今年もセ・パ交流戦の季節がやってきた。あまり見る機会のない異なるリーグのチームとの対戦は、やはり心が躍る。
豪快なホームランに圧巻の奪三振ショーや夢の対決──。見どころはたくさんある。そのなかで今回は交流戦で注目したい投手たちを、今季の活躍とともに紹介する。
本格化の時を迎えた令和の怪物・佐々木朗希：千葉ロッテマリーンズ
何と言っても、今季のプロ野球で最も注目すべきはこの男。4年目を迎えた令和の怪物・佐々木朗希だ。3月には野球日本代表・侍ジャパンの一員としてWBCにも出場し、優勝に貢献。昨季は間隔を空けながらの登板が多かったが、今季は中6日での登板がメインとなっている。
4月28日のオリックス・バファローズ戦では、自己最速を更新し、大谷翔平に並ぶ165キロを計測。多くのファンの度肝を抜いた。
今季はここまで5試合に登板し、3勝0敗、防御率0.84、32回を投げ絵50奪三振と圧巻の成績を残している。5月5日の登板で右手中指のマメの影響で、登板間隔が空いてしまっているが、28日には先発予定。交流戦ではセ・リーグの打者を相手に三振を量産してくれるだろう。
セ界タイ記録の開幕31回連続無失点、村上頌樹：阪神タイガース
阪神タイガースで大ブレイクの兆しを見せているのが、3年目右腕の村上頌樹だ。今季はここまで7試合に登板し、43回を投げて4勝1敗、防御率1.47、45奪三振の好成績をマーク。
開幕から31回連続無失点は、1963年に中井悦雄（阪神）が記録して以来、60年ぶりのセ・リーグタイ記録となった。
今季初先発となった4月12日の読売ジャイアンツ戦では、7回まで1人の走者も許さない完全投球を披露。その回限りで降板したため大記録はならなかったが、村上の存在が一気に知れ渡ることとなった。
2年連続投手四冠の現役最強右腕・山本由伸：オリックス・バファローズ
2年連続で最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振のタイトルを獲得し、現役最強投手の名をほしいままにする山本由伸。佐々木朗希同様、3月にはWBC優勝に大きく貢献した。
WBCの影響で開幕投手こそ譲ったものの、ここまで6試合に登板、38.1回を投げて3勝2敗、防御率2.35、43奪三振の好成績を残し、クオリティ・スタート（6回以上自責点3以内）率は100%と安定感も抜群。
今季初登板となった4月6日の福岡ソフトバンクホークス戦では、6回2安打無失点6奪三振の好投で見事白星を手にした。発熱のため5月13日を最後に登板がないが、5月30日の交流戦開幕から復帰予定となっている。
四球が見られたらむしろレア？！投げる精密機械・加藤貴之：北海道日本ハムファイターズ
佐々木朗希や山本由伸のような圧倒的なストレートはないものの、平均140キロに満たないストレートでパ・リーグの強打者たちをきりきり舞いさせているのが、北海道日本ハムファイターズの左腕エース・加藤貴之だ。
圧倒的な制球力から「投げる精密機械」の異名をとる加藤は昨季、147.2回を投げてわずか11四球。これは2リーグ制以降の規定投球回到達投手では最少の記録だ。今季もここまで65.1回を投げて4四球と制球力は健在。セ・リーグの打者をどのように手玉に取るのか注目だ。
貫禄すら感じさせる次代の左腕エース・小笠原慎之介：中日ドラゴンズ
長年チームを支えてきた左腕エースの大野雄大が左肘手術のため離脱した中日だが、代わって左腕エースに名乗りを上げたのが、昨季自身初の10勝を挙げた小笠原慎之介だ。今季はここまで8試合で4勝2敗、防御率2.77、54奪三振と、まさにエースの働きを見せている。
5月12日の東京ヤクルトスワローズ戦では、7回103球を投げて6安打1失点（自責0）8奪三振と好投。8年目の25歳にして風格すら漂うその姿を、パ・リーグのファンたちにも見せつけたい。
※成績は全て5月26日時点
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