今回のテーマは「新外国人選手」。助っ人外国人と言うほうが耳馴染みが良いかもしれない。
海を越えて日本の地に活躍の場を求めた彼らの働きは、チームの成績を左右すると言っても過言ではない。当たるか外れるか博打のような外国人選手の存在は、ファンにとっても非常に興味深いものだ。
今季は新型コロナウイルスの影響により現時点では来日できていないが、一足早く今季期待の新助っ人外国人選手を紹介していく。第8弾は楽天のアダム・コンリーだ。
アダム・コンリー(東北楽天ゴールデンイーグルス)
投手/左投左打/アメリカ出身/31歳
今季の楽天はピッチングスタッフの充実が目につく。田中将大の日本球界復帰が決まり、涌井秀章、則本昂大、岸孝之で成る先発ローテーションは豪華絢爛。彼らがしっかりと試合を作り、後ろを任されるリリーバーたちがきっちり仕事を果たすことができれば、マー君の言う「こだわるのは日本一」も現実味を帯びてくる。
その「後ろ」の面々は実に多士済々。クローザーは先発から再転向の松井裕樹が君臨し、セットアッパーにはサブマリンの牧田和久や、必殺カーブのアラン・ブセニッツが睨みをきかせる。さらに昨季プチブレイクを果たした酒居知史や、不振からの巻き返しを図る森原康平も控える。今季はそこにメジャー通算25勝の実績を誇る左腕アダム・コンリーが加わるとあって、楽天の躍進を期待しないわけにはいかない。
2008年のドラフトでミネソタ・ツインズから指名を受けたコンリーだったが、この時は契約せずにワシントン州立大へ進学。3年後の11年、今度はマイアミ・マーリンズから声がかかり、ドラフト2巡目(全体72位)でプロ入りを果たした。翌年にはマイナー2階級合計で11勝を挙げ、13年も再び11勝を記録する活躍で、14年にはアメリカの有力スタッツサイト『FANGRAPHS』が選出するマーリンズの有望株ランキングで5位に選出された。
15年6月10日のブルージェイズ戦でリリーフとしてメジャー初登板を飾ったコンリーは、今季から巨人でプレーするジャスティン・スモークら3人を完璧に封じ、上々のデビューを果たす。次の登板では先発の大役を任され、5回2失点で見事メジャー初勝利を果たした。
この試合でコンリーには勝利以上に「かなりクレイジーだった」と興奮する場面があった。それは打者として憧れのイチローの後ろを打ったことだった。シアトル近郊のレドモンドで育ったコンリーにとって、シアトル・マリナーズのスーパースターだったイチローは憧れの存在。そのイチローと同じスタメン表に名前が記載されるのだから感動もひとしおだろう。
そしてその第一打席、イチローがいきなりヒットで出塁すると、コンリーはきっちりと送りバントを決めて、レジェンドをセカンドに進塁させた。「彼がヒットを打って、僕が送る。クレイジーだ。ヒットの彼を僕が送ったんだよ」と溢れる気持ちを抑えられなかったようだ。
この年4勝を挙げたコンリーは、翌年は年間通じてほぼローテーションを守り、25先発で自己最多の8勝をマーク。17年にも8勝を挙げるも防御率は3.85から6.14と悪化し、18年からはストレートの威力を活かすためにリリーフに転向となった。昨年は開幕直後に新型コロナウイスルへの感染が発覚し、その影響もあってメジャー、マイナーともに登板が無く、オフにFAになって日本行きを決断した。
コンリーの特徴はそのピッチングフォーム。両手を鳥の翼のように目いっぱい開き、右足を一塁側に踏み込んで、スリークォーターよりややサイド気味の角度で投げてくる。左打者にとっては背中からボールが来るような感覚なので非常に厄介だ。なので肝は右打者への対策になる。
実際に19年はわずか60.2回で10本塁打を浴び、そのうち9本が右バッターに打たれたものだった。持ち球はリリーフに専念するようになってから平均球速が150km台まで上がったストレートも魅力だが、ベストピッチは大学1年の時にカーブを捨てて切り替えたというスライダー。この球は打者の左右問わず強力で、対左打者の被打率が.184、対右が.192と抑えており、決め球として三振を量産できそうだ。
また、マリナーズのレジェンドで、通算269勝を積み重ねたジェイミー・モイヤーを見習ったというチェンジアップも持っており、速球と変化球のコンビネーションがハマれば、勝利の方程式に割って入る可能性は十分にある。対右打者の対策や、四球が多い点、1年のブランクなど不安要素はあるものの、MLBで実績のあるコンリーの加入が、楽天投手陣にどんな化学反応をもたらすのか楽しみだ。
2021新助っ人外国人選手名鑑
- ジャスティン・スモーク(巨人)
- エリック・テームズ(巨人)
- メル・ロハス・ジュニア(阪神)
- ドビダス・ネバラスカス(広島)
- ドミンゴ・サンタナ(ヤクルト)
- コリン・レイ(ソフトバンク)
- ルスネイ・カスティーヨ(楽天)
- アダム・コンリー(楽天)
- アデイニー・エチェバリア(ロッテ)
- ロビー・アーリン(日本ハム)
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