間違いなく面白いシーズンになる確信がある
――長かったキャンプも終わり開幕が迫ってきました。今の心境を聞かせてください。
どのチームでも、開幕前というのは始まってみないとどうなるか分からない感じがありますけど、このチームでキャンプに取り組んできて、まだ1年目ですけど、すごく自信があるというか、今までの自分の中にはあまりない感覚があります。チームとしても個人としてもすごく手ごたえをつかめているので、『始まってみないと分からない』という感覚があまりないんですよね。
――良い意味で想像がつくということですか？
そうですね。練習試合もたくさんして、良い選手もそろっているとあらためて感じました。間違いなく面白いシーズンになる確信があります。
――どのような部分から手ごたえや面白さを感じていますか？
選手の中から、練習試合でも練習中も『強度』という言葉が出てくる。球際とかセカンドボールとか根本的な部分で勝てないとゲームを支配できないと思うけど、そこで上回れれば、このチームは間違いなくタイトルを争えるチームだと思っています。若くて良い選手、ベテランで経験のある選手とすごいメンバーがそろっている。そう考えると、面白いシーズンになる手ごたえはあります。
やっぱり挑戦したかった
(C)F.C.TOKYO
――では、少し時間を巻き戻して、FC東京への移籍を決断した理由を教えてください。
誰も知らないところでもう1回挑戦したかったからです。昨季は鳥栖でキャンプからやって、鳥栖のサッカーに順応できて試合にも絡めた。もちろん、鳥栖でもう1年、2年とやる考えもありましたけど、やっぱり挑戦したかった。サッカー選手としては若くない年齢になってきて、一番良いとき、体が動くときに自分の力が知られていないチームに行ってどのくらい通用するのかを自分が知りたかった。あとはタイトルを獲りたいから。まだ自分もタイトルを獲ったことなく、東京もリーグ優勝をしたことがないと聞いて、そこにやりがいを感じました。やっぱり、引退するまでにタイトルはほしい。それも一番はリーグ優勝。そう考えたときに獲ったことのあるチームに行くよりも、まだ獲ったことのないチームに行って獲ったほうが、価値があると思った。だから、東京に来ました。
――新潟、柏、鹿島、鳥栖と在籍しいろいろなサッカーを経験してきたと思います。プロ10年目の今季、どんなことを発揮したいですか？
本当にいろいろな経験をさせてもらいました。いろいろなチームでいろいろな選手に出会い、監督やスタッフにもお世話になりました。そのおかげでここまで成長できました。その中、今季はプロ10年目の節目ですけど、自分にとってはまだ挑戦が必要だと思っています。それが何かというと、やっぱりタイトルを獲る以外に考えられない。『東京が勝つために』。それしか考えていないです。本当にいろいろな経験をさせてもらいましたけど、今はこのチームにそのすべてを捧げたいと思っています。
――想像していたアルベルトーキョーと実際に感じたアルベルトーキョーのギャップはありましたか？
攻撃面は、練習メニューもある程度予想どおりで、イメージしていたとおりの感覚でした。ただ、守備面での強度や勝利へのこだわりは想像していたよりも強かったです。それを監督だけでなく、チームとして強く感じました。素直にそこはすごくいいなと思いましたね。
――そんなチームでどう貢献していきたいですか？
やっぱり自分の売りである強度です。さっきも言いましたけど、強度で勝てれば、本当にこのチームは間違いないと思いますから。ポジション的にもそこで違いを出さないと来た意味がないです。当たり前のように出していきたい。その上で、ゴールに絡む仕事は求められると思います。
――インサイドハーフのゴールやアシストが重要になってきますよね？
そうですね。インサイドハーフが点に絡み出すとチームとしてもラクでしょうし、上に行けると思います。そこは個人的に成長していかないといけないところだと思っています。
――強度やハードワークが売りの小泉選手の中でも攻撃面のこだわりや意識は増してきていますか？
昨季、鳥栖でプレーしていたときもそうですけど、もっともっと攻撃面で結果を残さないといけないとは思っていました。個人としてもう1個上のステージに行くためにも必要だと思っているので、しっかり意識して取り組んでいきたいです。
自分たちのサッカーを貫き通せるか
――開幕戦は浦和との一戦です。どんな印象やイメージがありますか？
ビルドアップやボールを持つことにこだわっているのかなと。選手も代わっているけど、良い選手はたくさんいると思います。ただ、相手ではなく、キャンプで自分たちがやってきたことを出せれば自然と結果は付いてくると思います。今季は相手を気にせず、どれだけ自分たちのサッカーができるかどうかにかかっていると思っているので。どれだけ90分を通じて自分たちのサッカーを貫き通せるか。そこを大事にしたいです。
――「自分たちのサッカー」という言葉はすごく危険な側面もあるなと思う一方で、今季のFC東京の選手たちから自信をもってその言葉を発している印象を受けます。
東京の選手たちから自信をもってその言葉を発している印象を受けます。沖縄と宮崎のキャンプで取り組んできたことや練習試合でつかんだ手ごたえはかなりあります。繰り返しになりますけど、強度の部分でさえ負けなければ、ボールを持って自然とゲームを支配できると思うしそれが結果につながると。それは僕だけでなくいろいろな選手が感じていると思うので、その姿勢はブラさないでやっていきたいです。
――その手ごたえや思いを披露する最初の90分に開幕戦はなります。小泉選手にとってFC東京デビューともなる一戦への意気込みを聞かせてください。
東京が勝つためだけにプレーしたいです。そのために自分の経験を最大限に生かしていければいい。長いシーズンでは良いときも悪いときもあると思いますけど、タイトル、優勝にこだわってやっていきます。
文・インタビュー 須賀大輔
1991年生まれ、埼玉県出身。学生時代にサッカー専門新聞『ELGOLAZO』でアルバイトとして経験を積み、2016年からフリーライターとして活動。ELGOLAZOでは柏レイソルと横浜FCの担当記者を経て、現在はFC東京と大宮アルディージャの担当記者を務めている。
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