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明治安田J1リーグ

【コラム】予想を上回るスピードで成長中。名古屋グランパスのDF成瀬竣平が挑む今後を占う一戦

斎藤孝一
【コラム】予想を上回るスピードで成長中。名古屋グランパスのDF成瀬竣平が挑む今後を占う一戦DAZN
【国内サッカー・ライターコラム】5位と上位に位置する名古屋グランパスは今節、7位の浦和レッズと対戦する。リーグ最少失点を誇るチームで右サイドを奔走する成長株・成瀬竣平にとって、浦和戦は自身の成長を証明する試合となる。
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右サイドバックに抜擢された19歳

前節、今季公式戦初黒星を喫した名古屋グランパス。チャンスの数では柏レイソルを大きく上回るなど、内容的には圧倒していたものの、相手エースの一発に沈んだ。しかし、去年の夏は引き分けることにも汲々としていただけに、チームの熟成度には目を見張るものがある。

去年の名古屋は、スタートダッシュに成功し序盤は上位につけていたが、主力に負傷者が出てからはひどく苦しんだ。転機となったのは、JリーグYBCルヴァンカップを挟んだ明治安田生命J1リーグ第13節の松本山雅FC戦。エースのFWジョーを負傷で欠き、相手を押し込みながらも0-1で敗れてからチームの歯車が一気に狂い始め、その後はシーズン終了までわずか2勝しか上げられなかった。

今年も負傷者の続出、押し込みながらの敗戦、カップ戦が間に入る連戦と、順番こそ違うが不思議に似たような構図にある。つまり今節・浦和戦レッズは、チームを立て直せるか、去年と同じように崩れていくか、分水嶺となる試合である。

名古屋が今季4勝2分1敗と安定した戦いを見せられているのは、リーグ最少失点タイ(5失点)の守備の堅さが大きな要因となっている。昨年秋に就任したマッシモ・フィッカデンティ監督は、まず守備のルール作りに着手。J1に生き残るための戦術として、それまでとは180度違う“引いて守る”意識をチームに植え付けた。監督自身がボールを手に持ち前後左右に動きながら、それに合わせてDFは体の向きやラインを合わせる。そんな基本的な練習を当初は繰り返していた。

その中で厳しく指導されていたのが、高卒ルーキーのDF成瀬竣平だった。もともと攻撃的な選手だった成瀬は、DFとしての体の向きが分からず、逐一監督に修正されていた。そして今季、レギュラー格のDF宮原和也とDF太田宏介がケガで出遅れる中、右SBに抜擢。というよりも言葉は悪いが他に選択肢がなかった。当然リーグ戦でも相手チームのターゲットになると思われた。

しかし、予想を上回るスピードで成瀬は成長している。ここまでリーグ戦とカップ戦を合わせて8試合に出場したが、大きく破綻した場面はない。DF中谷進之介とDF丸山祐市のカバーリングや安定感もあるが、1対1でも粘りを見せ、リーグ最少失点にかなりの強度で貢献している。

本人も「1対1で負けないこと、大事なところで守り切れているところは良くできていると思う」と手応えを感じ始めており、加えて周りの選手を動かしてコースを限定する“声のディフェンス”もうまく出来るようになってきた。そして、柏戦の前半終了間際のように、持ち前の攻撃力を活かして最前線に飛び出し、ゴールに迫るシーンも目に見えて増えている。

ライバルを追い越すために求められるさらなる成長

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「負けているとも思っていないですし、あいつにだけは絶対に負けたくないですね」

成瀬がそう言ってライバル視している選手がいる。オランダ・AZアルクマールに移籍したDF菅原由勢だ。二人はジュニアユース(名古屋グランパスU-15)から同期の間柄。ユースではプレミアリーグからの降格、そして昇格と一緒に艱難辛苦を味わった。

菅原が高校2年でトップデビューを果たした時、成瀬は「あいつは僕たち世代でトップを走ってきた選手。それなりのことをしてきたのでそこまで驚かなかった」とリスペクト。だがその分、“自分も出来るはず”という気持ちを抱いてきた。目標とする海外移籍も菅原に先を越されたが、「自分は今の立ち位置で結果を残すだけ。そうすれば、やがて海外からも認められる選手になれる」それが成瀬の青写真だ。

今節の浦和戦では成瀬のいる右サイドの攻防がカギを握る。対面する相手にはスピードとテクニックのあるMF汰木康也やJリーグでも屈指の左サイドバックDF山中亮輔がいる。それに加えてFWには2戦連続ゴール中のFWレオナルドと、高さのあるFW杉本健勇。一段と引き締まった守備をしなければ厳しい相手だ。成瀬としては、まず守備面でしっかり相手の自由を奪うこと。チャンスになれば高い位置を取って、積極的にゴールを目指していくことが求められる。

太田がケガから復帰し、DFオジェソクが加入、そしてコロナウイルスに罹患した宮原ももうすぐ帰ってくるだろう。名古屋のSBは実力や実績を持つライバルばかりだが、パリ世代の成瀬は「そういった選手が身近にいることは、自分の成長につながるのでポジティブに捉えている。負けないようにアピールして、いつでも自分が試合に出られるように頑張りたい」と、前と上だけを向いている。

週中のJリーグYBCルヴァンカップでも、負傷者の影響で主力の多くが出場せざるを得なかった名古屋。暑さと連戦、けが人という厳しい状況の中で戦う、オリジナル10のライバル浦和戦は、チームにとっても成瀬にとっても、今後を占う重要な一戦になるかもしれない。

文・斎藤孝一

1965年、愛知県生まれ。テレビカメラマン、ディレクターとして活動後、2017年にスポーツジャーナリストに転身。現在はサッカー新聞エルゴラッソで名古屋・岐阜を担当する他、専門誌などで連載執筆中。

明治安田生命J1リーグ第9節 放送予定

日時対戦カード会場放送予定
8月8日(土)18:00清水エスパルス vs 北海道コンサドーレ札幌アイスタDAZN
8月8日(土)18:00名古屋グランパス vs 浦和レッズ豊田スDAZN
8月8日(土)18:30鹿島アントラーズ vs サガン鳥栖カシマDAZN
8月8日(土)19:00川崎フロンターレ vs 大分トリニータ等々力DAZN
NHK BS1
8月8日(土)19:00横浜F・マリノス vs 柏レイソル日産スDAZN
8月8日(土)19:00ガンバ大阪 vs 横浜FCパナスタDAZN
8月8日(土)19:00ヴィッセル神戸 vs ベガルタ仙台ノエスタDAZN
8月9日(日)18:00サンフレッチェ広島 vs 湘南ベルマーレEスタDAZN
8月9日(日)19:00セレッソ大阪 vs FC東京ヤンマーDAZN

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