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【インタビュー】ヤクルトの強さはマネジメント力。OB秦真司が語る高津臣吾監督の魅力とは | プロ野球

【インタビュー】ヤクルトの強さはマネジメント力。OB秦真司が語る高津臣吾監督の魅力とは | プロ野球時事通信
【プロ野球 インタビュー】終盤戦を迎えた2022シーズンのプロ野球。東京ヤクルトスワローズを率いる高津臣吾監督について、DAZNで解説を務める秦真司氏に話を伺った。
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2年連続のリーグ優勝まであとわずかだ。

振り返ると、交流戦ではパ・リーグ6球団に勝ち越してセ・リーグでは初となる完全優勝を達成。さらに、18試合制における歴代最高勝率.778を記録した。7月2日には、プロ野球史上最速で優勝マジック53が点灯するなど他の追随を許さず。8月はやや苦しみながらも首位をキープし、9月11日にマジック11が再点灯した。

ヤクルトはなぜこれほどまでに強くなったのか。高津臣吾監督1年目は最下位だった。しかし2年目で日本一に輝き、今年もゴールテープはすぐそこに迫っている。ヤクルト立て直しのキーマンである高津監督について、OBであり現在はDAZNで解説を務める秦真司氏に話を伺った。

(インタビューは9月5日に実施)

現役時代に監督をやるイメージはなかった

──今回はヤクルトの強さを探るべく、高津臣吾監督についてお伺いしたいと思います。秦さんは現役時代、ルーキーだった高津監督と一緒にプレーをされていますが、当時の印象はいかがだったでしょうか?

秦真司(以下、秦) すごく明るいキャラクターでしたね。ただ、当時のチームメートで彼が監督をやると考えていた人は一人もいなかった。球団もそんな考えはなかったでしょうし、ファンも想像さえしてなかったと思います。彼が監督をやるイメージは誰も持っていなかったはずです。

──当時、放送されていた珍プレー好プレーでは、必ずと言っていいほど高津監督の映像が映し出されていました。今でもアフロ姿で大都会を歌う高津監督のことを鮮明に覚えています(笑)。

あのままのひょうきんな選手でしたね。音楽や歌うことが好きで、カラオケも好きでした。ただ、入団当初から注目を集めていたわけではありませんでした。当時の野村克也監督は、最初に先発として起用していました。それから中継ぎに配置転換され、そこで結果を出してクローザーの地位を掴みました。

中継ぎ時代の最初の頃は、右バッターを抑えるようなポイントでの器用でしたが、シンカーを覚えてからは左バッターも抑えられるようになりましたし、そこから自分の立ち位置を確立した印象です。

──先発、中継ぎ、抑えなど投手におけるさまざまな役割を担い、さらにメジャーや台湾などの海外やBCリーグでもプレーするなど、かなりいろいろな経験をされてきました。それが今の指導にも生きているのでは?

多くの経験を積んで、ものすごくいい監督になった印象を受けますね。さまざまな経験をしているからこそ、選手への指導に生かせる。ただ、高津監督を見ていて一番いいなと思う部分は、選手のマネジメント力です。

ヤクルトは長い間、打高投低のチームでした。しかしその弱点を補おうと、球団は投手出身の高津監督を二軍監督から引き上げました。それでも1年目は苦しい戦いが続き、防御率は6点台で順位も最下位でした。

しかし2年目は、若手の奥川恭伸投手や高橋奎二投手を積極的に起用し、チームの柱へと成長させました。3年目の今年は、中継ぎの立て直しに着手し、ここまで結果を残しています。そうやってやりくりしているマネジメント力はすごいですね。

チームの底上げに必要なマネジメント力

──高津監督のマネジメント力で、特にすごいと感じる部分はどこでしょうか。

若い選手を積極的に起用しつつ、チーム内に競争を植え付けているところですね。これは野村監督も同じやり方をされていました。下からの突き上げを促し、チーム全体に競争を意識させるやり方です。

やはり1番手の選手だけでは長いシーズンを戦うことはできませんし、チーム力の底上げにはなりません。若手選手にもチャンスを与えて、うまく使いながら成長させる。主力に不測の事態があったとしても、それをカバーできる選手を育てる。それがチームとしてのリスクマネジメントです。

高津監督はそこのバランスがうまいなと感じます。投手でも野手でも、若い選手を使いながら、競争させながらここまで戦っています。

──選手は試合で伸びると言いますし、今のヤクルトは若手選手が伸び伸びとプレーしています。一方で高津監督はベテラン選手もしっかりと起用していますね。

立派な采配だと思います。例えば日本ハムのように、スパッとベテランを切ってしまうようなやり方もあります。しかし高津監督は一緒に戦ってきた仲間を再生させて、戦力として起用しています。ヤクルト再生工場は野村監督の意図でもありましたし、そこも引き継いでいるなと感じます。

ただ、これは高津監督だけの力ではなく、ベテラン選手たちの頑張りも大事な要素です。石川雅規投手は今でもすごく努力をしている。そういう姿勢を見ると、チャンスを与えたくなるのが人間の心理です。いい加減に取り組んでいないところをちゃんと見ているので、お互いに信頼し合えていると思います。

──チーム力をつけてきたヤクルトですが、今年も7月に史上最速でマジックが点灯するなど圧倒的な強さでした。しかし、8月はかなり苦しい時期だったと思います。

6月の時点ですでにヤクルトが首位独走の状態でしたが、個人的には夏場に山場が来るとみていました。シーズンは長いので疲れも出てきますし、他の球団が必ず対策してくる。最後まで独走が続くとは思っていませんでした。

実際にオールスター明けから、どのチームもヤクルト対策を練ってきて、さらに8月はチームの状態も落ち込んでいたので、かなり厳しい戦いになりました。一方でこの期間はDeNAがかなり調子を上げていました。

しかしそこでも考えは同じで、そのままDeNAがひっくり返すとは思っていませんでした。今度はヤクルトがしっかり対策をしてくるから。9月になればヤクルトがちゃんと立て直すので、逆転されることはないと思っていました。

天王山を経て、ヤクルトが連覇に迫る

2022-09-02-npb-swallows-murakami時事通信

──とはいえ、ヤクルトにとってはDeNAにジリジリと迫られたあの8月は嫌だったのでは?

上にいるチームは、かなりのプレッシャーを感じるものです。ただ、そのラインは5ゲーム。5ゲーム以上離れていれば焦る必要はない。これは何度か優勝しているとわかることです。それが3ゲーム以下になるときつくなる。

今年のパ・リーグは特殊な状況で、各チームともかなりきついと思います。4チームから5チームが団子状態なので、どこにローテーションの柱をぶつけるかの計算が難しい。逆にヤクルトのように1チームだけが抜け出しているパターンは簡単で、迫ってくるチームに対して主力投手をぶつければいいんです。

例えば週の最初のカードで2位のチームと当たるなら、そこに柱となる投手2人をつぎ込む。後半のカードは3連敗だけしてはいけないので、核となる選手を1人配置する。状況に合わせた戦い方ができます。

それに高津監督は選手時代も含めて、何度も優勝を経験しています。コーチ陣も同じで、戦い方をわかっているので、DeNAが迫ってきても焦ってはいなかったと思います。

──選手たちはどうでしょうか?

選手たちにはプレッシャーがあったかもしれません。ただ、去年の経験があるので、今までよりは落ち着いてプレーできているはずです。プレッシャーを感じながらも、責任感を持ってプレーしています。

責任感とは、与えられた場所で状況を全うすること。先頭バッターなら塁に出る。ランナーがいる状況での打席なら、最低限塁を進める。得点圏にランナーがいれば、返すようなバッティングをする。それぞれが与えられた役割を全うする。今のヤクルトはそれができているので、追い詰められても大崩れしません。

──天王山となった8月26日からのDeNA戦で、ヤクルトは4ゲーム差にまで詰め寄られていました。DeNAが有利との見方もあったなかで、3連勝して再び引き離しました。

あの局面、DeNAは3連勝で一気にゲーム差を詰めようと考えていたはず。対するヤクルトは3連戦のどこか1つを勝とうと。そうすることで1ゲームしか縮まらない。チーム状況もありますし、敵地での試合だったので3連敗だけは避けようと考えていたでしょう。

蓋を開けてみるとヤクルトが3連勝して嬉しい誤算、DeNAにとっては3連敗して思わぬ誤算となった対戦でした。

──もうヤクルトが優勝するのでしょうか?

決まりでしょう。ゲーム差が多少縮まることはあっても、逆転されることはない。あとは村上宗隆選手の成績がどうなるか。バレンティン選手の持つ60本塁打の記録を超えられるのか、すごく興味深いですね。かなり素晴らしいバッターに成長しています。

──18年ぶりの三冠王も期待されています。

あの若さで吸収力が素晴らしい。ただ、指導している身からすると、若い選手の方が体の成長や頭の成長により吸収率は高い気がします。それにしても村上選手の進化スピードは異常。松井秀喜選手やバレンティン選手を見てきたので、それと同じような、もしくはそれ以上の選手を見ることができて嬉しいですね。

インタビュー= 川嶋正隆

1986年5月9日生まれ、福岡県福岡市出身。大学卒業後に携帯サイト『超ワールドサッカー』でライター兼編集者として勤務。2018年からフリーライターとしての活動を開始し、2020年からは念願かなってDAZN NEWSでプロ野球を担当している。

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