中断中プレミアリーグにおいて、多くの現地メディアがシーズンのベストイレブンを発表しているが、そのほとんどがディーン・ヘンダーソンをベストGKに推している。まさに、ヘンダーソンにとって今季は飛躍のシーズンとなった。
マンチェスター・ユナイテッド下部組織出身のヘンダーソンはユース時代から高い評価を得ていたが、トップチームのゴールマウスには不動の守護神であるダビド・デ・ヘアが陣取っていたため、過去4シーズンにわたって他クラブへのレンタル移籍で武者修行をしてきた。
クラブ外にも広く名前が知られ始めたのは昨季。レンタルで加入したシェフィールド・ユナイテッドをプレミアリーグ昇格に導く活躍を披露し、そしてチャンピオンシップ（イングランド2部）のゴールデングローブを獲得した。その通り、シェフィールドが2007年以来となるプレミアリーグ復帰を果たせたのは、間違いなくヘンダーソンのハイパフォーマンスによるところが大きかった。彼はリーグの46試合で21回ものクリーンシートを記録したのだ。
そしてチームと共にプレミアリーグに昇格した今季も残留すると、ヘンダーソンは中断前のプレミアリーグにおいて、リーグ2位となる「10」のクリーンシートを記録。76％ものセーブ率を誇り、7位と大健闘しているシェフィールドの堅守に大きく貢献している。
ヘンダーソンの活躍ぶりには多くのクラブが注目しており、チェルシーやパリ・サンジェルマン（PSG）が獲得に興味を示しているとも。もちろん、レンタル元のマンチェスター・Uもヘンダーソンの処遇に関しては熟慮。だが、ミスが増えているとはいえデ・ヘアもまだ29歳。クラブはGKの世代交代について嬉しい悩みを抱えているが、現時点ではヘンダーソンを来季もレンタル移籍させ、その次のシーズンに世代交代に踏み切りたいと考えているようだ。
今後のイングランド代表招集は間違いなく、それどころかNO.1に据えるべきとも論じられているヘンダーソン。いずれにせよ、この23歳がスリーライオンズ、そして欧州サッカー界の大舞台で名を轟かす日もそう遠くないだろう。
プレースタイル
ヘンダーソンはオールドスタイルのGKだ。足下の技術やロングキック精度などビルドアップ面で改善の余地があるものの、それを補って余りある一対一の強さや至近距離からのシュート対応の良さ、ポジショニングセンスを備えている。ボールをしっかりと目で捉え、確実に安全なところに弾くショットストップ能力はプレミアリーグのGKの中でも随一。そして特筆すべきは、その存在感だ。どんな状況でも堂々たる態度でゴールマウスを守る姿勢は、23歳にしてチームを安心させるほどの大物の風格を漂わせている。
動画：プレー＆セーブ集
プロフィール・経歴
ディーン・ヘンダーソン／Dean Henderson
1997年5月12日生まれ 188cm・85kg 利き足：右
| シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
|---|---|---|
| 2015-16 | ストックポート※レンタル | 9試合・0得点 |
| 2016-17 | グリムズビー※レンタル | 7試合・0得点 |
| 2017-18 | シュルーズベリー※レンタル | 38試合・0得点 |
| 2018-19 | シェフィールド・U※レンタル | 46試合・0得点 |
| 2019-20 | シェフィールド・U※レンタル | 36試合・0得点 |
| 2020-21 | マンチェスター・U | 3試合・0得点 |
※成績は国内リーグ（2021年1月10日現在）
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