「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージ ヤクルト―阪神(神宮)が12日から開幕する。
ルーキー・丸山和郁外野手(23)の史上初となる新人優勝決定サヨナラ打で29年ぶりにリーグ連覇を果たしたヤクルトは、3位から勝ち上がってきた阪神を本拠地・神宮で迎え撃つ。
村上宗隆内野手(22)が、日本選手最多を更新するシーズン56号を放ち、史上8人目、最年少での三冠王に輝いた10月3日のレギュラーシーズン最終戦から9日。球団初の2年連続日本一をかけた大一番が幕を開ける。ファンの興奮はいまだ冷めないが、高津監督はじめ、ナインは次の戦いへ気持ちを切り替えた。
対戦相手が阪神に決まり、高津監督は「間違いなく言えることは楽ではないということ。勝つにしても、負けるにしても接戦になる」と警戒し、最終ステージ突破のポイントを明かした。「短期決戦って、いつの時代でも、どのシリーズでも難しい。1球、1打席、1イニングがそのシリーズの勝敗を決めてしまうこともよくある。常に全力、常に集中ということを(今まで以上に)意識づけて戦いたい」。
一戦必勝がより求められる短期決戦。指揮官が下した決断に勝利への執念が見えた。連投制限をかけていた中継ぎ陣の”リミッター解除”だ。「いつも通りじゃないところは出てくる。そこの見間違いだけはしないように、しっかり選手に伝えて、準備してもらう」。
これまで、試合前練習をフリーにしたり、先発陣を中10日でまわすなど、選手のコンディション管理を徹底してきた。中でもスワローズの特徴は中継ぎ陣の連投制限。今季、3連投したのは、6月3~5日のマクガフと、7月29~31日の久保の2人で、1回ずつ。143試合を見据えて起用してきたレギュラーシーズンとは異なり、1つの負けが致命傷ともなり得るのがポストシーズンだ。根底にある「選手ファースト」の考えと、コンディション管理の徹底は変わらないが、日本シリーズに進出し、全試合を戦ったとしても、残り13試合。「全力で食い気味でいってもらいたい」と“リミッター解除”に踏み切り、目の前の一戦を確実にとりにいく覚悟を見せた。
「先に出させない」。ロースコアの投手戦になることも予想済みだ。「タイガースの投手陣から簡単に点を取れるとは思っていない」。指揮官が警戒心を強めるのも無理はない。今季阪神戦のチーム打率はカード別ワーストの2割6厘、19本塁打もチーム別で最少。阪神の投手陣に苦戦していることは数字が物語っている。
「彼のバットが勝敗を左右する」と高津監督が全幅の信頼を寄せる村上の活躍がカギを握っていることは明確。今季の阪神戦は、カード別ワーストの打率2割6分、7本塁打だが、12日に先発する西勇からは打率3割3分3厘、1本塁打と好相性。初出場となった昨季のCSでは打率2割2分2厘、0本塁打だったが、「(ホームランを)打ちにいくのは当たり前のこと。自分のスイングをできるように」と、CS初アーチでチームを勢いづける。
怖いのは村上だけではない。”日替わりヒーロー”で白星を重ねてきたこともまたヤクルトの強さの理由だ。青木や山田、塩見ら主力はもちろん、長岡、内山壮ら若手野手が台頭した。正捕手・中村は、今季の阪神戦で打率3割1分1厘をマークするなど、投手の特徴を生かしたリードだけでなく、バットにも期待がかかる。多種多様なタレント集団をまとめる指揮官は「今までなかったことが起きるのも短期決戦。シリーズ男が1人でも2人でも出てきてくれたら」と胸を高鳴らせた。高津スワローズは、全員野球で日本シリーズへの切符をつかむ。
文・森下知玲(スポーツ報知)
1995年10月6日生まれ。26歳。福井県出身。2018年に報知新聞社入社。19~21年まで西武担当、22年からヤクルト担当。
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