栃木SC 対 町田ゼルビア の見どころ
前半戦のラストゲーム、カンセキスタジアムでは19位の栃木SCと首位の町田ゼルビアが対戦する。下位に沈むホームチームが首位狩りに成功し後半戦での逆襲にはずみをつけるのか、首位を独走するアウェイチームが安定感と勝負強さを発揮し、順当に勝点3を積み上げるのか。お互いに勝利が欲しい一戦となる。
栃木にとって前半戦は低空飛行が続く戦いぶりとなってしまった。初勝利を挙げるまでに5試合かかると、その後も成績は安定せず停滞。勝った次の試合を落としてしまう流れが続き、ここまで連勝が一度もないことが浮上のきっかけを逃した原因の1つと言っていいだろう。
また、18得点はリーグで4番目に少ない数字であり、攻撃の構築と得点力不足に苦しんでいたことも事実。失点数は『23』と下位に沈むチームの中では断トツに少ない数字なだけに、チームとしてゴールが増えてくれば自ずと成績は上がってきそうである。
リーグ全試合の20試合に出場しチームトップの3ゴールを決めている根本凌にかかる期待は大きい。実際、背番号32がゴールを決めた第9節・モンテディオ山形戦（2〇1）と第18節・ファジアーノ岡山戦（2〇1）はどちらも勝利している。首位撃破に向け、根本のゴールが必要である。
町田は前節、V・ファーレン長崎を寄せ付けず今季最多の4ゴールで粉砕。エリキとミッチェル・デュークがはじめてそろってゴールを決め、それも2ゴールずつと爆発。危なげなく勝点3を積み上げた。
その中、リーグ戦折り返しのゲームで戦うのは栃木。過去12試合を戦い、1勝しかできておらず、さらに昨季はダブルを食らっているめっぽう相性の悪い相手である。
その意味では、前半戦ラストゲームにして真価が問われるゲームと言っていい。前半戦で示してきた強さが本物だと証明し、より昇格争いが本格化してくれる後半戦に向け、さらに勢いを加速させられるか。GKポープ・ウィリアムを中心にリーグ最少失点を誇る守備で一瞬の隙を見せることなく無失点の時間を長くし、必ずや訪れる得点チャンスを見逃さない手堅いゲームを運びをアウェイでも見せ、15勝目をつかみ取りたい。黒田ゼルビアが天敵に挑む。
他会場のカード
6月17日（土）
14:00 藤枝MYFC vs ロアッソ熊本（J2）
右サイドからの攻略が光った前節の藤枝は、前半だけで3得点を挙げて3試合ぶりの勝利。対する熊本は清水エスパルスに0-1で敗れたものの、好機の数では相手を上回った。藤枝が勝点「28」で12位、熊本は1ポイント差で13位と上位をうかがう上で重要な直接対決。ボールを動かしながらゴールに迫る攻撃的なスタイルを標榜する両チームとあって、見応えのある好ゲームが期待される。
18:00 ツエーゲン金沢 vs 水戸ホーリーホック（J2）
直近5試合で勝点2、得点はわずか1と苦しい戦いが続く金沢。「数試合、ずっとチャンスを作っているけど入らない」と柳下正明監督が話したように内容は悪くないだけに、ケチャップのふたを今度こそ開きたい。対する水戸は今季初の2連勝で金沢を抜き17位に浮上。過去4シーズンで5勝3分と相性の良い相手から再び3ポイントを獲得し、さらなる上昇気流に突入していけるか。
19:00 徳島ヴォルティス vs モンテディオ山形（J2）
交代選手を使いながら逃げ切りに成功した徳島はホーム3連勝中。その3試合全てで得点しているFW森海渡が今節も期待通りの働きを見せられれば、今季初の連勝はぐっと近づくはずだ。対する山形は破竹の5連勝。こちらはFWチアゴ・アウベスが5試合連続得点と止まらない。長い未勝利期間や降格圏転落を経験したものの見事に立て直した両チーム。後半戦へ向け、さらに弾みをつけるのは果たして。
19:00 V・ファーレン長崎 vs 大宮アルディージャ（J2）
首位・FC町田ゼルビアに4失点で完敗した長崎のキーマンは、二桁得点に乗せたFWフアンマ・デルガド。低調な試合内容が続く中でも自身は得点を重ねており、古巣対戦の大宮戦で3戦連発を狙う。一方、ホームで連敗を喫した大宮は連続未勝利が12試合に。ただ0-3から2点を返したことは数少ない光明。この粘りを今節につなげ、昨季9月を最後に勝利のないアウェイゲームでトンネルから脱出できるか。
19:00 大分トリニータ vs ファジアーノ岡山（J2）
負傷者が続出する大分だが、前節は新布陣が功を奏し2位を堅持。スコアこそ最少得点差だったがシュート14本、CK18本の“完勝”と言って差し支えない出来で、今節は4月以来の3連勝を狙う。対する岡山は数的不利も響き今季初の逆転負け。昇格に向けて上位陣との重要な直接対決が続くなか、前節の悔しさを晴らせるか。昨季の大分戦でJリーグ初ゴールを記録したMF佐野航大に期待がかかる。
6月18日（日）
14:00 レノファ山口FC vs ベガルタ仙台（J2）
フアン・エスナイデル監督の初陣に臨んだ山口は0-4で敗戦。ただ、後半に退場者を出すまでは「ハイライン・ハイプレス」で互角の戦いを披露した。1週間の準備期間を得て臨む今節、新指揮官の色がさらに浸透するか注目だ。6試合ぶりに敗れた仙台は、今季4度の先制ゴールを記録しているMF中島元彦に期待がかかる。早々の2失点で劣勢を強いられた前節の反省を生かし、先にスコアを動かしたい。
16:00 いわきFC vs ジェフユナイテッド千葉（J2）
21位・いわきは前半の好機を生かすことができず、2試合連続で複数失点による敗戦。14日には田村雄三氏への監督交代が発表された。ボトムハーフとの試合が続く今後に向け、流れを変える1勝をつかめるか。一方、16位・千葉は3連敗中。こちらは今季最多の4失点と陰りの見える堅守再建がポイントになる。4シーズンプレーした古巣との初対戦を迎えるMF日高大にも注目したい。
18:00 東京ヴェルディ vs ザスパクサツ群馬（J2）
劇的な形で今季リーグ戦初の逆転勝利を飾った東京Vは3位をキープ。サイドを崩して得たセットプレーから2得点を奪ったことも収穫で、4試合無得点が続くホームゲームで今度こそサポーターに勝利を届けたい。対する群馬は前節0-1で敗れたもののFW長倉幹樹が6試合ぶりに復帰した。7日の天皇杯で敗れた相手と早速の再戦。今季まだ連敗がないチームは、エースの帰還を追い風に雪辱を誓う。
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