フロンターレ戦を制し、これで浦和レッズは3連勝。内容も伴った勝利だった。
試合後、この日1得点1アシストと大活躍を果たした伊藤敦樹は「(岩尾)憲くんだけじゃなく、デビ(モーベルグ)、(酒井)宏樹くんとは、ここ数試合で大分距離感を含めいい感じになっている」と振り返った。
酒井はこの日マルシーニョとマッチアップ。PSG戦ではあのキリアン・エンバペ相手には「ちょっとレベルが違う」と流石に脱帽していたが、この試合ではマルシーニョに自由を与えず、浦和に安定感をもたらしていた。
酒井の安定した後方支援があるから、モーベルグが心置きなく仕掛けられるのだろう。この日の1点目はモーベルグにとって逆足の右足から生まれた。
対峙した谷口彰悟は「左足への持ち替えを意識していたが、ポジションを取り直そうとしたら、ぽんと上げられてしまった」と、モーベルグから思い切りの良いクロスが上がり、そして「デビが仕掛けるのはわかっていた」と味方を信じて走り込んだ伊藤の先制点につながった。
その伊藤は先制点のシーンだけでなく、さらに2点目の松尾佑介へのアシストでも思い切りの良い高い位置取りでチームに推進力をもたらした。
その攻め上がりも、ボランチでコンビを組む岩尾が後方でもたらす安心感があってのもの。「今はいいバランスでできている。前に行くことが多いけど憲くんがバランスをとってくれているので、思い切って前に行くことができています」
酒井が安定しているからモーベルグが仕掛け、伊藤もモーベルグからのクロスを信じ、そして岩尾に背中を預けられるから思い切って飛び込んだ。松尾へのアシストも同様だ。互いへの信頼関係が良好な循環を生み出している。
この日2点目を決めた松尾は「最近、チームはかなり快適にプレーしている。ゴール前に入るシーンも増えている。これが得点が増えている、勢いが出ている要因」と話す。
リカルド・ロドリゲス監督は「今年は選手が大きく入れ替わって途中から新加入選手、全員が揃って練習する機会が少なかった」と振り返る。ただし今は「全員が同じイメージをしっかり共有できているのでそこが結果がつながっていると思う」とチームの連携強化に手応えを感じているようだ。
しっかりしたトレーニングにより、イメージ共有、役割整理が進んでいるのだろう。それにより信頼感が醸成され、思い切りの良さやエリア内への侵入増、ひいては得点増に繋がっている。この日負傷した酒井の怪我の具合こそ気になるものの、浦和の調子が上向いている理由の一端が垣間見れた試合だった。
文・大川佑
現『DAZN News』日本語版編集長。10代を英国で過ごした影響からサッカーの仕事を志す。帰国後、某サッカーサイトの立ち上げや様々な企画に携わったのち、『Goal.com』日本語版編集長(2016~2020年)。
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