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【コラム】“タワーマン”横川凱、2度育成落ちの5年目左腕が伝統の一戦初勝利へ 26日から甲子園で阪神3連戦|プロ野球

【コラム】“タワーマン”横川凱、2度育成落ちの5年目左腕が伝統の一戦初勝利へ 26日から甲子園で阪神3連戦|プロ野球(C)産経新聞社
【プロ野球 コラム】読売ジャイアンツ(巨人)は26日からの3連戦で阪神タイガースとの伝統の一戦を迎える。報知新聞社・小島和之記者に注目選手を挙げてもらった。
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巨人は26日から阪神との3連戦(甲子園)に臨む。伝統の一戦の初戦を託された横川凱投手(22)の投球に注目だ。18年ドラフト4位で巨人に入団。20年11月8日のヤクルト戦(東京ドーム)では、1軍初先発ながら5回1失点と好投したが勝ち負けは付かなかった。その後は2度の育成落ちと苦しんできた。

しかしプロ5年目の今季、新フォームを武器に急成長を見せた。昨秋からグラブを持った右手を高く掲げて、投げ下ろすような投球フォームに挑戦。190センチの長身を生かすための投法によって課題としてきた直球は角度と球威が増した。支配下復帰をつかむと、その勢いのままオープン戦では3試合に先発し、15イニングでわずか1失点。防御率0・60と抜群の安定感を見せ、開幕ローテ入りをつかんだ。

開幕から2連敗と苦しんだが、4月23日のヤクルト戦(神宮)では5回5安打2失点と試合を作ってプロ初勝利。そのわずか5日後にはリリーフ登板で2勝をつかみ、今月18日のヤクルト戦(神宮)では自己最長タイの6回を2安打1失点で3勝目を挙げた。7登板で3勝2敗、防御率2・80と安定した投球で開幕からローテーションを守る中で、新フォームにも手応えを深めつつある。それでも「まだまだ、もっともっと求めていかないとダメだと思うので、引き続き練習しながらやっていきたい」と語る貪欲さが成長を支えている。

18日の前回登板、ヤクルト戦は横川の魅力が詰まった1戦だった。左腕のプロ1年目からの歩みを知る杉内3軍投手チーフコーチが「器用な投手」と表する投球術が生きた。新フォームで直球が威力を増したことにより、横川自身も「それ(相乗効果)はもちろんある」と器用に投げ分ける変化球がより生きる好循環を実感。92球のうち直球は40%。変化球はカーブが9%、スライダーは21%、フォークが14%、カットボールが16%とバランス良く織り交ぜて、リーグ連覇中のヤクルト打線を手玉に取った。

阪神とは今季2度目の対戦。初対戦となった4月13日の登板では、2本のソロに自身の暴投などが絡んで5回6安打4失点で黒星を喫した。首位を走る猛虎打線はここまでリーグ2位の打率2割5分4厘で同トップの180得点、同2位の23盗塁と機動力も兼ね備える。チーム防御率も同トップの2・74と安定しているだけに、先発投手がロースコアで試合を作ることが勝利の鍵を握るだろう。横川は「首位、阪神との大切な3連戦の頭の試合に、チームにいい流れを持ってこられるような投球ができるように頑張ります」と意気込んだ。

甲子園とは浅からぬ縁がある。18年に“最強世代”と呼ばれた大阪桐蔭のメンバーとして甲子園春夏連覇を達成。自身は17年春、18年春夏の計4試合に登板した思い出の地だ。当時のチームメートだった中日・根尾、日本ハム・柿木の両投手よりも先に初勝利をつかむなど、勢いに乗った状態で凱旋(がいせん)登板に臨む。

25日は東京ドームで短距離ダッシュ、キャッチボールなどを行って最終調整した。同期入団の戸郷は24日のDeNA戦(東京ドーム)で自身2度目の完封勝利をマーク。過去には「戸郷がいいピッチングをしたら、自分も負けたくないなと思いますし、そこは刺激をもらっています」と語っていただけに、戸郷に続く好投が期待される。原監督が命名した「タワーマン」は、敵地のマウンドでどんな投球を見せてくれるだろうか。

文・小島和之(スポーツ報知)

1990年6月21日生まれ。32歳。千葉県松戸市出身。市船橋高から法大を経て、2013年報知新聞社に入社。文化社会部を経て16年に読売ジャイアンツ担当。その後、西武、日本ハム、ヤクルトを担当し、昨季からジャイアンツ担当。投手を中心に取材中。

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