2018年のロシアワールドカップで3位入賞を果たしたベルギー代表の主軸で、ヨーロッパでも有数のサイドバックと称されるトマ・ムニエ。エデン・アザールと同じ1991年生まれだが、その同胞のように10代の頃から脚光を浴びていたわけではない。
ベルギーU-15代表に選出されるなど将来を嘱望されるフォワードだったが、度重なるケガが原因となり、2006年にスタンダール・リエージュの下部組織を退団。当時は3部リーグ所属だったロイヤル・エクセルシオール・ヴィルトンのユースに移籍した。
そのスモールクラブでトップチームに昇格すると、08-09シーズンに2部リーグデビューを果たす。続く09-10、10-11シーズンは3部でのプレーを余儀なくされたものの、11年2月にU-21代表初招集を受けるほど頭角を現した。そして、3部リーグの有望株に過ぎなかったムニエは、同年夏にクルブ・ブルッヘに引き抜かれる出世を遂げたのである。
ヴィルトン時代に生活費を稼ぐべく、ガラス工場でフォークリフトを操っていた苦労人にとって、クルブ・ブルッヘから提示されたサラリーは目も眩むような大金だった。だが、ムニエは道を踏み外すことなく、加入1年目から公式戦49試合出場(5得点)とフル稼働する。そして2年目に転機が訪れた。右サイドバックへのコンバートだ。
元々はストライカーで、クルブ・ブルッヘ1年目の主戦場がウイングだったが、ムニエはここから攻撃的サイドバックとして飛躍。13年11月にベルギー代表で初キャップを刻むと、16年7月に自身初のビッグクラブ、 パリ・サンジェルマン にステップアップした。
そして今日に至るまでフランス王者の一員として活躍し、通算120試合以上の公式戦に出場。 ネイマール や キリアン・ムバッペ 、エディンソン・カバーニら同僚のゴールを演出するのみならず、自らもネットを揺さぶるなどして評価を高めていった。
PSGとの契約は2020年6月に満了。2020-21シーズンからは ドルトムント でプレーしている。
プレースタイル
最大の特長は元ストライカー&ウインガーらしい攻撃センスで、積極的なオーバーラップからの正確なクロスや鋭いシュートで得点に絡む。また、水準以上の走力やスタミナも兼備。ロングカウンターで長駆した後も、ラストパスやクロスの精度が落ちにくい。
一方で、守備は意識も対応も改善の余地を残す。これが一因となり、PSGで不動の地位を築くには至らなかった。
ゴール動画
プロフィール・経歴
トマ・ムニエ/Thomas Meunier
1991年9月12日生まれ 190cm・82kg 利き足:右
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2008-09 | ヴィルトン | 5試合・0得点 |
2009-10 | ヴィルトン | 16試合・5得点 |
2010-11 | ヴィルトン | 28試合・10得点 |
2011-12 | クルブ・ブルッヘ | 35試合・3得点 |
2012-13 | クルブ・ブルッヘ | 21試合・4得点 |
2013-14 | クルブ・ブルッヘ | 32試合・3得点 |
2014-15 | クルブ・ブルッヘ | 30試合・2得点 |
2015-16 | クルブ・ブルッヘ | 31試合・2得点 |
2016-17 | PSG | 22試合・1得点 |
2017-18 | PSG | 24試合・4得点 |
2018-19 | PSG | 22試合・3得点 |
2019-20 | PSG | 16試合・0得点 |
2020-21 | ドルトムント | 3試合・0得点 |
※成績は国内リーグ(2020年10月14日現在)
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