パ・リーグ王者のオリックスが戦いの場に戻ってきた。一度もマジックを点灯させることなく、逆転優勝を決めたのが10月2日。1995、96年以来の連覇に沸いたシーズン最終戦から10日が経過し、12日からのCSファイナルステージでソフトバンクを迎える。最後の最後までペナントを争ったライバル。中嶋聡監督は「相変わらず強いチームですので。投手力も、攻撃力もある。総合力は上だと思っています」とまず、相手へ敬意を払った。
「まあ、始まるな…ということだけですね。短期決戦という言葉だけで、この前シーズンが終わったばかり。そのまま連戦、というつもりでいきますけど」。口調は落ち着き、冷静さを感じさせるような表情。意識の違いを問われても「僕自身は別にないですけど」と平常心を保っていた。
レギュラーシーズンではソフトバンクに15勝10敗。舞台となる本拠地・京セラドーム大阪でも10勝3敗と圧倒している。直近は9月17日からの3連戦で3連勝。3ゲーム差からゲーム差なしに迫り、優勝の転機をつくったことが記憶に新しい。気分良く臨めそうな数字が並んでも「全く関係のないものだと思っています」と強調。「シーズンそのままと言いましたけど、その数字だけは全く関係のないこと。最初からガチンコでやるわけですので」と一戦必勝モードだ。
1勝のアドバンテージを持ち、初戦の先発は山本に託した。今季も防御率1・68、15勝、勝率7割5分、205奪三振、2完封と5部門でトップに立ち、史上初めて「投手5冠」を複数回(2回)達成。ソフトバンクには5試合で3勝2敗だが、7月以降は3戦3勝、計24回で2点しか奪われていない絶対的エースだ。CS初登板だった昨年のファイナルステージ初戦でも、ロッテを相手に完封勝利。大舞台でも圧倒的な力を見せつけてきた。
「長いシーズンを戦った疲れを取りながら、しっかりと動ける体をつくるのが目的。いろいろな動きのところ、連係の部分はしっかりチェックしてやってきまた」。ファーストステージを2連勝で突破したソフトバンクに対し、練習試合と紅白戦で選手個々の状態を確認した。「日程は決まっていたので、逆算して調整してきたつもりです」とうなずいたのは主砲の吉田正。攻守のつなぎ役・安達も右ろっ骨骨折から復帰のメドが立った。シーズンで組んだ打線は、実に141通り。攻撃のバリエーションもさらに増えそうだ。
相手の4番・柳田は2本塁打7打点と絶好調。中嶋監督は「そうですか」と驚くことなく「一人だけではない。そこが中心になりすぎて、いろいろなことがおろそかになるのは違う。全体を見て、すべてにおいてバランス良く戦っていかないと」と訴えかけた。昨年のファイナルステージはアドバンテージ1勝を含む3勝1分けで、日本シリーズ進出。ヤクルトに敗れ、頂点には届かなかった。26年ぶりの日本一へ第一関門。力強く、確かに歩みを進める。
文・長田亨
1981年4月11日生まれ。41歳。2004年に報知新聞社入社。ソフトバンク、阪神、DeNAなどを経て、今年からオリックス担当。
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