2023年ドラフト総評
1位で前田悠伍(大阪桐蔭高)の交渉権を獲得も支配下で5人の大学生・社会人を指名
ソフトバンクは事前に公表していた大卒左腕の武内夏暉(國學院大/西武1位)の抽選を外すも、続いて入札した前田悠伍(大阪桐蔭高/投手)のあたりくじを引き交渉権を獲得した。2位では岩井俊介(名城大/投手)、3位で広瀬隆太(慶応義塾大/内野手)、4位で村田賢一(明治大/投手)と大学日本代表にも選出された実績者を次々と指名。
下位では5位・沢柳亮太郎(ロキテクノ富山/投手)、6位・大山凌(東日本国際大/投手)と大学生、社会人の投手を指名しており、2位から6位までの5人が大学生、社会人出身の即戦力候補となった。7位では支配下で唯一の野手となる藤田悠太郎(福岡大大濠高/捕手)を指名した。
育成では12球団最多の8人を指名しており、合計15名の指名は12球団最多となった。
選択選手一覧
指名順 | 名前 | ポジション | 所属 |
---|---|---|---|
1位 | 前田 悠伍 | 投手 | 大阪桐蔭高 |
2位 | 岩井 俊介 | 投手 | 名城大 |
3位 | 広瀬 隆太 | 内野手 | 慶應義塾大 |
4位 | 村田 賢一 | 投手 | 明治大 |
5位 | 沢柳 亮太郎 | 投手 | ロキテクノ富山 |
6位 | 大山 凌 | 投手 | 東日本国際大 |
7位 | 藤田 悠太郎 | 捕手 | 福岡大大濠高 |
育成1位 | 大泉 周也 | 外野手 | BC福島 |
育成2位 | 宮里 優吾 | 投手 | 東京農業大 |
育成3位 | 佐倉 侠史朗 | 内野手 | 九州国際大付高 |
育成4位 | 中沢 恒貴 | 内野手 | 八戸学院光星高 |
育成5位 | 星野 恒太朗 | 投手 | 駒沢大 |
育成6位 | 藤原 大翔 | 投手 | 飯塚高 |
育成7位 | 藤田 淳平 | 投手 | 四国IL徳島 |
育成8位 | 長水 啓真 | 投手 | 京都国際高 |
選択選手紹介
1位指名・ 前田 悠伍(まえだ・ゆうご)
大阪桐蔭高では2年春から3季連続で甲子園に出場。2年春の甲子園では優勝を飾った。3年夏の甲子園には出場できなかったものの、その後に行われたU18ワールドカップでは日本代表のエースとして君臨。3試合に登板し16回3分の2を投げ防御率0.54と圧倒した。同大会の直前に行われた大学日本代表との壮行試合でも2回無失点3奪三振と快投している。
180センチ、80キロの身体から繰り出されるストレートの最速は148キロ。ストレートで押し込むわけではなく、スライダーやチェンジアップなどの変化球を自在に操りながら緩急を使った投球術でアウトを積み重ねていく。担当スカウトによると小島和哉(ロッテ)、石川雅規(ヤクルト)、そして和田毅(ソフトバンク)と同タイプとのこと。
ポジション | 投手 | 生年月日 | 2005年8月4日 |
身長 | 180cm | 体重 | 80kg |
投打 | 左投左打 | 経歴 | 大阪桐蔭高 |
2位指名・岩井 俊介(いわい・しゅんすけ)
京都翔英高時代に甲子園出場はなし。プロ志望届は提出せず名城大(愛知大学野球連盟)に進学した。1年秋からリーグ戦で登板し全国大会も3度経験している。4年春は4勝1敗、防御率1.57の好成績で敢闘賞を受賞。日米大学野球選手権の日本代表にも選ばれた。
最速156キロを誇る剛腕でスラーブ、スライダー、フォークなど変化球も多彩。ストレート、変化球どちらでも空振りを奪えるのが魅力。一方でやや制球面に不安があり4年春のリーグ戦では51回3分の2を投げ与四死球18だった。
ポジション | 投手 | 生年月日 | 2001年7月30日 |
身長 | 182cm | 体重 | 90kg |
投打 | 右投右打 | 経歴 | 京都翔英高-名城大 |
3位指名・廣瀨 隆太(ひろせ・りゅうた)
慶應義塾高時代には2年春・夏と2度甲子園に出場した。夏の大会では2年生ながら「4番・一塁」を任され1安打を放った。プロ志望届を提出せず慶応義塾大(東京六大学野球連盟)へと進学。1年春から試合に出場し1年秋にはレギュラーとなり、ここまで主力として活躍した。
これまでに4年春までに3度のベストナインを受賞し、3年、4年と日本代表にも選出されている世代を代表する打者。六大学通算20本塁打は歴代4位タイとパワーのあるスラッガータイプでスカウトによると、今年のドラフトで長距離砲としての魅力が一番とのこと。
ポジション | 内野手 | 生年月日 | 2001年4月7日 |
身長 | 182cm | 体重 | 91kg |
投打 | 右投右打 | 経歴 | 慶應義塾高-慶応義塾大 |
4位指名・村田 賢一(むらた・けんいち)
春日部共栄高では3年春の甲子園に出場。「4番・投手」として出場するも初戦の高松商相手に8回8失点(自責7)と打ち込まれ敗退した。プロ志望届を提出せず明治大(東京六大学野球連盟)に進学すると3年時から登板機会が増える。4年春には3勝0敗、防御率0.80の成績でベストナインに輝き、日米大学野球選手権の日本代表にも選出された。ストレートの最速は150キロだが、シンカーやチェンジアップなどの変化球を生かしコントロールを重視して打ち取っていくタイプ。
ポジション | 投手 | 生年月日 | 2001年8月31日 |
身長 | 180cm | 体重 | 92kg |
投打 | 右投右打 | 経歴 | 春日部共栄高-明治大 |
5位指名・ 澤柳 亮太郎(さわやなぎ・りょうたろう)
明治学院東村山高時代に甲子園出場はなし。明治学院大(首都大学野球連盟)では一部に上がったことはなく目立った成績はなし。4年時にプロ志望届を出すも指名漏れ。ロキテクノ富山では2022年の都市対抗野球に出場し1試合(1回)の登板で無失点だった。U23ワールドカップの日本代表にも選出され、中継ぎとして5試合に登板し防御率3.00の成績を残した。最速150キロを超え、アベレージで140キロ代後半のストレートにカットボールやフォークなどの変化球を操る中継ぎタイプ。担当スカウトによると社会人では中継ぎだったが先発もできるとのこと。
ポジション | 投手 | 生年月日 | 2000年3月8日 |
身長 | 180cm | 体重 | 89kg |
投打 | 右投右打 | 経歴 | 明治学院東村山高-明治学院大-ロキテクノ富山 |
6位指名・大山 凌(おおやま・りょう)
白鴎大足利高時代に甲子園出場はなし。プロ志望届は出さず東日本国際大(南東北大学野球連盟)へと進学した。大学では2年秋から登板機会が増え、3年春に最多勝、ベストナインなどを受賞。4年春にもベストナインに輝いている。3年時の大学選手権では3試合、4年時にも1試合に登板しており合計4試合で防御率2.52と実力を発揮した。最速153キロのストレートとスライダーなどの変化球を武器とする先発タイプ。
ポジション | 投手 | 生年月日 | 2002年3月27日 |
身長 | 180cm | 体重 | 78kg |
投打 | 右投右打 | 経歴 | 白鴎大足利高-東日本国際大 |
7位指名・藤田 悠太郎(ふじた・ゆうたろう)
福岡大大濠高で甲子園出場はなし。身長170センチと小柄ながら長打力に優れる捕手でスローイングも強い。また主将も務めておりキャプテンシーもある。スカウトによるとスローイングには特に光るものを感じており、素材型の捕手とのこと。
ポジション | 捕手 | 生年月日 | 2005年6月3日 |
身長 | 170cm | 体重 | 74kg |
投打 | 右投右打 | 経歴 | 福岡大大濠高 |
育成1位指名・大泉 周也(おおいずみ・しゅうや)
山形中央高時代に甲子園出場はなし。日本製鐵鹿島を経て2021年からBCに福島に加入した。身長175センチと小柄ながら今シーズンは61試合の出場で打率.349(215打数75安打)、16本塁打、52打点の成績でホームラン王に輝いた。
ポジション | 外野手 | 生年月日 | 1999年9月16日 |
身長 | 175cm | 体重 | 85kg |
投打 | 左投左打 | 経歴 | 山形中央高-日本製鐵鹿島-BC福島 |
育成2位指名・宮里 優吾(みやさと・ゆうわ)
岩倉高時代に甲子園出場はなし。東京農業大(東都大学野球連盟)では二部と三部で実戦を積んできた。最速153キロのストレートが武器で決め球はフォーク。パワー系の中継ぎ投手としての期待がかかる。
ポジション | 投手 | 生年月日 | 2001年9月27日 |
身長 | 181cm | 体重 | 90kg |
投打 | 右投右打 | 経歴 | 岩倉高-東京農業大 |
育成3位指名・佐倉 俠史朗(さくら・きょうしろう)
九州国際大付高では2年春・夏、3年夏と3度甲子園に出場。6試合に出場しホームランはなく打率.261(23打数6安打)の成績だった。高校通算31本塁打のスラッガーで広角に打つこともできるのが強み。184センチ、103キロと体格にも恵まれている。
ポジション | 内野手 | 生年月日 | 2005年11月3日 |
身長 | 184cm | 体重 | 103kg |
投打 | 右投左打 | 経歴 | 九州国際大付高 |
育成4位指名・中澤 恒貴(なかざわ・こうき)
八戸学院光星高では2年夏・3年夏と2度の甲子園出場。2年時から「3番・ショート」で出場し合計5試合で打率.286(21打数6安打)の成績を残した。180センチ、80キロと体格には恵まれており長打力が魅力の「打てるショート」。
ポジション | 内野手 | 生年月日 | 2005年7月3日 |
身長 | 180cm | 体重 | 80kg |
投打 | 右投右打 | 経歴 | 八戸学院光星高 |
育成5位指名・星野 恒太朗(ほしの・こうたろう)
ダイエー、ソフトバンクで活躍した星野順治氏の長男。福岡大大濠高時代に甲子園出場はなし。駒沢大(東都大学野球連盟)進学後も登板機会は少なかった。スカウトによると150キロのストレートと落差のあるスプリットが武器とのこと。
ポジション | 投手 | 生年月日 | 2001年10月24日 |
身長 | 180cm | 体重 | 83kg |
投打 | 投手 | 経歴 | 福岡大大濠高-駒沢大 |
育成6位指名・藤原 大翔(ふじわら・はると)
飯塚高時代に甲子園出場はなし。最速149キロのストレートに加えてスライダー、フォーク、カーブなどの変化球を操る。スカウトによると身体のバネがあり身体能力が高く伸びしろ十分の素材型とのこと。
ポジション | 投手 | 生年月日 | 2005年12月26日 |
身長 | 178cm | 体重 | 72kg |
投打 | 右投右打 | 経歴 | 飯塚高 |
育成7位指名・藤田 淳平(ふじた・じゅんぺい)
川島高時代に甲子園出場はなし。東亜大(中国地区六大学野球連盟)に進学し4年時(2022年)にプロ志望届を提出するも指名漏れとなった。今年は四国IL徳島でプレーし19試合の登板で5勝3敗、防御率1.51。最速148キロのストレートを武器とし65回3分の2を投げ75奪三振と三振を奪う力に溢れている。
ポジション | 投手 | 生年月日 | 2000年5月14日 |
身長 | 183cm | 体重 | 92kg |
投打 | 左投左打 | 経歴 | 川島高-東亜大-四国IL徳島 |
育成8位指名・長水 啓眞(ながみず・けいしん)
京都国際高時代にチームは甲子園に出場するも自身は出場がなかった。ストレートの最速は140キロ台中盤。179センチ、65キロと身体の線が細く発展途上だが、体力強化ができれば楽しみな存在。
ポジション | 投手 | 生年月日 | 2005年6月8日 |
身長 | 179cm | 体重 | 65kg |
投打 | 左投左打 | 経歴 | 京都国際高 |
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