近年はJ1優勝争いの常連であり続けてきた川崎フロンターレ。しかし、今季は主力の相次ぐ離脱などの影響もあって6勝3分け6敗の10位と苦しんでいる。それでも前節・柏レイソル戦では、持ち前の攻撃的なパスサッカーで圧倒し、リーグ戦では3試合ぶりの勝利をマーク。ここからの巻き返しを目指す川崎Fを解説陣が紐解いていく。
今季の戦いぶりを佐藤氏は、「攻撃時はかなり前目のポジションを取っているところがこれまでストロングになっていたが、選手が揃わないことでウィークになっている」と指摘。現在もDFジェジエウやFWマルシーニョらが怪我で離脱し、ベストメンバーを組めない時期が続いている。
だが、前節は柏に2-0で勝利。橋本氏は、「以前までのやり方が復活してきた」と指摘し、復調が見られたポイントを戦術ボードを使って解説した。
そのキーポイントに橋本氏が挙げたのは、”幅”と”深み”。その効果をもたらしてる前線の動きに着目した。
GKも含めてビルドアップに参加して組み立てる攻撃面では、「小林悠選手が裏取りすることとサイドの選手が幅を取ることで、相手を広げた状態で攻撃ができている」と指摘。前節の柏戦では、「相手のボランチの背中(のスペース)を取ってサイドへ展開して、そこから選手が連動して決定的な形を作れていた」と解説し、54分のMF大島僚太のシュートがポストに阻まれたチームとしての崩しを映像と共に好シーンとして挙げている。
まずは、「(WGが)しっかりと幅を取っていることでスペースが生まれる」と指摘し、「本来ならボランチの背後にいる選手は、サイドバックやセンターバックがチャレンジしたいが、(WGが幅を取っていることで)チャレンジできない」とウイングの立ち位置によって相手目線で対応が難しい状況を作っている。
ただそういった状況も最終ラインを押し上げることで、スペースを消し、対応することもできるが、橋本氏は、「前線の選手が深みを取ることでDFラインと中盤エリアの間のバイタルエリアにスペースができて、だからこそ(インサイドハーフに)ボールが入る」と解説。そういった前線の立ち位置や動きによって中盤にスペースを生み出している。
そのスペースメークのカギを握っているのが、柏戦でリーグ初先発を飾った小林だ。元ストライカーの佐藤氏は、「彼はゴールに直結する背後を取る動き一番やってくれる。そうすることで最終ラインは下がらざる得ない。そこで深さが生まれている」と背番号11の動きを絶賛している。
また佐藤氏は、第9節からスタメンに定着しているGK上福元直人のプレーぶりを評価。「相手のプレスを回避するところのプラスワンをうまく作れている」と讃えた上で、「一度ボールを下げて相手にこさせて陣形を広げさせてライン間で受けられるポジションを意図的に作っている」とビルドアップに積極的に関わる守護神の存在も、チームに”幅”と”深み”をもたらす上で大きなものとなっている。
そんな川崎Fが今週末にホームに迎えるのは、上位につける4位・サンフレッチェ広島だ。ハイプレスを得意とする広島に対し、復調を見せる攻撃を機能させ、川崎Fが勝利という形で完全復活を遂げるか。注目の一戦となる。
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