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【インタビュー】横浜スタジアムに降臨した“村神様”。ヤクルトOB飯田哲也が語るターニングポイントとなったDeNAとの首位決戦 | プロ野球

【インタビュー】横浜スタジアムに降臨した“村神様”。ヤクルトOB飯田哲也が語るターニングポイントとなったDeNAとの首位決戦 | プロ野球DAZN
【プロ野球 インタビュー】終盤戦を迎えた2022シーズンのプロ野球。18年ぶり&最年少での三冠王に期待がかかる村上宗隆について、DAZNで解説を務める飯田哲也氏に話を伺った。
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2022シーズンのプロ野球もついに第4コーナーを回った。苦しんだ8月を乗り越えて、東京ヤクルトスワローズが2年連続セ・リーグ制覇に迫る。連覇に向けて、野手のキーマンは間違いなく村上宗隆だろう。

打率.333、ホームラン55本、132打点──。打撃の主要3部門でトップを走るなど令和初の三冠王に期待がかかる。さらにホームラン記録は、2013年に当時ヤクルトに所属したバレンティンが記録した60本塁打の日本記録に迫っている。

そんな圧倒的な成績を残している村上について、ヤクルトのOBであり現在はDAZNで解説を務める飯田哲也氏に話を聞いた。

(インタビューは9月2日に実施)

今年の村上宗隆を象徴する一発とは?

──今シーズンの野球界はさまざまな話題がありますが、その中でも村上宗隆選手の活躍ぶりは、連日報じられています。飯田さんは今シーズンの村上選手を、どのようにご覧になっていますか?

飯田哲也(以下、飯田) 好不調の波がなく、いい状態をずっとキープしていますね。あれだけ打っていれば、他のチームもかなり対策をしているはずです。実際にホームランが止まった時期もありましたが、それを乗り越えて結果を残しています。素晴らしい活躍ぶりですよね。

──まだ22歳ですが、すでにチームを引っ張る存在のように感じます。飯田さんから見て、ここ数年の村上選手は何が変わったのでしょうか?

飯田 ボール球に手を出さなくなったことが、一番の変化だと思います。1年目は下で育てられて、2年目に一軍で143試合に出ましたが、ホームラン36本を打った反面、三振は184。大きいのを打てるけど、三振も多い。そんな不安定な選手でした。

しかし年々ボールの見極めができるようになり、今では三振数がかなり減って、四球を多く取れるようになりました。元々持っていたポテンシャルに、ボールを見極める力が備わって、さらにミスが減ったことが今の成績につながっていると思います。

──以前から逆方向への強いあたりを打てるなど、打撃に関するポテンシャルは高かったです。そこにボール球への対応力が備わったことが、成績向上の理由なんですね。

飯田 今の村上は、そういう打撃のコツを掴んでいます。四球が取れる、ボールを見極められる理由は、追い込まれてからコンパクトに振っているから。でも村上の場合は、コンパクトに振って、バットを当てにいってもホームランにできる。「小さなスイングでも、芯で捉えたらスタンドまで持っていけるんだ」というコツを掴んだんだと思います。

──ホームランバッターは、2ストライクに追い込まれてからも強く振る選手が多いように感じますが、村上選手はそうじゃない?

飯田 村上も追い込まれるまでは振ってますよね。でも2ストライクに追い込まれると芯で捉えることを意識しつつ、コンパクトに振ってくる。だからどんなボールにも対応できるし、芯で捉えたらホームランになる。だから投げてる方は、対戦するのが嫌ですよね(笑)。

僕はリードオフマンだったので、追い込まれるととにかくバットを短く持って、コンパクトに振りながら、粘って四球を取ることを意識していました。でも4番に求められているのは、そういう打撃ではない。村上は、コンパクトながらもホームランを打つコツを発見したんだと思います。

先日(8月28日)の横浜スタジアムで打ったホームランなんかもそうですよ。エスコバーから打ったのですが、フルカウントの状況から村上は全然振ってないんですよ。チョンっと当てただけなのにスタンドまで飛ばしてしまう。あれが今年の村上を象徴する一打でしたね。

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横浜スタジアムに降臨した村神様

──横浜DeNAベイスターズとの3連戦の話が出ましたが、8月26日から横浜スタジアムで行われた3連戦は、今シーズンのターニングポイントと言える試合でした。

飯田 前半戦であれだけ走り抜けて、史上最速のマジック点灯となったヤクルトでしたが、シーズンは長いのでいい時ばかりではありません。特に8月は山田哲人が調子を落とし、サンタナもいなくて、投手陣にも疲れが出ていました。ヤクルトにとってはかなり苦しい時期だったと思います。

──一方でDeNAは8月に入り絶好調でした。

飯田 ヤクルト戦前までで16勝3敗と大きく貯金を作りましたね。最大で17.5ゲーム離れていたのに、4ゲーム差にまで詰め寄って直接対決を迎えました。DeNAの方が圧倒的に勢いがありましたね。

──飯田さんは現役時代に日本一を経験されていますし、ソフトバンクのコーチ時代にも経験しています。勢いを持って追いかけてくるチームとの対戦は、どのように感じるものですか?

飯田 追われる側は気持ちが悪い。10ゲーム離れていた時は気楽に試合に臨めますが、それがどんどん減っていくと、「やばいぞ……」という精神状態になります。かたや追いかける方は、どんどん勢いが出てくる。ヤクルトとDeNAもそんな状況だった8月でしたね。

──対照的なチーム状況で迎えた3連戦でした。

飯田 DeNAにとってはこの3連戦で、「いくぞ」という気持ちになっていたはず。対してヤクルトは「まずいなー」という精神状態だったでしょう。しかしそれを一気にひっくり返したのが“村神様”ですよ。

DeNAとしては、村上だけには打たれたらいけないと思って、相当対策してきたはず。それを上回った。初戦は0-0で中盤に突入したなかでの強烈な先制パンチ。結果論かもしれませんが、あの3ランが3連戦の流れを決めた印象でしたね。

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──ノーアウト、一、二塁というバッテリーにとってはきつい状況でしたが、勝負を選びました。

飯田 多分、大貫晋一はワンバウンドのフォークを投げるつもりだったと思います。振ってくれればラッキーと思って投げた球が、少し上に入ってしまった。それをガツンと打たれて、大貫は「嘘でしょ」って思っていたでしょう。DeNAとしては絶対に打たれてはいけない場面でしたし、そこで打ち返した村上がすごかった。

──まさにあの一発でヤクルトが蘇った印象を受けました。

飯田 DeNAとしては、絶対に打たれてはいけない選手に、打たれてはいけない状況でやられた。その裏にすぐ3点取り返すあたりは、彼らの調子の良さだと思いましたが、実際に初戦を落として、2戦目も16-4で完敗。せめて1つは勝たないといけない厳しい状況になり、そこでも村上に決勝点となるホームランを打たれました。村上にはじまり村上に終わった3連戦でしたよね。今シーズンを象徴しているかのような試合だったと思います。

18年ぶり&最年少での三冠王。歴史の目撃者となる

2022-08-23-npb-Swallows-Murakami時事通信

──改めて怖いバッターに成長しましたね。実際に18年ぶりとなる三冠王も現実的になっています。

飯田 もうこの成績なので獲らせてあげたいですよね(笑)。もうホームランと打点は間違いないですし、どれだけ数字を伸ばせるか。問題は打率です。でもその打率についても、相手バッテリーは勝負を避けてくることが増えるでしょう。1試合で2四球、残りの2打席で1本ヒットを打てば打率は上がるわけですからね。そうなるとチャンスです。

しかし、村上の目標は三冠王でもホームラン王でもなく、優勝なんだと思います。結果的に三冠王というだけで、一番は優勝。だから四球をしっかり選べる。ホームランを打ちたいとなると、無理やり振るでしょう。それがないことでいい結果につながっているように思います。

ただ、打率は上がることもあれば下がることもある。流動的な数値なので、プレッシャーもかかると思います。それでも個人的には、村上に三冠王を獲らせてあげたいですね。

──ホームランについても現時点で49本塁打。50号は目の前ですね。

飯田 今日の試合(9月2日の中日戦)で打っちゃうんじゃない?(※実際に村上選手はこの試合で50号本塁打を達成)

バレンティンの60号も見えていて、とても楽しみですね。もし更新したらすごいこと。バレンティンの60号は目の前で見ましたけど、あのシーズンの彼は8打席や9打席で1本塁打の計算です。今シーズンの村上は507打席で49本、ほぼ10打席に1本ペースですよね。あのバレンティンに匹敵する日本人ですから、本当にすごい。それに打撃部門は10冠でしょう? もう手がつけられないよね。

──そんな村上選手の活躍もあり、DeNAとの天王山を制したヤクルトですが、このまま優勝でしょうか?

飯田 もう優勝でしょう。ただ、もう村上とまともに勝負する球団はいないと思いますので、そこでどう点を取るか。巨人戦では村上を歩かせてオスナと勝負する場面がありました。結果的に打たれはしましたが、そういう選択をするチームが増えてくるでしょう。村上が勝負してもらえなくても点を取れるように、オスナ、中村悠平、サンタナの活躍が大事になってきます。あとは山田。状態が戻ってきているので、チームとしては大きいことですね。今後はDeNAに差を詰められることはあっても、抜かれることはないでしょう。

インタビュー= 川嶋正隆

1986年5月9日生まれ、福岡県福岡市出身。大学卒業後に携帯サイト『超ワールドサッカー』でライター兼編集者として勤務。2018年からフリーライターとしての活動を開始し、2020年からは念願かなってDAZN NEWSでプロ野球を担当している。

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