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【コラム】聖地での伝統の一戦、変身した阪神・大竹耕太郎の快進撃はどこまで続く、 Gキラー伊藤将司も復活|プロ野球

玉寄穂波
【コラム】聖地での伝統の一戦、変身した阪神・大竹耕太郎の快進撃はどこまで続く、 Gキラー伊藤将司も復活|プロ野球(C)産経新聞社
【プロ野球 コラム】阪神タイガースは、25日からの3連戦で読売ジャイアンツ(巨人)との伝統の一戦を戦う。報知新聞社・玉寄穂波に阪神の注目選手を挙げてもらった。
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負けない男がどこまで白星を積み重ねるか。敵陣での伝統の一戦は2勝1敗で勝ち越し。今回は聖地で巨人を迎える。

注目は2戦目26日に先発予定の大竹耕太郎。現役ドラフトでソフトバンクから阪神に移籍すると、移籍後初先発となった8日のヤクルト戦(甲子園)では6回無失点で1―0の試合を勝ちきった。前回19日の広島戦(甲子園)では7回途中に走者を残した形で降板となったが、6回2/3を投げ1失点としっかり試合を作った。他球団から阪神へ移籍した日本人投手で初登板から2戦2勝した選手は03年伊良部秀輝のみで、左腕では初めての偉業だった。

巨人戦は公式戦では自身初先発となり「(巨人は)小技を使ってくる選手と、長打を打つ選手がいいバランスでいる。マウンドに立ったら、(相手が)誰だろうが投げる意識は僕の中では変わらない。一人一人抑えたら大量失点にもならない」と気を引き締めた。3連勝で伊良部越えとなるか。

2020年以来白星から遠ざかっていた左腕は、新天地で「新しい自分」と向き合えた。ソフトバンク時代は2軍で発揮していた力を1軍で発揮することができず、悩み続けた。大きな原因はメンタル面。「打たれたら2軍に落とされる」「1点もやれない」「バッターに打たせられない」。マウンドで一杯一杯だったという。初先発予定だった5日の広島戦(マツダ)の前日に西勇輝からご飯に誘われた。大竹は「登板前日に外食は行かないです」と言うと「2軍戦なら行くやろ?そういうところやで」と指摘された。1軍でも余裕を持って臨むことが大切だと気づかされた。

移籍後初先発の前夜にはYouTubeでメンタルの参考の動画を検索していると、パドレス・ダルビッシュ有の動画にたどり着き、「ネガティブなことを受け流すのは技術」などの言葉に背中を押された。打線が得点力不足に悩むなか、登板時の援護点は1点や3点と僅差が多い。それでも「別にここで1本ホームラン打たれても同点じゃん、それぐらいの点をあげてもいいやぐらいの感覚で投げると、ボール、ボールじゃなくてしっかりゾーンで勝負できる」と攻めの投球ができていると大きな自信につながっている。

人間観察が好きという左腕は、1年間ローテをまわり続けている青柳や西勇の行動や練習をよく観察している。そこで気になったことは積極的に質問し成長につなげている。新星左腕が巨人打線の前に立ちはだかる。

もう一人の左腕にも注目だ。3戦目・27日は左肩の違和感から復帰した伊藤将が今季初先発する。チーム屈指のGキラーは昨季は2試合連続完封するなど3戦3勝、防御率0.38と手玉に取ってきた。「今年はまた巨人打線も違っていると思うので、去年を忘れて自分のピッチングをできたらいいかなと思う」と冷静に登板日を見据えた。

今年は開幕ローテ当確が決まっていたが、3月10日の練習後に左肩の違和感を訴えた。首脳陣は開幕直前まで状態の回復を待ったが、間に合うことができずファームスタートとなった。順調にリハビリを重ね、4月8日のウエスタン・リーグのオリックス戦(鳴尾浜)で実戦復帰すると、計2試合で8イニングを投げ3失点。西純が不調で降格となったため、左腕に先発のチャンスが回ってきた。

21年9月1日の中日戦から22年9月まで甲子園で10連勝中。球団では1979、80年の小林繁以来5人目で、左腕では初の快挙だった。連勝記録にも期待がかかるなか、「1軍に上がってきたからには結果を出そうと思っています」とやる気は十分だ。

カード初戦は登板3試合でクオリティースタート(6回自責点3以下)を達成している西勇が先発。セ・リーグトップのチーム打撃を誇る巨人打線の前に3人が立ちはだかる。

文・玉寄穂波(スポーツ報知)
1993年11月12日生まれ。29歳。大阪府和泉市出身。2016年に報知新聞社に入社。巨人担当、遊軍を経て2023年から阪神担当。

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