2018-19シーズンのプレミアリーグにおいて10ゴール10アシストの“ダブル・ダブル”を達成し、プレミアリーグのDFから恐れられるアタッカーとなったウィルフリッド・ザハ。しかし、ここまでのキャリアでは苦しい時期も経験した。
幼い頃にコートジボワールからイングランドのロンドンに移住したザハは、クリスタル・パレスのユース時代に台頭。U-21イングランド代表にも招集され、国内屈指の若手との評価を得ると2013年1月、当時マンチェスター・ユナイテッドを指揮していたアレックス・ファーガソン監督の目に留まり、レッド・デビルズの一員となった。
ファーガソン監督がそのシーズンに退任したことを受け、ザハは“名将が獲得した最後の補強選手”に。しかし、指揮官が変わったユナイテッドで出番を得ることができずにいると、2014年1月にはカーディフ・シティにレンタル移籍。ここでも結果を残せず、“ユナイテッドの失敗の補強”とさえ言われた。
結局、ユナイテッドでは公式戦4試合、わずか166分しか公式戦に出場できないまま、2015年夏にはクリスタル・パレスへの完全移籍で“出戻り”を強いられる。しかし、ザハは腐ることなく自身のプレーを改善。2016-17シーズンには努力が形となり、7ゴール9アシストという結果を残した。
そして、年齢を重ねるごとにプレー精度を上げたザハは、完全にクリスタル・パレスに欠かせない存在に。2017-18シーズンにはリーグ戦29試合で9ゴール5アシスト、翌シーズンはリーグ全試合に出場し、“ダブル・ダブル”を達成したのだ。
プレミアリーグ屈指のアタッカーに成長したザハは、その移籍金も2019-20シーズンに4400万ユーロ(参照:トランスファーマルクト)まで到達。アーセナルやバイエルン・ミュンヘンなどビッグクラブから狙われる注目株となったのだ。
「ザハは一人で試合を決めることができる。トッテナムやマンチェスター・シティ、我々を相手にそれを示してきたようにね。私は言ったよ。『私たちは今、試合に勝利していくためにザハが必要だ』とね」(ガーディアン)
アーセナル前指揮官のウナイ・エメリは先日、2019年夏にザハの獲得を望みながらも叶わなかったことについて、そう嘆いた。かつて失格の烙印を押されながらも、自らの手でその価値を着実に高めてきたザハ。年齢的にもキャリア最盛期にさしかかるコートジボワール代表FWが今後どのようにステップアップするのか、その行方に注目だ。
プレースタイル
抜群のスピードとドリブル技術を兼ね備えるウインガー。長いストライドによるドリブルは迫力十分で、素晴らしい推進力を誇る。また体幹の強さは特筆もので、一対一のフィジカル勝負ではプレミアリーグの猛者が相手でもそうそう引けを取ることはない。キャリアを重ねるごとに仕掛けやゴールのパターンを増やしており、若い頃に欠けていた守備意識やプレーのムラも改善。ボックス内での決定力を高めれば、さらに一皮むけた超一流アタッカーになることができるだろう。
動画:プレー&ゴール集
プロフィール・経歴
ウィルフリッド・ザハ/Wilfried Zaha
1992年11月10日生まれ 180cm・76kg 利き足:右
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2009-10 | クリスタル・パレス | 1試合・0得点 |
2010-11 | クリスタル・パレス | 41試合・1得点 |
2011-12 | クリスタル・パレス | 41試合・6得点 |
2012-13 | クリスタル・パレス | 43試合・6得点 |
2013-14 | マンチェスター・U | 2試合・0得点 |
2013-14 | カーディフ・シティ | 12試合・0得点 |
2014-15 | クリスタル・パレス | 31試合・4得点 |
2015-16 | クリスタル・パレス | 34試合・2得点 |
2016-17 | クリスタル・パレス | 35試合・7得点 |
2017-18 | クリスタル・パレス | 29試合・9得点 |
2018-19 | クリスタル・パレス | 34試合・10得点 |
2019-20 | クリスタル・パレス | 38試合・4得点 |
2020-21 | クリスタル・パレス | 19試合・9得点 |
※成績は国内リーグ(2021年2月15日現在)
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