26歳と欧州サッカー界では決して若くない年齢でビッグクラブへステップアップできるということは、チェルシーがそれほどMFハキム・ツィエクを高く評価している証明とも言える。
近年のアヤックスを牽引してきたツィエクは、ユース時代を過ごしたヘーレンフェーンで2012年にデビュー。レギュラーの座を掴んだ2013-14シーズンにリーグ戦31試合9得点をマークすると、翌シーズンにトゥベンテへ移籍した。
トゥベンテでも2シーズンで公式戦76試合34アシストを記録すると、2016年にはアヤックスの目に留まり、1100万+ボーナスという移籍金でオランダ屈指の強豪クラブへ加入した。
名門アヤックスでも初年度に32試合9ゴール13アシストを記録し、翌シーズンにも全34試合に出場して9ゴール17アシストをマーク。アヤックスの年間最優秀選手賞を受賞すると、オランダのベストプレーヤーの一人として認知された。
そして、2018-19シーズンにはさらなる飛躍を遂げた。リーグ戦では29試合の出場で16ゴール17アシストと得点力も上げ、アヤックスの5年ぶりの優勝に貢献。3シーズン連続のアシスト王のタイトルを手にする。さらにチャンピオンズリーグ(CL)でもクラブをベスト4に導く活躍を披露し、2年連続でクラブ年間最優秀選手に選ばれた。
そして2020年2月、チェルシーと5年契約を締結することを発表。チェルシーがアヤックスに支払う移籍金は4000万ユーロと伝えられており、新天地でもオランダ時代同様のハイパフォーマンスが期待されている。
プレースタイル
ウイングを主戦場としているものの、非常に器用なタイプで、トップ下やセカンドストライカーとしてもプレー可能。オランダで7シーズン連続二桁アシストをマークしているように、ゴールに直結したプレーができる選手だ。
スピードに乗ったドリブルと巧みなフィニッシュワーク、足下の技術の高さが持ち味で、スペースがあると活きるタイプ。以前は好不調の波やパフォーマンスのムラ、ボールロストの多さが懸念だったが、歳を重ねるごとに改善されている。左足でのフィニッシュやラストパスに持ち込む一連の仕掛けの流れは圧巻の一言。
動画:ゴール集
エピソード
アンダー世代では生まれ育ったオランダで代表に呼ばれていたが、フル代表では故郷のモロッコを選択。オランダのレジェンドであるマルコ・ファン・バステン氏は以前、ツィエクに対して、「モロッコ代表を選ぶなんて、なんて愚かなんだ。なぜオランダを選ばないのか」と発言したが、その後にオランダが2018年のロシア・ワールドカップ(W杯)出場を逃した一方、ツィエクが選択したモロッコは21世紀に入って初の出場権を獲得。ツィエクはモロッコ代表としてロシアW杯で3試合に出場し、最高の舞台を経験した。
プロフィール・経歴
ハキム・ツィエク/Hakim Ziyech
1993年3月19日生まれ 181cm・67kg 利き足:左
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2012-13 | ヘーレンフェーン | 3試合・0得点 |
2013-14 | ヘーレンフェーン | 31試合・9得点 |
2014-15 | トゥベンテ | 31試合・11得点 |
2015-16 | トゥベンテ | 33試合・17得点 |
2016-17 | アヤックス | 28試合・7得点 |
2017-18 | アヤックス | 34試合・9得点 |
2018-19 | アヤックス | 29試合・16得点 |
2019-20 | アヤックス | 21試合・6得点 |
2020-21 | チェルシー | 11試合・1得点 |
※成績は国内リーグ(2021年2月10日現在)
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