アルベル体制2シーズン目を迎えるFC東京は、5勝4分5敗で10位という順位だが、第13節では川崎フロンターレとの多摩川クラシコを5シーズンぶりに制し、前節は5連勝で完全復活を遂げていた鹿島アントラーズを相手に1-1にドローに持ち込み、2試合負けなしをキープしている。
今回は、FC東京の攻撃面にフォーカス。林氏が「オーバーロード」という特長を持つアルベル・トーキョーの攻撃を解説した。
オーバーロードとは、通常では負荷のかかり過ぎている状態のことを指す言葉だが、サッカーでは、「密集させて同じところに多くの人数をかける」という意味を持つ。[4-3-3]を基本陣形に採用しているFC東京の場合は、左サイドにボールがある時に「(右サイドの)小泉選手や仲川選手がポジションに留まるのではなく、(ボールサイドに)寄って密集を作る」と鹿島戦の映像を用いながら特徴を解説した。
オーバーロードを採用する利点として林氏は、「密集を作ることで数的優位をたくさん作れる。そこからゴールに迫っていける」という点を指摘し、相手目線においても「誰がどこにつけばいいか分かりづらいので予測しづらい」という効果を解説した。
一方でこの戦術を採用するデメリットは、「ポジションバランスが悪くなるので、失った瞬間のカウンターはくらいやすい」と指摘。また、選手が流動的なポジションを取ることによって「チームとしての攻撃の再現性はない」と即興性の高い攻撃の弱点を指摘している。
またこのスタイルを採用していることによって「勝ったり、負けたりをしている中で、その試合でハマったら良いけど、ハマらなかったらうまくいかない」と不安定な戦いぶりに繋がっている要因を指摘した。
就任2年目を迎えるアルベル監督は、スペイン人でFCバルセロナでの指導歴のある指揮官だが、「ポジショナルプレーやポゼッションで後ろから繋いで崩しの局面に持ち込むと言われているが、現実的にはポジショナルプレーではない」とも指摘。その違いについて林氏は、「ポジショナルプレーは選手の立ち位置を固定して、立ち位置のところにボールが寄ってくるが、今のFC東京は人がボールに寄っていく状況になっている」と映像を使って解説し、「スペースを守られたら攻撃になかなか出ていけない。なのであまり効果的にチャンスを作れていない」と現状の課題を指摘している。
FC東京は今週末、首位に立つヴィッセル神戸と対戦する。前線にはFW大迫勇也や古巣対決となるFW武藤嘉紀といったタレントを擁し、「前線からの強度の高い守備と自陣でのビルドアップの割合が減って、逆にショートカウンターの数値が劇的に上がっている」と佐藤氏が解説する神戸に対し、どんな戦いを見せられるか。注目の一戦は、27日14時にキックオフを迎える。
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