5安打の打率5割、通算でも40打数16安打2本塁打の4割と右腕を〝カモ〟にしている近本には大きな期待がかかる。
ルーキーイヤーに出場した2年前のCSは、第1ステージ初戦のDeNA戦(横浜)で3安打をマークし、最大6点差を逆転する奇跡を呼び込んだ。ただ、巨人との最終Sを含めて7試合で30打数7安打の2割3分3厘、3打点、3盗塁。不完全燃焼のまま初めてのポストシーズンを終えただけに、やり返したい思いも強いはずだ。
「(今年は)優勝できずに悔しい思いをしましたけど、まだCSと日本シリーズが残っているので、そこでチームの勝利につながる安打を1本でも多く打てるように頑張りたいと思います」
球団36年ぶりとなる日本一への扉は背番号5が切りひらく。
文・中村晃大(スポーツ報知)
1991年10月19日生まれ。29歳。東京都出身。法大から2014年に報知新聞入社。15年巨人担当、16~17年ヤクルト担当、阪神担当は19年から今季で3年目。
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