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【コラム】阪神・高橋遥人が悲願のリーグVへ救世主となるか 9日ヤクルト戦で今季1軍初先発|プロ野球

【コラム】阪神・高橋遥人が悲願のリーグVへ救世主となるか 9日ヤクルト戦で今季1軍初先発|プロ野球時事通信
【プロ野球 コラム】セ・リーグの首位に立つ阪神タイガースは、2ゲーム差の3位・東京ヤクルトスワローズと9月7日からの3連戦で対戦する。報知新聞社・小松真也記者に注目選手を挙げてもらった。
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スポットライトを浴びる日が刻々と近づく。高いポテンシャルを誇る左のエース候補が満を持して、本来の居場所に帰ってきた。阪神の高橋遥人投手(25)が大事なシーズン終盤に戦列復帰。9日のヤクルト戦(甲子園)で今季初先発することが有力となった。

「本当にここまで、けがで出遅れてしまい、チームに迷惑をかけてしまった。なんとかチームに貢献できるように頑張りたいと思います。順調にきていますし、問題はないので、全力で投げていきたい」

苦難の日々を乗り越え、たどり着いた。今春は1軍の沖縄・宜野座キャンプ組でスタートしたが、2月中旬に右脇腹を痛めて離脱。懸命にリハビリを進めるも、上肢のコンディション不良が重なり、実戦復帰は7月25日のウエスタン・リーグ、中日戦(鳴尾浜)と大幅にずれ込んだ。

それでも、その後は順調にマウンドを踏み、8月31日の同・広島戦(同)で5回1/3を投げ、1安打無失点の好投。「6回まで球速が落ちなかったのは収穫。変化球はもっと投げてもよかったんですけど、あえて違うボールをいったり試したりできたんで、よかったかなと思います」。ファームで計6試合の調整登板をこなし、晴れ舞台に立つ準備を整えた。

プロ4年目のサウスポーは亜大から17年ドラフト2位で入団した。金本知憲前監督がほれ込み、18年1月の新人合同自主トレでブルペン投球を視察した際に「潜在能力が素晴らしい。すごいわ。打てないと思うよ」と大絶賛。最大の武器は150キロ超の伸びのある直球で、ルーキーイヤーに2勝を挙げた。

しかし、毎年故障に泣き、昨季は左肩の不調で出遅れた。今年も開幕から先発ローテを担うことはできなかった。悔しい思いを胸に、ここから16年ぶりリーグVの切り札として、フル回転するつもりだ。

チームはシーズン後半戦に入り、先発陣が不安定。藤浪、二保が外れ、主戦投手の西勇も6連敗中と苦しんでいる。高橋は昨季5勝のうち、宿敵の巨人相手に3勝をマーク。矢野監督が以前から「2桁勝利なんて、そんな低い数字で思っていなくて、貯金をたくさんしてくれる投手になってくれるでしょう」と期待を寄せる逸材が本領を発揮すれば、これ以上ない“補強”になる。背番号29は残りシーズンへ、全身全霊で臨む覚悟だ。

「残り試合も少ないですし、チームも優勝争いをしている。1試合1試合が本当に大切になってくると思います。自分もそこで活躍して、チームが1つでも多く勝てるように」

ペナントレースは104試合を消化。巨人、ヤクルトとの三つどもえの優勝争いは佳境に入る。7日からのヤクルト3連戦の先陣はリーグトップタイ10勝の青柳が務め、2戦目はドラフト2位・伊藤将、そして3戦目に高橋がバトンを受ける流れだ。まずは、燕退治に全力を注ぎ、救世主に名乗りを上げる。(報知新聞社・小松真也)

文・小松真也(こまつ・しんや)

1985年7月6日生まれ。36歳。18年に報知新聞社に入社。プロ野球遊軍記者を経て20年から阪神担当。

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