世間がゴールデンウィークに突入し、2023シーズンの明治安田生命Jリーグも各地で盛り上がりを見せている。
DAZNのレギュラー番組『Jリーグジャッジリプレイ2023』#10では、SNSで話題となったレフェリングに関する事象をピックアップ。元国際審判員の家本政明氏に加えて、元日本代表FW永井雄一郎氏、同DF坪井慶介氏をゲストに迎え、注目の判定を徹底討論した。
同番組で最初に取り上げたのは、J1リーグ第10節の横浜F・マリノスvs名古屋グランパス戦。この試合は、Jリーグ史上初めて主審・副審の3人（山下良美主審、坊薗真琴副審、手代木直美副審）が女性だったことでも大きな注目を集めた。
ピックアップした事象は、前半12分に名古屋グランパスのFWマテウス・カストロがイエローカードを受けたシーン。山下主審は、直前のプレーでファウルを犯した横浜F・マリノスのDF松原健とコミュニケーションをはかっており、M・カストロはそのやりとりの隙を突いてボールを蹴り、ゴールを狙った。
現在、KONOSU CITY FOOTBALL CLUBで選手権監督を務めている永井氏は「あからさまにボールの位置も違うし、ゴールに向かって蹴っているのでクイックプレーだとみんなが思うはず」とコメント。「ただ、実際には（ファウルを犯した松原にカードが出なかったことに対する）異議と捉えられても仕方がないのかな。『おい！』という感じで蹴ったようにも見える」と見解を示した。
イエローカードを出すのが妥当なのか、それとも注意に留めるべきなのか──。坪井氏は「ルール上はイエローカードの対象かもしれないですけど、僕はなくても良かったんじゃないかなと思います」と“注意派”に。永井氏も「（イエローカードは）ちょっと厳しいかな」と語った。
家本氏は、今回のシーンを「主審による試合のマネージメントとコントロール」の観点から解説。名古屋グランパスの速攻になりかけたところでファウルを犯した松原に対して山下主審がカードを提示しなかった点については「時間帯も早かったので、いきなりカードを出すと試合の判定基準が厳しくなってしまう。そのためにマネージメントをしたのでは」と分析。また「試合のコントロールという意味合いでは、おかしい判断ではなかった。ただ、フットボールの魅力を高めるというマネージメントの観点では、もう少し違う手段はあったのかな」と私見を述べた。
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