一連の出来事が巻き起こったのは、スコアレスで迎えた56分の場面だ。
横浜FMのパスが流れたところを鹿島のGKクォン・スンテがペナルティエリア内で捕球するが、このボールに猛スプリントしていたFWエウベルと接触。これに対してクォン・スンテが激怒し、一触即発のムードに。そして鹿島の守護神は、手にボールを保持したまま、審判に猛抗議。ただ主審が試合を止めることなく、ヒートアップする二人の感情を沈めたことで、クォンスンテが手でボールを6秒以上保持しているレアケースが起きた。その後に試合は何事もなく続行されたが、”6秒ルール”を適用すべきだったのか議論が行われた。
本来のルールを厳密に適用するのであれば、”6秒ルール”でファウルを取らなければいけない事象ではあるものの、平畠氏は「これで良かったと思う。もしこれで笛を吹いたらさらに険悪なムードになっていたと思う」と強調。原氏も「これで良かった」という意見を述べた上で、「こんなことで揉める必要がなかった。西村さんはうまくなだめて厳密な6秒ルールよりもまずは(感情を)おさめて再開したのでベストだったと思う」と主審の判断に理解を示した。
実際にサッカーの試合であまり適用されることがない”6秒ルール”。GKの過度な遅延行為を防ぐために設けられている措置というのが本来の目的であるため、「厳密にやっているのは世界的にもあまりない」と家本政明氏も言及。サッカー界においていわゆる”グレーゾーン”と言えるルールの一つでもある。
今回のケースに当てはめてみると、スコアレスの状況の中で巻き起こった一連の出来事であり、クォンスンテも時間を使うために6秒以上ボールを保持していた訳ではない。ただ家元氏は、クォンスンテがエウベルに対して頭を寄せて詰め寄ったシーンを問題視し、「クォン選手が頭を寄せていったシーンを見るとフリーキックになってしまう」と主張。さらに「(ファウルを取られれば、)これでペナルティキックになってしまう。だから気持ちはわかるけど、慎んでほしい」と強調している。
また主審の対応についても家本氏は、「僕ならゲームを一度止めて、レフェリーボールにして場を収めてお互いに話し合って、それからゲームを再開する。現場では致し方ないところがあったとは言え、ゲームを一度止めてリスクマネジメントに入った方がより良かったと思っている」と意見を述べている。
今後はどんな事象を題材として扱っていくのか。今後のJリーグジャッジリプレイにも注目したい。
関連記事
● 「レッドカードはルール上間違い」。バックパスを手で処理したGKへのレッドカードは懲戒の罰則にならず再試合が決定 | Jリーグジャッジリプレイ
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。
● 【番組表】直近の注目コンテンツは?
● 【お得】DAZNの料金・割引プランは?