長らくアーセナルで活躍したMFメスト・エジルは、現代では稀少になった「クラシックなNo.10」と言ってもいいだろう。
17歳の時にシャルケのトップチームデビューを果たし、2008年に加入したブレーメンでブレイク。ドイツ代表にも招集され、10年の南アフリカ・ワールドカップで全試合に出場し、チームの3位入賞に大きく貢献した。世界トップクラブからの関心が強まり、同年夏にレアル・マドリードへと移籍した。
世界最高峰のクラブに加わったレフティは、公式戦159試合で27ゴール80アシストをマーク。リーガ制覇も経験した。クリスティアーノ・ロナウドらと最高の関係を築いていたが、13年にアーセナルへと電撃移籍。C・ロナウドは当時「最悪のニュースだ」と嘆いた。
アーセン・ヴェンゲルの説得を受けてプレミアリーグへとやって来たエジルは、初年度から目覚ましい活躍を見せ、デビューシーズンで10アシスト。絶対的な中心選手となり、15-16シーズンにはリーグ記録に迫る19アシストを記録する。3度のFAカップ優勝を達成するなど、ガナーズに確かな足跡を残した。
21年1月に自身のルーツであるトルコのフェネルバフチェに移籍。幼少期に憧れたクラブで新たな挑戦を始めている。
プレースタイル
絶妙なボールタッチにピッチを俯瞰する視野、そして圧倒的なパスセンス……。誰も予想できないパスコースが彼には見えており、見るものすべてが驚かされるボールを蹴ることが可能だ。マドリー時代に指導したジョゼ・モウリーニョ監督が「パスが欲しい時にエジルがボールを持っていれば、そのボールは笑顔を見せる」と称したほどだ。
優雅にピッチの至るところに顔を出す彼だが、戦術理解度も高く、相手守備陣の穴を突くポジショニングも得意だ。その一方で、激しい展開でやや沈黙すること、守備貢献の低さなどが度々批判されることも。ウナイ・エメリ時代のアーセナルでは「戦術的な理由」で外されることが多く、ミケル・アルテタ監督からは信頼を得られなかった。
それでも「エジルにしか出せないパス」はすべてのサッカーファンを魅了する。年齢的にはベテランだが、そのパスセンスに錆び付きは見られない。
動画:プレー&ゴール集
プロフィール・経歴
メスト・エジル/Mesut Özil
1988年10月15日生まれ 180cm・71kg 利き足:左
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2006-07 | シャルケ | 19試合・0得点 |
2007-08 | シャルケ | 11試合・0得点 |
ブレーメン | 12試合・1得点 | |
2008-09 | ブレーメン | 28試合・3得点 |
2009-10 | ブレーメン | 31試合・9得点 |
2010-11 | レアル・マドリード | 36試合・3得点 |
2011-12 | レアル・マドリード | 35試合・4得点 |
2012-13 | レアル・マドリード | 32試合・9得点 |
2013-14 | レアル・マドリード | 2試合・0得点 |
アーセナル | 26試合・5得点 | |
2014-15 | アーセナル | 22試合・4得点 |
2015-16 | アーセナル | 35試合・6得点 |
2016-17 | アーセナル | 33試合・8得点 |
2017-18 | アーセナル | 26試合・4得点 |
2018-19 | アーセナル | 24試合・5得点 |
2019-20 | アーセナル | 18試合・1得点 |
2020-21 | フェネルバフチェ | 6試合・0得点 |
※成績は国内リーグ(2021年3月18日現在)
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