ロアッソ熊本 対 大分トリニータ の見どころ
勝てば天国、負ければ地獄のプレーオフ1回戦でバトル・オブ・九州が実現する。J2昇格1年目ながらプレーオフ進出を果たしたロアッソ熊本と1年でのJ1復帰を目指す大分トリニータが、えがお健康スタジアムで顔を合わせる。
ホームアドバンテージを持って戦える熊本は今季、大木武監督のもと攻撃的なサッカーでJ2リーグを席巻。18勝13分け11敗で4位の成績はもちろん、選手たちが流動的に動きながらショートパスをつないでゴールを迫っていくスタイルで大きなインパクトを残した。
ビッグネームの選手がいる訳ではないが、CB・菅田真啓、ボランチ・河原創、竹本雄飛、1トップ・髙橋利樹のセンターラインを中心にチームワークは抜群で観る人の多くを魅了。シーズンラストこそ連敗を喫してしまったが、それまでは連敗することなく、コンスタントに勝点を積み上げてきた。
一発勝負のプレーオフの戦いになっても、そのスタイルに変わりはないだろう。攻撃的なスタンスを貫き、2回戦進出を目指したい。今季ホームでは8勝6分7敗とほぼ五分の数字が並ぶが、引き分け以上で突破できると考えれば決して悪くない成績。ファン・サポーターの声援を力に変え、大分を迎え撃つ準備は万端だ。
一方、勝たなければ次のラウンドに進めないのは大分。まさかの連敗を喫してリーグ戦の締めくくりを迎えてしまったのは少し後味が悪いが、シーズン後半戦の勝率は圧巻で第22節から第40節までの19試合で敗戦はわずかに『1』。怒涛のペースで勝点を積み上げ、プレーオフの出場権をつかんだ。
下平隆宏監督の就任1年目でシーズン序盤はJリーグYBCルヴァンカップのグループステージの戦いもあったため、超過密日程のスケジュールを強いられチーム作りに苦戦。第4節、第5節とまだ早いタイミングであったとは言え降格圏に沈んでいた時期もあり、折り返しの時点では10位であった状況を考えると、ここまでの浮上は評価できる。自動昇格を果たしたアルビレックス新潟と横浜FCにもきっちりと勝利しており、リーグトップクラスの力を持っていると言っていいだろう。
ただ、本当の勝負はここからであり、残り3試合で勝ってこそ、今季の集大成を最高の形で飾ることとなる。そのためにも初戦突破は絶対。熊本にボールを握らせず、自分たちがボールを握り、主導権をつかみながら勝機を探りたい。
今季の両者の対戦は1勝1敗でスコアはどちらも2-1。そして、それぞれアウェイの地で先制して勝利している。この事実がどんな助けや後押しになるかは不明だが、データとして参考になる部分も少なからずあるだろう。30日の13時5分に戦いの火ぶたは切られる。
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