カタールW杯を11月に控える中、重要な意味を持つアメリカ代表とのテストマッチでカギを握りそうなのが、今季、フランクフルトで素晴らしい活躍を見せている鎌田大地だ。
2020年から日本代表でコンスタントに出場機会を増やしていた鎌田だが、カタールW杯アジア最終予選の第3節・サウジアラビア戦の敗戦以降、なかなかピッチに立つ機会がなくなっていた。
迎えた今年の6月遠征では、怪我人が多く出たこともあり、鎌田は代表で初めてインサイドハーフのポジションで出番を得た。ここで能力を遺憾なく発揮し、パラグアイ戦では1ゴール、1アシストを記録。印象に残るパフォーマンスを披露した。その後の試合もインサイドハーフで出場し、結果こそ出なかったが、トップ下以外のポジションでも違いを見せられることをピッチ上で示したことは大きなプラスだった。
そんな鎌田が今回のアメリカ戦ではトップ下で起用される可能性が高まっている。チームはW杯で対戦するドイツやスペイン、コスタリカといった強敵と相対する時のために、新たな攻守の形やシステムを模索。アメリカ戦では[4-2-3-1]のシステムを採用することになりそうだ。
トップ下について鎌田は「もちろん僕のできるよいポジションだと思うし、よいクオリティで出来る自信もある」と主張。また、「監督の求めていることを表現できるようにしていきたい」とした上で、前線との絡み方などについて自身のイメージを口にした。
「これからの対戦は、アジア最終予選の相手とは違って、自分たちと同等かそれ以上の力のチームとの試合が増えていくと思う。僕自身、前に速い選手がいてくれたらやりやすさをもっと感じるだろうし、試合展開も守ってカウンターの展開もあるのかなと。足の速い選手が試合に出ているなら、そういう選手をうまく生かさないとチームとしてダメ。出る選手によって全然特徴が違うので、出ている選手がうまくよいプレーができるようにみんなでやっていくべきかなと思います」
アメリカ戦の最前線には爆発的なスピードを持つ前田大然がスターターとして入りそうなため、前田との関係性を深めることが得点につながっていくことは間違いない。加えて、他の2列目の選手の特徴を把握した上でプレーすることが必要になるが、そこは「自分はどちらかというと周りにプレースタイルを合わせることもできるタイプ」と問題はないだろう。
近年の成績だけを見れば、鎌田は欧州で活躍する日本人選手の中でもトップクラスの結果を残してきている。ただ、だからと言って日本代表でレギュラーとして活躍しているわけではない。さらにチームからの信頼度を高めていくためには、やはり鎌田がいかにチームにとって必要な存在であるかをもっとピッチで示すほかない。
クラブとはやり方さえ違えど、トップ下のポジションに自信を持つ鎌田は、アメリカ戦で日本を勝利に導くことができるか。結果を残す瞬間を楽しみにしたい。
文・林遼平
埼玉県出身の1987年生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、フリーランスに転身。サッカー専門新聞「エルゴラッソ」の番記者を経て、現在は様々な媒体で現場の今を伝えている。
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