ピーター・シュマイケル、ロイ・キーン、ギャリー・ネヴィル――。1990年代から2000年代に隆盛を極めたマンチェスター・ユナイテッドには、クラブを支える“闘将”の存在が常にあった。
アレックス・ファーガソン元監督が2013年に退任して以降、ロイ・キーンやG・ネヴィルのようにチームを鼓舞できるタイプの選手を欠いたことが、ユナイテッド低迷の要因の一つと言われてきた。だが、偉大な先人たちの後継者となり得る選手が下部組織から出てきた。それがスコット・マクトミネイだ。
5歳の頃からアカデミーに所属していたマクトミネイは、ユース時代はセンターフォワードやトップ下を務めてきたが、ポジションをセントラルMFに下げたことで台頭。ユースで評価を高め、2017年5月にトップチームデビューを果たした。
190cm以上のサイズがあるマクトミネイは、彼を引き上げたジョゼ・モウリーニョ監督が好きなタイプの大型セントラルMFだった。モウリーニョ監督に重用されたマクトミネイは、2018-19シーズンには公式戦22試合に出場。攻撃参加を控えて守備に特化することで、より堅実な選手となった。
シーズン途中には成績不振によりモウリーニョ監督が解任されたものの、後任となったオーレ・グンナー・スールシャール監督も、ユースを指揮していただけあってマクトミネイを高評価。さらに、モウリーニョ監督時代に封印されていた攻撃参加も許され、アタッカー時代に培ったオフェンス能力もチームに還元し始めた。
攻守両面でインパクトを残し始めたマクトミネイは、2019-20シーズンにはレギュラーに定着。第7節アーセナル戦でのミドルシュートや3月に行われたマンチェスター・シティとのダービーマッチでのダメ押し弾など、ここまで公式戦27試合で5ゴールをマークしている。さらに、完全に主力となったことでチームを引っ張る自覚も芽生え、闘う姿勢だけでなくチームメートを鼓舞するようなアクションも増えた。現在では“将来のキャプテン”としての期待も高まっている。
マクトミネイの素質に対しては、ポジションを奪われたネマニャ・マティッチも、「マンチェスター・ユナイテッドの選手として必要なメンタリティを備えている。今のような努力をこの先も続けていけば、クラブのレジェンドになれる」と太鼓判を押す。
着実に経験を積んで成長し続けるマクトミネイ。この23歳のファイターが、復権を期するレッド・デビルズのキーマンになっていくことは間違いない。
プレースタイル
高いインテンシティと豊富な運動量、タイトなマーキングによる守備がマクトミネイの特長。闘争心を前面に押し出したプレッシングは相手にとって大きな圧力となり、中盤でボールを刈り取って前線につなぐプレーを得意としている。また、もともとアタッカーであったことから足下の技術もしっかりしており、シュート精度も非常に高い。高身長であることから、攻守におけるセットプレーの際にも貴重な存在となっている。
動画:プレー&ゴール集
プロフィール・経歴
スコット・マクトミネイ/Scott McTominay
1996年12月8日生まれ 193cm・88kg 利き足:右
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2016-17 | マンチェスター・U | 2試合・0得点 |
2017-18 | マンチェスター・U | 13試合・0得点 |
2018-19 | マンチェスター・U | 16試合・2得点 |
2019-20 | マンチェスター・U | 27試合・4得点 |
2020-21 | マンチェスター・U | 18試合・2得点 |
※成績は国内リーグ(2021年2月1日現在)
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