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西武がパ・リーグの台風の目になる。専門家・飯田哲也が振り返る交流戦|プロ野球

西武がパ・リーグの台風の目になる。専門家・飯田哲也が振り返る交流戦|プロ野球球団提供
【野球 インタビュー】日本生命セ・パ交流戦2022は東京ヤクルトスワローズが、パ・リーグ6球団に勝ち越す完全優勝を達成した。DAZNで解説を務める飯田哲也氏にパ・リーグ球団の戦いぶりについて分析してもらった。
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3週間にわたって繰り広げられた日本生命セ・パ交流戦2022。東京ヤクルトスワローズが、14勝4敗でパ・リーグ6球団全てに勝ち越す完全優勝で幕を閉じた。

交流戦に強いと言われていたパ・リーグだが、ここ2年はセ・リーグに負け越している。特に今年はヤクルトと阪神タイガースの2チームに16もの貯金を作られるなど、苦しい戦いを強いられた。

そこでDAZN NEWSでは解説を務める飯田哲也氏にパ・リーグ球団の戦いぶりについて分析してもらった。

(インタビューは6月14日に実施)

──日本生命セ・パ交流戦2022は東京ヤクルトスワローズの優勝に終わりました。パ・リーグ球団にとっては2年連続の負け越しとなるなど苦しい戦いが多かった印象ですが、飯田さんはどのようにご覧になりましたか?

飯田哲也(以下、飯田) 今年はヤクルトと阪神が強かった印象です。ヤクルトは14勝4敗の貯金10、阪神は12勝6敗の貯金6。この2チームの貯金の分だけ、セ・リーグが勝ち越した印象ですね。DeNAは五分で終えましたが、巨人、中日、広島は借金を抱えました。それをヤクルトと阪神が補った。それくらいこの2チームが強かったということですね。

──一方で、パ・リーグで貯金が作れたのはロッテだけでした。シーズン序盤は元気がなかった印象ですが、この交流戦でかなり調子を上げてきました。

飯田 ロッテはかなり頑張ったと思います。ケガ人が戻ってきて、マーティンとレアードにあたりが出始めました。そもそもは1点のもぎ取り方がうまい野球をするチーム。ただ、あてにしていた外国人が調子を落としていて結果がついてきませんでしたが、彼らが復調してきたこれからは楽しみです。

──五分だった西武、楽天、ソフトバンクはいかがでしょうか?

飯田 西武もよくやったと思います。今年は特に投手が結果を残しています。交流戦ではやや打たれ、高橋光成も3試合3敗でしたが、防御率は2.70。エンスも1勝1敗でしたが、防御率は2.95でした。計算できる投手がいるので、これまでの西武よりもかなりいい成績を残せると思います。

そして何よりも打線ですね。山川穂高の復活はとても大きい。交流戦の時点で20本塁打なので、これからどれくらい本数を増やしていけるか。さらに森友哉も戻ってきて、打線に厚みが出ました。投打が噛み合えば、もっと上の順位にいけると思いますし、その可能性を見せた交流戦だったと思います。

──山川選手はこの交流戦で6本塁打。大山悠輔選手の7本についで2位タイの成績を残すなど流石の打力を見せました。

飯田 よくよく見るとミスショットしているんですよ。タイミングを外されても、ボールを飛ばす力が山川にはある。他球団は研究が必要ですね。今の山川とまともに勝負するとやられてしまうので、勝負どころでは歩かせることが増えるでしょう。

逆に西武は山川との勝負を避けられた後にどうするか。そこに森がハマってくると、優勝した時のように手がつけられない打線になります。この駆け引きはこれからの見どころですね。

──パ・リーグ首位の楽天はいかがでしょうか?序盤戦のキーマンだった西川遥輝選手の出来に左右された印象があります。

飯田 昨年までの楽天の穴が1番打者で、今年はそこに西川がハマって序盤戦は隙がない強いチームになりました。逆に西川が打てなくなるとこうなるんだなと思い出した交流戦でした。とはいえ、チームとしてはよくやっている印象です。

西川の不調にホームランバッターの不在。投手は涌井秀章が離脱したなかで滝中瞭太の不調。投打に不安要素があったなかで、五分で交流戦を終えてパ・リーグ首位を維持できたことはかなり大きいと思います。

──今後も西川選手の調子が左右しそうですね。

飯田 前半戦のパターンは決まっていて、西川が出塁して盗塁する。それを3番・浅村栄斗や4番・島内宏明で返す。または下位打線が出塁して西川が返す。このパターンが確立されていました。打線のキーマンだったので、西川が調子を落とすと苦しいですよね。

──楽天と同じく五分で終えたソフトバンクはいかがでしょうか?

飯田 ホークスについては不甲斐ない結果でした。おそらく選手たちが一番悔しい思いをしていると思いますが、ヤクルトとの3連戦は日本一チームとの力の差を感じましたね。一時はパ・リーグの首位にも立ちましたし、交流戦でも優勝を狙える位置にいました。しかしヤクルトに3連敗。去年もやられている相手だけに、今年はやり返してもらいたかったですね。

──オリックスと日本ハムは借金を抱える結果に終わりました。しかしオリックスは好材料が多かったと思います。

飯田 ラオウですね。シーズン序盤はびっくりするくらい打てませんでしたが、この交流戦できっかけを掴んで首位打者になりました。ちょっとしたきっかけって大事で、おそらくここから爆発してくれると思います。さらにここからは吉田正尚も戻ってくる。打線にとってはプラス材料ばかりです。

投手陣も山本由伸、山岡泰輔、宮城大弥の3人が安定した投球を見せました。山﨑福也も2勝して、チームトップの防御率1.42の成績を残しています。投打に安定感が出てくるとパ・リーグを面白くして来れそうですね。

──日本ハムも開幕から使われてきた若手選手たちが躍動しています。

飯田 思った以上にやっていますね。松本剛や野村佑希、清宮幸太郎らの若い選手たちが生き生きとプレーしていて、とても成長しています。これまでは球場に来ても試合に出られない立場だったので、すごく難しい状況だったと思います。

それが今は主力として出られる。そうなるとよりシビアに結果を求められる。結果を残すために練習するし、自分で考えてプレーするようになる。それがいい結果を残している要因でしょう。

──特に気になる若手は?

飯田 松本ですね。右へ左へ、真っ直ぐも変化球も全部打ってしまう。交流戦でも打率.340でしょう? 今まではレギュラーの選手ではなかったわけで、それが毎日試合に出るようになると、思っている以上に疲労が貯まるものです。ガクッと落ちる選手もいます。それが普通なんですけど、松本はずっと打っている。それが大きな成長だと思います。

──今後の日本ハムは楽しみですね。

飯田 今年のこの頑張りが、来年以降に必ず生きてきます。私の(拓殖大学紅陵高の)後輩でもある加藤貴之もいいプレーをしています。防御率0点ですからね。ただ、彼が投げると援護点が少ないんですよ。相手もエースですから、その中でこの結果はすごいですね。球は速くないですが、変化球のコントロールと配球で翻弄していますよね。これからも楽しみにしています。

インタビュー= 川嶋正隆

1986年5月9日生まれ、福岡県福岡市出身。大学卒業後に携帯サイト『超ワールドサッカー』でライター兼編集者として勤務。2018年からフリーライターとしての活動を開始し、2020年からは念願かなってDAZN NEWSでプロ野球を担当している。

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