【セパ交流戦特集】飯田哲也氏が語る交流戦注目ポイントは「パ・リーグの好投手vsセ・リーグ打者陣」｜ プロ野球

5月25日に日本生命セ・パ交流戦2021が開幕する。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、2005年の導入以来で初めての中止となった。それだけに2年ぶりとなる今シーズンは、ファンにとっても待ち望んだビッグイベントだ。

そこでDAZN NEWSでは『セパ交流戦特集』として、DAZNで解説を務める秦真司氏と飯田哲也氏にインタビューを実施。第4弾は、飯田氏に交流戦の見どころを語ってもらった。※成績は5月19日時点

注目はパ・リーグ対阪神タイガース

──2年ぶりに交流戦が復活しますが、今季の戦いをどのように予想されますか。

今年の楽しみはなんといっても阪神対パ・リーグですよね。これは個人的にも注目している部分です。今までは巨人対パ・リーグでしたが、今年は阪神が楽しみですね。

──その阪神タイガースの中で注目の選手は？

やはり佐藤輝明ですよね。今はプロの投手が投げる球に慣れてきていますし、セ・リーグのエース級の投手と何度も対戦しています。ただ、パ・リーグのエースはもっと凄いので、そこを打ってまた自信を掴むとなると大きいですよね。僕個人も楽しみですよ。

──プロ入り前から素晴らしい選手だと言われていましたが、まさかルーキーイヤーでここまで結果を残すとは。

オープン戦から結果を残して、ホームランも打っていました。三振は多いですが、打率も上がってきて、プレッシャーがあるなかでも今では4番に座っています。そこで交流戦が始まるのですが、パ・リーグの投手陣も「打たせないぞ」という気持ちで臨むでしょう。そうなると簡単には打てないでしょうね。

田中将大は交流戦で実力発揮

──パ・リーグで注目の選手は日本球界に復帰した田中将大投手だと思います。マー君対セ・リーグ打者陣の対戦も見ものですね。

田中が投げるとやっぱり楽しいですよね。メジャーで揉まれながら自分の投球スタイルを変えていて、日本に帰ってきてもまだ試行錯誤している段階。やはり日本のバッターは選球眼が良くて、ファウルで粘れる。それによって球数が増えて完投できていないのかなと。なので今は日本の野球を思い出している段階ですね。なのでこの交流戦辺りから、田中の実力が見られるんじゃないですかね。

──その他に飯田さんが注目している交流戦のポイントは？

僕はパ・リーグのエース級の投手と、セ・リーグのバッターの対決が楽しみですね。最近の日本シリーズでもソフトバンクの投手陣が、巨人打線を完全に抑え込みました。相手にならないほどの力の差が見えているのでね。「パ・リーグってすごいんだ」ってところを見せてもらいたいですし、「セ・リーグも負けないぞ」という気持ちで打ち返してほしいですね。

──パ・リーグは投手だけでなく、打者でもパワー系の選手が多いですね。

規格外の選手が多いですよね。柳田悠岐、吉田正尚、山川穂高、浅村栄斗と挙げればキリがないですよね。そういう選手たちは、パワーがありながらもヒットもきっちり打てる。パワーだけじゃないところが、パ・リーグの打者のいいところですね。セ・リーグの投手としてはそういう好打者を抑えると自信になると思うので、彼らにとっても大事な対戦ですよ。

飯田氏の優勝予想はロッテ

──交流戦といえばシンデレラボーイの出現にも注目ですが、飯田さんが思うキーマンは誰でしょう？

個人的な話になりますが、僕は足が速い選手が好きなんですよ。打率はよくないですが、期待も込めて周東佑京ですね。チームとしても彼が出塁するかどうかは大きな部分ですし、彼の足とセ・リーグバッテリーの対戦は見ものです。

──阪神の梅野隆太郎捕手の「梅ちゃんバズーカ」と周東選手の対戦は楽しみですね。

梅野もいいですからね。周東だけでなく、パ・リーグには走りのスペシャリストが各チームにいますからね。西武は若林楽人、日本ハムは五十幡亮汰、ロッテは和田康士朗とたくさんの選手がいます。セ・リーグでもヤクルトの並木秀尊が速いんですよ。なので、試合終盤などでそう言う足の速い選手たちとバッテリーの駆け引きは楽しみですね。

──それでは最後に、交流戦の優勝予想をお願いします。

そうですね…。ロッテじゃないかな。今は少し結果は出ていないですが、安定しているチームです。ソフトバンクや楽天も強いですが、今は状態が良くない。確かに選手の名前だけを見るとソフトバンクや西武に劣るのですが、総合力がある。打つ人、走る人、守る人、投げる人など自分の役割をしっかりと全うしている印象です。

──そのロッテのキーマンは誰でしょう？

野手は安田尚憲ですね。もう少し打率は上がると思いますし、そうすることで打点も伸びてくるでしょう。投手は二木康太。二木は結果が出ていないですが、彼が良い状態に戻ることでロッテが優勝に近づくと思います。投打のキーマンは彼らですね。

インタビュー・構成＝川嶋正隆

1986年5月9日生まれ、福岡県福岡市出身。大学卒業後に携帯サイト『超ワールドサッカー』のライター兼編集者として勤務。2018年からフリーライターとしての活動を開始し、『フットサル全力応援メディアSAL』の立ち上げに参画。2018年には、Fリーグに参戦したロベルト・カルロスの単独インタビューを行った。現在は『ABEMA TIMES』などに寄稿している。