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【コラム】巨人・高橋優貴は今季阪神戦4戦4勝、甲子園では19イニング無失点…3日から首位攻防3連戦|プロ野球

【コラム】巨人・高橋優貴は今季阪神戦4戦4勝、甲子園では19イニング無失点…3日から首位攻防3連戦|プロ野球時事通信
【プロ野球 コラム】読売ジャイアンツ(巨人)は9月3日からの3連戦で阪神タイガースとの首位攻防戦を迎える。報知新聞社・玉寄穂波記者に注目選手を挙げてもらった。
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巨人は3日から阪神との首位攻防3連戦(甲子園)に臨む。注目は2戦目の4日に中5日で先発予定の高橋優貴投手だ。今シーズンは阪神戦4戦4勝、防御率1・08をマークしている。しかも甲子園では3試合で計19イニング無失点と圧倒的に阪神に強い。チーム屈指の「虎キラー」が阪神打線を封じ込めるか。

高橋にとっても阪神戦は身が引き締まる試合となるに違いない。2月のキャンプからアピールを続け、一度は開幕ローテーション入り内定をつかんだかに思われたが、3月14日の阪神とのオープン戦(甲子園)でルーキーの佐藤輝明にホームランを打たれた。5回1失点と数字的には良かったが、原監督ら首脳陣からはマウンド上で自信がないように見える、スタミナ不足だと指摘され、試合後にファーム降格が決定した。

それでも、悔しさをバネにして3月24日のイースタン・リーグ西武戦(カーミニーク)で3イニング完全投球。この結果を受けて「6番目の男」として開幕ローテーション入り。開幕6戦目、4月1日の中日戦(バンテリンD)で7回1失点で勝利投手になり、勢いに乗った。

前半戦はリーグトップの9勝。原監督から「前半戦のMVP」と評価された。東京五輪による約1か月の公式戦中断期間を経て、後半戦では2試合白星なしだったが、8月29日の中日戦(バンテリンD)で5回無失点と好投し、リーグトップタイの10勝、自身初の2ケタ勝利を飾った。巨人生え抜き左腕のシーズン2ケタ勝利は12人目。ドラフト制後(66年以降入団)では高橋が7人目で、3年目での達成は最速タイだった。

幼少期は阪神ファンだった。好きな選手は金本知憲、藤川球児。まだ野球少年だった頃、一度甲子園に観戦に訪れたことがある。現在は新型コロナウイルスの感染防止のためジェット風船は禁止されているが、当時は甲子園全体に色とりどりの風船が舞った。その光景が子どもだった高橋の胸を熱くさせた。

今はライバルチームの投手としてマウンドに立つ。少年時代に見た7回裏攻撃前の「ラッキーセブン」の光景は忘れることができず「いつも7回まではマウンドに立ちたいなと思って」と、7回まで投げ抜くことは一つのノルマとして心に決めている。先発で7回まで投げると試合を作ったと言われ、チームの勝利も近くなる。

甲子園は憧れの地。そのマウンドで投げていることに「小学生の頃には考えもつかなかったこと」と笑うが、巨人を引っ張る先発投手として胸を張る。「こうやって(球場に)見に来ている小さい子もいると思う。そういう子たちに夢を与えられる野球選手になりたいなと思っています」。打者に真剣に向き合っている姿勢が、結果にも結びついているに違いない。

今季、開幕ローテーションに入った巨人の6投手の中で唯一、ここまで離脱せずにローテーションを守っている。今回の阪神戦で勝てばリーグ単独トップの11勝目。強い気持ちで甲子園のマウンドに立つ。(報知新聞・玉寄穂波)

文・玉寄穂波
1993年11月12日生まれ。27歳。大阪府和泉市出身。大阪府立市岡高から関西学院大に入学。2016年に報知新聞社に入社。2017年シーズンから巨人を担当し今年で5年目。主に投手陣を中心に取材中。

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