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【コラム】山本由伸が甲子園で初先発 オリックスのエースが目指すものは…|プロ野球

【コラム】山本由伸が甲子園で初先発 オリックスのエースが目指すものは…|プロ野球(C)球団提供
【プロ野球 コラム】オリックス・バファローズは、6月13日からの3連戦で阪神タイガースと対戦する。報知新聞社・長田亨記者に注目選手を挙げてもらった。
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オリックスの交流戦は残り6試合となった。ここまで6勝6敗で4位タイ。しかし、1位のDeNA、巨人とは1ゲーム差で、2年ぶり3度目の優勝も十分に狙える位置につけている。13日から敵地でセ・リーグ首位の阪神と3連戦。初戦に先発する山本由伸投手(24)は気合十分だ。

「セ・リーグの各チームに『色』があると感じています。初対戦ということはありますけど、自分の投球をしっかりすることに変わりはありません。しっかりとデータを取って参考にして、早めに特徴をつかめるように。(捕手の)若月さんやいろんな方の力も借りて、全力で1人1人抑えにいきたいと思います」。

甲子園球場のマウンドは18年に経験。当時は勝ち試合のリリーフとして、2試合で計2回を無安打無失点に抑えている。昨年は6月11日に本拠地・京セラドーム大阪で先発。8回を2失点(自責1)と好投したが、悔しい思いを味わった。2点をリードし、7回まで97球で無失点。完封勝利が見えてきた8回2死一塁から佐藤輝に同点三塁打を許し、さらにバッテリーエラーによって勝ち越し点を与えた。自身に黒星は付かなかったが、チームが延長11回で敗戦。先発として初登板となる甲子園で雪辱を期すことにもなる。

3月のWBCで侍ジャパンの世界一奪還に貢献し、7年目のシーズンを迎えている。「投手として、今までで一番いい成績を出したい。僕たちにしかできない3連覇を成し遂げたい」。新たに取り入れ、磨きをかけているのが左足をすり足気味に踏み出すフォーム。開幕から4試合で2勝2敗のスタートだったが、5月以降は4試合で3勝無敗と本来の姿が戻ってきた。

発熱を伴う体調不良で一時離脱したものの、5月30日に交流戦の開幕投手として1軍復帰。広島打線を相手に、今季最長となる8回を無失点で4勝目を挙げた。「絶対に勝つ、という気持ちで準備をしてきました」と有言実行の快投。中6日で向かった6月6日の巨人戦でも、8回を1失点で自身4連勝を飾った。

今年の交流戦はともに京セラドーム大阪で登板。今回は「野手」としての出番もある。「もともと、小学生の頃から大好きです」と明かす打撃は通算8打席で7打数無安打(犠打1)。ここ数年は「打ちたいですね」とプロ初安打にも色気を見せてきた。ともに先発の柱を担う宮城大弥投手(21)は、6月4日の中日戦(バンテリンドーム)で左前適時打を放ち、完封勝利とともにプロ初打点を記録。先輩もそろそろ「一本」を出したいところだ。

本業で投げ合う阪神・村上にも「成績が示しているように、いい投手であることは間違いないので」と敬意を払った。8試合で5勝2敗、防御率1.82に対し、同学年の右腕も9試合で5勝2敗、防御率1.83とほぼ一緒。投手戦が予想されるだろう。それでも21年は3戦3勝で交流戦MVPを受賞。広島、巨人と2試合連続で8回を投げ切っており、今季初完投、初完封にも期待がかかる。

エースを援護したい打線では、紅林弘太郎内野手(21)が交流戦打率5位の3割9分4厘。打撃覚醒中の頓宮裕真捕手(26)も頼もしい存在になった。パ・リーグ唯一の3割打者(3割4分9厘)で首位打者を快走。11日のDeNA戦(京セラドーム大阪)では1試合2発を放った。育成出身の新人・茶野篤政外野手(23)に加え、森友哉捕手(27)も交流戦3本塁打の勝負強さ。チームは2カード連続で負け越しているが、まずは先手必勝で流れをつかみたい。

「ファンの方も盛り上がってくださるので」と背番号18も実感している関西ダービー。初戦で力投し、順当なら2戦目以降の先発が予想されるルーキー・曽谷龍平投手(22)や山岡泰輔投手(27)にバトンを渡すのが理想だ。一昨年は12勝5敗1分けで制した交流戦。投打で果敢に挑む。

文・長田亨(スポーツ報知)

1981年4月11日生まれ。42歳。2004年に報知新聞社入社。ソフトバンク、阪神、DeNAなどを経て、22年からオリックス担当。

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