「幼いころからレアル・マドリードでプレーすることが夢だった。この瞬間を迎えることができて嬉しい」
2019年6月13日、本拠地サンティアゴ・ベルナベウでの入団会見に姿を現したエデン・アザールは最高の笑顔でそう語った。
リールでの2度のリーグ・アン年間MVP、そしてチェルシーでの公式戦352試合110ゴール92アシストという素晴らしい実績を引っ提げてレアル・マドリード入りしたアザールだが、入団会見での笑顔どおりにはいかず、“夢のクラブ”での1年目は受難の日々となった。
シーズンスタートからハムストリングの負傷で出遅れると、加入後6試合目となる2019年10月のグラナダ戦で初ゴールを記録したものの、11月には再び負傷離脱。右足の膝蓋周囲の打撲による微小骨折で約2カ月の離脱を経て2020年2月に復帰したものの、今度は右足腓骨の亀裂骨折に見舞われた。
当初はシーズン絶望とみられていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でシーズンが中断したことで、何とか6月にピッチに復帰。10連勝で3シーズンぶりのラ・リーガ制覇を果たしたチームに貢献したものの、ベストコンディションには程遠く、真骨頂を発揮することはできなかった。
「個人としては間違いなくキャリア最悪のシーズンを送ってしまった」と語ったとおり、リーグ戦16試合でわずか1ゴールに終わるとは本人も思っていなかっただろう。それでも、「世界最高の監督の一人。物事を指摘する適切なタイミングを理解している人だ」と口にし、幼少期からのアイドルだったジネディーヌ・ジダン監督の下で成長を見据える男は、このまま終わるつもりはないはずだ。8月にはラ・リーガ終了から十分な間隔があき、チャンピオンズリーグも再開される。
「レアル・マドリーでプレーする限り、すべてのタイトルを手にしたい。次のタイトルはチャンピオンズリーグだ」。自身キャリア初となる欧州最高タイトルの獲得に向けて爪を研ぎ続けるアザール。敬愛する指揮官からの薫陶を受ける男が白いユニフォームをまとって真の姿を見せる日もそう遠くないはずだ。
プレースタイル
チェルシー時代はゼロトップに近いシステムでセンターフォワードを務めたこともあるように、攻撃的なポジションであればどこでもプレー可能。だが、最も輝きを放てるのは左ウイングだ。
左サイドでのカットインからフィニッシュに持ち込むプレーを最も得意としており、低い重心から繰り出されるドリブルはわかっていても止めることができないほどのキレ味。また、少年時代に柔道を習っていたこともあって体幹が素晴らしく、敏捷性も非凡なため、強靭なフィジカルを誇るDFもうまくいなすことができる。
また、ドリブルだけでなくパスやゲームメーク力も高く、アタッカーとしてのあらゆる能力を高水準で備える。キャリア全盛期を迎え、レアル・マドリードでの活躍次第ではバロンドールを手にすることも可能なクオリティを有していると言える選手だ。
動画:プレー&ゴール集
プロフィール・経歴
エデン・アザール/Eden Hazard
1991年1月7日生まれ 175cm 利き足:右
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
2007-08 | リール | 4試合・0得点 |
2008-09 | リール | 30試合・4得点 |
2009-10 | リール | 37試合・5得点 |
2010-11 | リール | 38試合・7得点 |
2011-12 | リール | 38試合・20得点 |
2012-13 | チェルシー | 34試合・9得点 |
2013-14 | チェルシー | 35試合・14得点 |
2014-15 | チェルシー | 38試合・14得点 |
2015-16 | チェルシー | 31試合・4得点 |
2016-17 | チェルシー | 36試合・16得点 |
2017-18 | チェルシー | 34試合・12得点 |
2018-19 | チェルシー | 37試合・16得点 |
2019-20 | レアル・マドリード | 16試合・1得点 |
2020-21 | レアル・マドリード | 8試合・2得点 |
※成績は国内リーグ(2021年2月10日時点)
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