2020年ドラフト総評
即戦力・将来性のある投手を多数獲得
1巡目の入札ではトヨタ自動車の社会人No.1右腕・栗林良吏を指名し、昨年の森下暢仁（明治大）に続き、2年連続で一本釣りに成功した。森下同様、1年目から先発ローテーション入り、二桁勝利が期待できる文字通りの「即戦力」右腕だ。
2,3位では左右の大学生投手を指名。森浦大輔は最速148km/hの左腕、最速150km/h右腕の大道温貴は今秋リーグ戦で7回参考ながら13奪三振で無安打無得点試合を達成した。ともに1位候補と言われるほど評価の高かった投手だ。
上位で即戦力投手を獲得したが、4位の小林樹斗、5位の行木俊は将来性豊かな右腕だ。さらに下位と育成では身体能力の高い野手2人の指名に成功。今シーズン崩壊してしまった投手陣の穴を埋める即戦力を指名しつつ、将来のエース・主力候補も獲得できたドラフトだった。
選択選手一覧
| 指名順 | 名前 | ポジション | 所属 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 栗林良吏 | 投手 | トヨタ自動車 |
| 2位 | 森浦大輔 | 投手 | 天理大 |
| 3位 | 大道温貴 | 投手 | 八戸学院大 |
| 4位 | 小林樹斗 | 投手 | 智弁和歌山高 |
| 5位 | 行木俊 | 投手 | 徳島インディゴソックス |
| 6位 | 矢野雅哉 | 内野手 | 亜細亜大 |
| 育1位 | 二俣翔一 | 捕手 | 磐田東高 |
選択選手紹介
1位指名・栗林良吏
愛知黎明高（入学時は弥冨）では1年夏から3番遊撃でレギュラー。2年夏は決勝で東克樹（現・DeNA）擁する愛工大名電高に敗れ準優勝。3年時はエースとなるが、5回戦敗退で甲子園出場はならなかった。名城大では1年春から登板し、敢闘賞・新人賞を獲得。その後も敢闘賞、最優秀防御率のタイトルを獲得する活躍を見せ、通算32勝をマーク。4年春にはノーヒットノーランを記録したが、指名漏れを経験している。
トヨタ自動車では1年目からエースを務め、都市対抗準優勝。秋の日本選手権でも好成績を収めると、JABA代表で出場したAWBでも優勝に貢献した。最速153km/hの直球にカーブ、カットボール、フォークなどのコンビネーションと、強気の内角攻めが持ち味。1年目から先発ローテーション入りが期待される。
| ポジション | 投手 | 生年月日 | 1996年7月9日 |
| 身長 | 177cm | 体重 | 80kb |
| 投打 | 右投右打 | 経歴 | 愛知黎明高−名城大−トヨタ自動車 |
2位指名・森浦大輔（もりうら・だいすけ）
奈良の強豪・天理高では1年夏からベンチ入りを掴むと、2年春・夏と甲子園に出場。最終学年ではエースを務めるも、3年夏は決勝で智辯学園高に敗れ、甲子園出場はならなかった。
天理大進学後は1年春から先発登板の機会を掴むと、いきなり最優秀選手賞に輝く。その後も安定した投球を見せ、4年間（7季）で通算21勝をマークし、2度の全国大会も経験。左腕から繰り出す速球は最速148km/hを計測し、スライダー、チェンジアップとのコンビネーションで4年秋には投球回を大きく上回る三振を奪った。天理高から天理大に進んだ選手としては、初めてプロ球団から指名を受けた選手となる。
| ポジション | 投手 | 生年月日 | 1998年6月15日 |
| 身長 | 175cm | 体重 | 70kg |
| 投打 | 左投左打 | 経歴 | 天理高−天理大 |
3位指名・大道温貴（おおみち・はるき）
春日部共栄高では2年秋からエースの座を掴み、3年夏の埼玉大会ではベスト4に進出。準決勝ではプロでチームメイトとなる高橋昂也擁する花咲徳栄高に敗れ、甲子園出場はならなかった。
八戸学院大では1年春から登板機会を掴み、4年間で通算22勝をマーク。3年春には全日本大学野球選手権にも出場し、4年秋には防御率0.25で最優秀防御率にも輝いた。最速150km/hのストレート、チェンジアップ、カットボール、スライダーなどの変化球も操る大学屈伸の右腕。
| ポジション | 投手 | 生年月日 | 1999年1月20日 |
| 身長 | 178cm | 体重 | 78kg |
| 投打 | 右投右打 | 経歴 | 春日部共栄高−八戸学院大 |
4位指名・小林樹斗（こばやし・たつと）
智辯和歌山高では2年春のセンバツからベンチ入りを掴むと、2試合に登板した。同年夏の甲子園では、奥川恭伸（現・ヤクルト）擁する星稜との準々決勝で全国初先発。2年秋からはエースナンバーを背負って近畿大会8強に進出し、センバツ出場権を得た。
3年夏の独自大会では、救援として自己最速152km/hをマークして優勝に貢献。柔らかな腕の振りからノビのあるストレートを投げ込み、スライダー、カットボール、フォークなどのコンビネーションで三振を量産する本格派。
| ポジション | 投手 | 生年月日 | 2003年1月16日 |
| 身長 | 182cm | 体重 | 85kg |
| 投打 | 右投右打 | 経歴 | 智弁和歌山高 |
5位指名・行木俊（なみき・しゅん）
横芝敬愛高では目立った成績はなかったが、四国独立の徳島インディゴソックスの2年間で急成長を見せた長身右腕。2年目の今季は8試合で35.1回を投げ、防御率1.53を記録。春先までの最速は140km/hほどだったが、150km/hまで急成長。ドロップカーブ、チェンジアップを武器に、打たせて取る投球を展開する。
| ポジション | 投手 | 生年月日 | 2001年1月8日 |
| 身長 | 183cm | 体重 | 75kg |
| 投打 | 右投右打 | 経歴 | 横芝敬愛高−四国IL徳島 |
6位指名・矢野雅哉（やの・まさや）
育英高では1年秋からベンチ入りし、2年からレギュラー。3年春の兵庫県ベスト4が最高で、甲子園出場はなし。亜細亜大では1年春からベンチ入りし、2年から遊撃レギュラーに定着。3年秋には首位打者、ベストナインを獲得するなど、リーグを代表する遊撃手へと成長した。
体格は小柄ながら身体能力が高く、高校時代には遠投128m、投げては148km/hをマークするなど、強肩・俊足を生かした守備力が持ち味。
| ポジション | 内野手 | 生年月日 | 1998年12月16日 |
| 身長 | 173cm | 体重 | 71kg |
| 投打 | 右投左打 | 経歴 | 育英高−亜細亜大 |
育成1位指名・二俣翔一（ふたまた・しょういち）
遠投120m、マウンドに立てば最速146km/hを計測する強肩に、高校通算21本塁打を誇る強肩強打の捕手。磐田東高では1年から遊撃レギュラーで、2年から捕手を務める。
| ポジション | 捕手 | 生年月日 | 2002年10月21日 |
| 身長 | 180cn | 体重 | 76kg |
| 投打 | 右投右打 | 経歴 | 磐田東高 |
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