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【インタビュー】18年ぶりの『A.R.E』達成の阪神に挑む、積極性の広島vs優勝してもおかしくなかった戦力のDeNA セ・リーグのCSを指揮者が展望|プロ野球

【インタビュー】18年ぶりの『A.R.E』達成の阪神に挑む、積極性の広島vs優勝してもおかしくなかった戦力のDeNA セ・リーグのCSを指揮者が展望|プロ野球(C)産経新聞社
【プロ野球 インタビュー】DAZNで解説を務める秦真司氏に、セ・リーグのクライマックスシリーズを展望してもらった。
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10月14日から『2023 JERA クライマックスシリーズ セ』が開幕する。ファーストステージでは、セ・リーグ2位の広島東洋カープと同3位の横浜DeNAベイスターズが対戦。勝ち上がったチームが、セ・リーグ優勝の阪神タイガースとファイナルステージで戦う。

DAZNで解説を務める秦真司氏に、『2023 JERA クライマックスシリーズ セ』を展望してもらった。

広島躍進の要因は「失敗を恐れない積極性」にあり

20231014-NPB-KURIBAYASHI(C)産経新聞社

広島は、今年のペナントレースのなかで最も意外なチームでした。いい意味で予想を裏切り、想像をはるかに上回る結果を残したと思います。その要因はいくつかありますが、一番大きいのは監督や首脳陣が変わったことで、チームの雰囲気がよくなったことだと思います。個人の能力よりも、チームとしての戦い方を意識するようになりました。

その代表例が積極的な機動力です。新井貴浩監督は、選手たちに失敗を恐れずに積極的にプレーする考えを浸透させました。そういう雰囲気だと選手ものびのびとプレーができますし、能力の開花につながる。その結果、広島のチーム盗塁数78は、阪神の79に迫るセ・リーグ2位です。積極的に盗塁を仕掛けたり、次の塁を狙ったりすることで投手は相当なプレッシャーを感じます。そうやって『チームで戦う』集団になった印象です。

積極性は打席のなかでも見られ、野手はファーストストライクから振ってくる。積極性と失敗を恐れない雰囲気がすごくマッチしたと思います。その空気感の中で、小園海斗はこの一年で飛躍的に成長しました。

若手が成長しやすい環境は、ベテランにも刺激を与えたように思います。堂林翔太は、ここ数年の成績を考えると衰えが出てきたように思っていましたが、今年は復活を印象付ける活躍を見せています。新井監督が作り出した雰囲気が、チーム全体を活性化させました。

その新井監督は、投手陣についても素晴らしい采配を見せました。侍ジャパンの抑えも務めた栗林良吏が、開幕から不調や右内転筋筋挫傷での離脱などコンディションが上がりませんでした。そこに現れたのが矢崎拓也です。矢崎はスピードボールと空振りが取れる縦変化のボールを投げられます。さらに先発で回るより、短いイニングを全力で投げさせた方が力を発揮できるタイプ。首脳陣の考えも合致して抑えを任され、しっかりと結果を残しました。

栗林の代役はなかなかいないと思いますが、そのなかで最適解を見つけた。もちろん矢崎自身も素晴らしい活躍を見せたのですが、そこを判断した新井監督含め首脳陣の采配は素晴らしいと思います。

栗林が戻ってきてからの判断もよかった。矢崎にとってもポジションを奪われたくない思いがあったはずですし、栗林自身も早く戻りたいけど調整も必要でした。そこで首脳陣は栗林を中継ぎで起用して、ここぞとのタイミングで守護神に戻しました。そういう配慮や選手の状態を見極めた判断が素晴らしかったと思います。

DeNAのチーム成績を見れば「優勝していてもおかしくない成績」

20231014-NPB-DeNA(C)産経新聞社

一方で予想していたよりも残念な結果になってしまったのがDeNAです。投手陣が揃ってきて、野手の個人能力も高い。優勝した阪神や2位の広島と比べても劣っているところはない陣容だったと思います。選手層だけは不安材料でしたが、それでも優勝争いができる戦力が揃っていると思っていたので、ここまで離されたことに驚きました。

振り返ると外国人はオースティンとソトが全く機能していなかった。本来であれば30本が計算できるバッターなので、外国人の調整は失敗。一方で関根大気や桑原将志など中堅の選手が伸びてきた年でもありました。若手ではキャッチャーの山本祐大も成長しました。野手の成長を感じる一方で、それが得点力につながっていません。それは広島と真逆で、チーム力ではなく個人能力で戦うチームだったからだと思います。

シーズンの前半は、右方向への打球や進塁打などチームバッティングをしているイメージでしたが、後半はノーアウトランナー一塁で、進めることができずにスリーアウトになるシーンがとても多かった。防げるミスが1試合で何個も出てきています。その緻密さがDeNAには欠けていた印象です。昔のような打つだけのチームに戻ってしまったなと。

桑原は足も使える選手ですが、スチールすることもなく、エンドランすることもなく、セーフティもなく、右打ちもしない。凡打を繰り返してランナーを進められない。選手の考え方は、チームの考え方が浸透したものだと思うので、今季の戦い方についてはチームの考え方が甘かったんだと思います。

投手に関してはチーム防御率3.16はいい成績です。四球数はセ・リーグ2位、失点数もセ・リーグ2位で好成績でした。打者も三振数は最も少ない。バットコントロールがあるのだから、エンドランを仕掛けられるケースはかなりあると思います。それでランナーを進めるバッティングができていないとなると、優勝争いは難しいでしょう。接戦をものにしたり、緻密な野球で1点をもぎ取るような姿勢が見えれば、この数字なら優勝争いしてもいい成績だと思います。

クライマックスシリーズを勝ち上がるのは?

20231014-NPB-tigers(C)産経新聞社

ペナントとクライマックスシリーズは全くの別物です。ファイナルステージで待ち構える阪神ですが、あまりにも早く優勝が決まってしまったため、緊張感のある戦いから遠ざかっている点はデメリットと言えるでしょう。

一方で広島とDeNAは最後までクライマックスシリーズを争う戦いがありましたし、ファーストステージでは負けたら終わりの勝負をします。そこで勝つことで、チームに勢いが出てくるでしょう。また負けて元々の捨て身で臨まれると、上にいるチームにとっては怖いはずです。

しかし今季の阪神は投手力と守備力、そして機動力を使って勝ち進んできたチームです。であれば、ペナントレースでもクライマックスシリーズでも日本シリーズでも戦い方は大きく変わらないと思います。普段通りレギュラーシーズン通りに戦えるかと緊張を力に変えれるかどうかの2点だと思います。

ファイナルステージは甲子園で行われますが、阪神にとってメリットしかない。他球場にはない雰囲気を甲子園のファンは作ってくれますし、それを覆さないといけない下位のチームにとっては厳しい状況です。

そこを踏まえて、どこが相手でも阪神が勝ち切ると思います。順当に阪神が勝つでしょう。それだけ今年は圧倒的な強さでした。

インタビュー= 川嶋正隆

1986年5月9日生まれ、福岡県福岡市出身。大学卒業後に携帯サイト『超ワールドサッカー』でライター兼編集者として勤務。2018年からフリーライターとしての活動を開始し、2020年からは念願かなってDAZN NEWSでプロ野球を担当している。

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