選手紹介
プロ入り前
愛知県豊田市出身。小学校2年生で野球を始めた堂林翔太は、投手や遊撃手として活躍してきた。2007年に中京大中京高へと進学すると、1年生春から投手としてベンチ入りを果たし、1年秋からは打力を買われて一塁手としてレギュラーを掴んだ。
2年生の秋からは、再び投手として出場。エースで4番を任されると、東海大会を全4試合完投する圧巻の投球を見せて第81回選抜高等学校野球大会への切符を手にした。本大会では準々決勝で報徳学園に敗れてベスト8となるが、投手としては神村学園戦で9回5安打1失点完投勝利、打者としては打率.584、4打点をマークするなど投打で結果を残した。
集大成となる第91回全国高等学校野球選手権大会も、エース・4番としてチームを牽引して勝ち進むと、決勝の日本文理高戦で先発を務めた。しかし、2-2の同点で迎えた6回に、無死一、二塁のピンチを招いて途中降板。マウンドを森本隼平に譲り、自身は右翼に回る。
その後は森本がなんとか凌ぎ、6回裏に6点を追加した中京大中京高がリード。10−4と点差をつけた9回には、堂林が志願して再びマウンドに戻る。ところが2死から日本文理高の粘りにより2点を失い、再びマウンドを降りた。
その後は1点差まで詰め寄られながらも、なんとか逃げ切った中京大中京高が夏の甲子園優勝を成し遂げる。しかし「最後まで投げたかった…」と振り返る堂林にとっては悔いが残る大会となった。
それでも打撃ではチームに貢献した堂林。打率.522、12打点の成績を残し、決勝の日本文理高戦では先制となる2ラン本塁打を放つなど勝負強さを見せた。プロのスカウトからも打撃力を買われ、2009年のプロ野球ドラフト会議では広島東洋カープから2巡目に内野手として指名された。
プロ入り後
三塁手のレギュラーとして育てるという球団の考えのもと、堂林はプロ1年目の2010年から2011年の2シーズンに野手としての経験を積むため二軍でプレーした。3年目となった2012シーズンは開幕から一軍に帯同すると、3月30日に行われた中日ドラゴンズ戦で7番・三塁手としてスタメンで一軍デビュー。この試合で初安打も記録した。
さらに、4月24日の阪神タイガース戦では、夏の甲子園決勝以来3年ぶりに甲子園球場に帰還。思い出の地で行われた一戦では、ランディ・メッセンジャーからプロ初となるソロ本塁打を放った。結局このシーズンは、全試合に出場し、118安打、14本塁打、45打点、打率.242の成績を残している。
飛躍が期待される2013シーズンだったが、開幕後から打撃不振に陥った。さらに8月20日の中日戦で受けた死球の影響で、左手第3中手骨を骨折。このシーズンは105試合の出場にとどまり、打率.217と苦しいシーズンとなった。
2014シーズンは、前年の成績不振が響く形となってしまう。堂林が不在の間に木村昇吾が三塁のポジションに定着。これにより外野や一塁手にも取り組み始めた堂林だが、打撃不振はこのシーズンも続き、93試合の出場に留まった。その後も年々一軍での出場機会は減っていき、2019シーズンには過去最低となる28試合の出場に終わる。
しかし背水の陣で迎えた2020シーズン、佐々岡真司新監督の下で出場機会を得ると開幕戦となった6月19日の横浜DeNAベイスターズ戦で7番・一塁として6年ぶりに開幕スタメン出場を果たした。20日の同試合では4安打を放つと、25日の読売ジャイアンツ戦では1121日ぶりとなる本塁打を記録。近年の不調やケガの影響を微塵も感じさせない活躍ぶりを見せ、111試合の出場で打点(58)、盗塁(17)の2部門でキャリア敗の成績を残した。
プレースタイル
高校時代は、懐が深くバットコントロールに定評があり、柔らかい打撃が高く評価されていた中距離バッター。広角に打ち分けられる技術を持つ。またプロ入り後には、右打者ながらも右方向へ鋭く伸びる打球を放てるなど長打力が向上した。
走塁は入団時に50メートル6秒2を記録し、2013シーズンには自己最多となる10盗塁を達成した。守備についてはプロ入り後に一塁、三塁、外野手に挑戦。しかし2012シーズンには、三塁手として両リーグワーストとなる29失策を記録するなどやや難がある。
なお堂林は、中京大中京高の3年生で夏の甲子園に優勝した際に「尾張のプリンス」と呼ばれるようになった。その後、広島に入団したことで現在は「鯉のプリンス」と呼ばれファンから大きく期待されている。
プロフィール・経歴
背番号 | 7 |
ポジション | 内野手 |
身長/体重 | 183cm/88kg |
生年月日 | 1991年8月17日 |
投打 | 右投右打 |
出身 | 愛知県 |
血液型 | A |
経歴 | 中京大中京(甲)─広島 |
ドラフト | 2009年ドラフト2位 |
年度別成績
※2021シーズン終了時点
年度 | 所属球団 | 試 合 | 打 席 | 打 数 | 得 点 | 安 打 | 二 塁 打 | 三 塁 打 | 本 塁 打 | 塁 打 | 打 点 | 盗 塁 | 盗 塁 刺 | 犠 打 | 犠 飛 | 四 球 | 死 球 | 三 振 | 併 殺 打 | 打率 | 長打率 | 出塁率 |
2012 | 広 島 | 144 | 554 | 488 | 60 | 118 | 25 | 4 | 14 | 193 | 45 | 5 | 2 | 5 | 3 | 44 | 14 | 150 | 8 | .242 | .395 | .321 |
2013 | 広 島 | 105 | 410 | 364 | 36 | 79 | 14 | 0 | 6 | 111 | 41 | 10 | 2 | 5 | 1 | 33 | 7 | 96 | 10 | .217 | .305 | .294 |
2014 | 広 島 | 93 | 330 | 284 | 37 | 70 | 12 | 1 | 8 | 108 | 28 | 1 | 1 | 5 | 3 | 32 | 6 | 87 | 3 | .246 | .380 | .332 |
2015 | 広 島 | 33 | 73 | 69 | 5 | 18 | 2 | 0 | 0 | 20 | 3 | 1 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | 16 | 1 | .261 | .290 | .292 |
2016 | 広 島 | 47 | 60 | 56 | 6 | 14 | 0 | 0 | 2 | 20 | 2 | 3 | 1 | 1 | 0 | 3 | 0 | 11 | 0 | .250 | .357 | .288 |
2017 | 広 島 | 44 | 54 | 46 | 4 | 10 | 1 | 0 | 1 | 14 | 11 | 0 | 0 | 0 | 3 | 5 | 0 | 13 | 0 | .217 | .304 | .278 |
2018 | 広 島 | 63 | 60 | 51 | 11 | 11 | 3 | 1 | 0 | 16 | 5 | 0 | 1 | 7 | 0 | 2 | 0 | 14 | 1 | .216 | .314 | .245 |
2019 | 広 島 | 28 | 38 | 34 | 1 | 7 | 0 | 1 | 0 | 9 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 9 | 0 | .206 | .265 | .250 |
2020 | 広 島 | 111 | 451 | 401 | 55 | 112 | 21 | 0 | 14 | 175 | 58 | 17 | 4 | 3 | 2 | 41 | 4 | 91 | 12 | .279 | .436 | .350 |
2021 | 広 島 | 70 | 143 | 137 | 12 | 26 | 6 | 0 | 0 | 32 | 5 | 2 | 1 | 2 | 0 | 3 | 1 | 34 | 4 | .190 | .234 | .213 |
通算成績
※2021シーズン終了時点
試合 | 打席 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 塁打 | 打点 | 盗塁 | 盗塁刺 | 犠打 | 犠飛 | 四球 | 死球 | 三振 | 併殺打 | 打率 | 長打率 | 出塁率 |
738 | 2173 | 1930 | 227 | 465 | 84 | 7 | 45 | 698 | 200 | 39 | 12 | 31 | 12 | 168 | 32 | 521 | 39 | .241 | .362 | .310 |
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