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【インタビュー】“死のロード”は阪神のメリットに、勝負の9月に向けて灼熱の8月決戦を展望|プロ野球

【インタビュー】“死のロード”は阪神のメリットに、勝負の9月に向けて灼熱の8月決戦を展望|プロ野球(C)産経新聞社
【プロ野球 インタビュー】DAZNで解説を務める秦真司氏にセ・リーグ前半戦の振り返りと後半戦の展望を語ってもらった。
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オールスターブレイクを終えて、パ・リーグの後半戦が7月22日から始まった。18年ぶりのリーグ制覇を目指す阪神タイガースが、首位ターンを決めた。
後半戦注目はなんといっても8月に迎える「死のロード」。阪神は灼熱の8月決戦を勝ち切ることができるのだろうか。DAZNで解説を務める秦真司氏に後半戦の展望を語ってもらった。

※インタビューは7月18日に実施

8月は主力を休ませながら新戦力台頭に期待

──オールスターが終わるといよいよ後半戦が始まります。リーグ優勝に向けて大事な8月9月を迎えますが、セ・リーグはどのような戦いになるでしょうか?

長いシーズンを考えると、1番の勝負どころは9月です。8月までは勝率5割でも大丈夫で、勝負の9月でしっかり勝てるように準備をする。8月は暑さもありますし、主力の疲れが見え始める時期。そこで若手や、二軍で活躍している選手にチャンスを与え、主力を休ませつつ勝負の9月に戦える陣容を揃える。それができたチームが、9月で一気に勝ち星を積み上げていくでしょう。

──勝負の9月に向けて、8月までは若手にチャンスを与えられる時期?

特に投手は何人いてもいい。若くて活きのいい選手にチャンスを与える感覚で、ショートイニングでも投げさせる。時には先発をさせることで、9月からの戦いで必要な戦力に無理をさせない。そういうマネジメントをするチームが出てくるでしょう。9月に勝負をかけるための準備を8月にする。

例えば二軍でも先発、中継ぎ、抑えの役割を担っている投手がいるので、彼らに一軍でチャンスを与える。そうしながら勝ち星を拾えたチームは、選手の成長やチームの底上げをしながら結果も残しているので勢いがついてくるでしょう。オールスターブレイク後の1カ月半くらいは、そういった起用も出てくると思うので、見どころだと思います。

──夏の暑い時期をどう乗り越えるかが優勝に向けた大事なポイントになりそうですね

特に投手は夏場の登板がきつい。ベテランになってくると回復も遅くなりますし、さらに暑さでいつも以上にしんどいです。なので、ここで思い切って若手を起用できるか。若い選手であれば、回復力もありますし、高校時代は暑い時期にプレーしていたわけですから、ベテランよりも慣れがある。9月に向けた8月の使い方は非常に大事で、戦力になる若手の見極めをしつつ、主力を休ませることをしていかないといけないでしょう。

死のロードは阪神のメリットに?

──首位に立つ阪神ですが、8月は「死のロード」があります。ここでの戦いも優勝争いに大きく左右するのでは?

阪神も他のチームと同じで、まずはこの8月を最低5割で切り抜ける。それができれば優勝の可能性はかなり高くなると思います。そのなかで1つのポイントは死のロード。ホームで試合ができないので、野手は練習の時間が取りにくく、普段と比べると体調管理も難しくなります。

ただ暑い甲子園で試合をしなくていいというメリットもあります。ここ数年は、京セラドームで試合をすることが増えていて、屋外球場が多いセ・リーグのなかで、1番暑い時期に屋内で試合ができることはかなりの利点です。また、京セラドームであれば家からでも通えるので大きいですね。

──阪神を追いかける広島やDeNAの展望はいかがでしょう?

シーズン序盤はDeNAが優勝すると思っていましたが、ここにきて広島も調子を上げているので、かなり混戦になると思います。そこで大事になるのが、いかに下位チームから取りこぼさないか。ヤクルトも攻撃力が上がってくると怖いチームですし、中日は投手力がいいので点が取れれば侮れない。

7月の後半から8月は、ヤクルトや中日も巻き返しを図ってくるはずなので、そこでしっかりと勝てるかどうか。また、優勝の必要条件はお得意様チームを作ること。対戦成績がいい相手からは徹底的に貯金を作ることが大事です。

──今年は9月にペナントが終わる日程となっています。例年よりも勝負をかけるタイミングが早くなるのでは?

それでも9月にスパートをかけることは変わらないでしょう。5ゲーム差であれば9月の1カ月で逆転可能です。なので、5ゲーム以内に抑えて9月を迎えられたら優勝のチャンスはあります。今年は突出したチームがいないので、大混戦で勝負の9月を迎えると思っています。近年稀に見るヒリヒリした試合が続きそうで、見る方たちにとっては面白いシーズンになっていますね。

インタビュー= 川嶋正隆

1986年5月9日生まれ、福岡県福岡市出身。大学卒業後に携帯サイト『超ワールドサッカー』でライター兼編集者として勤務。2018年からフリーライターとしての活動を開始し、2020年からは念願かなってDAZN NEWSでプロ野球を担当している。

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